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ケース-002 女性、先輩からの非難に苦しんでいる

CL1
「先輩から、毎日毎日、
 あれこれ言われるのが嫌で…」

CO 1
「先輩から、毎日毎日、
 あれこれ言われるのが嫌…
 具体的には?」

CL 2
「私のやることが気に
 入らないんですよ。
 だから、言うんですよ!」

CO 2
「先輩は、あなたのことを
 気に入らないと思ってらっしゃる
 そう感じるのですね」

CL 3
「そうですよ!
 だって、この前も、先輩の
 指示通りに進めて完了したのに
 ココを直せとか、変えろとか、
 色々と注文つけてくるから」

CO 3
「色々と注文をつけられる…
 先輩は、あなたのことを
 とても気にされているのですね」

CL 4
「???
 よくわかりません…」

CO 4
「…
 どうして気に入らないと
 感じるのですか?」

CL 5
「あれこれ言ってくるからですよ…」

CO 5
「あれこれ言われるから…」

CL=クライエント(相談者)
CO=カウンセラー

カウンセラーとして、
「なんとかしたい」
「役に立ちたい」
という思いは、
大切だと思います。

そのために
『傾聴』しながら、
悩みを聴くために
『質問』をする。

もちろん、状況改善のため、
現状を知ることは、とても
大切なことだと思います。

クライエントの気持ちを
少しでも前向きにしようと考え、
「そうじゃないよ」と、
目の前の出来事に対して、
ポジティブに捕え返すことも
大事なことだと思われます。
(ポジティブ・コノテーション)

※ポジティブ・コノテーションとは、
 肯定的意味づけのこと
 言葉に潜在的に含まれる
 肯定的な意味や感覚に対して
 反応する技法
※ブリーフセラピーの技法

でも、なのに、
会話が上手くかみ合わない…
なんだか、しっくりこない…
そんな時があります。

なぜなのか。。。

EAP メンタルヘルスカウンセラー
として、こんなことを学びます。

- - - - - - - - - -
カウンセラーは、
「気の利いたことを
 アドバイスして、
 クライエントの問題を
 解決してあげる」
人ではありません
- - - - - - - - - -

なんとかしようと考え過ぎて、
問題解決のための、
情報収集や原因探しの
「訊く」になってしまっている
ということでしょうか。

しかし、
じゃあ、カウンセラーの役割は?
と疑問が生じることがあります。

だからでしょうか、
EAP メンタルヘルスカウンセラー
には、こんな教えもあります。

- - - - - - - - - -
クライエントは(相談者は)
抱えている
「問題」についての
「専門家」である
と考えましょう
- - - - - - - - - -

そうでした。
(苦笑)

来談者中心療法の創始者
(非指示的カウンセリング)
カール・ロジャースは
こう言っています。

- - - - - - - - - -
何がその人を
傷つけているのか、
どの方向へいくべきか、
何が重大な問題なのか、
どのような経験が
深く秘められているのか、
などを知っているのは
クライエント自身である
- - - - - - - - - -

「訊く」ことや
「話す」ことが、
カウンセラーの自己満足や
押し付けになっていた
のかもしれません。

ロジャースが訴えるように
「治療者中心であり
 指示的である」
状態なのかも、
と反省させられます。

すると、
ふと気づくことがあります。
最も大切なことに。

カウンセラーとして、
というよりは、
悩みを抱える相談者を前にした
一人の人間として…

『労い』の言葉一つない…
傲慢な自分自身の姿に。

カウンセリング技法としての
『傾聴』ではなく、
人として、純粋に、
悩みを抱えた相談者に対して、
『労い』の言葉を
自然にかけることが出来る

「たいへんだったのですね…」
「お辛かったのですね… 」
「不安に潰されそうだったのですね…」
「ずっと一人で悩んで
 苦しんでおられたのですね…」

そんな EAP メンタルヘルスカウンセラー
でありたいと感じています。

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