マガジン

  • 1995

    一生に一度の大学受験なる体験

  • 若きサムライのために

    中高時代の恩師に依頼されて書いたショートコラム(全7回)

最近の記事

【書評】 『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』

たまたまKindle Unlimitedのおすすめに出てきたので、予備知識なしで読んでみた。 内容は『君の膵臓をたべたい』や『君は夜空に光り輝く』の流れをくむ難病ヒロインもので、予期された結末に向かう過程で起きる出来事も大きく変わらない。 本書は、主人公がカメラを操ることが大きな特色なのに、シャッターを切るまでの描写や、どういう意志をこめてファインダーを覗くのかといった、写真にかけるドラマを文字に起こそうとしないのはとても残念な気がしてしまった。 僕自身の乏しい経験から

    • 【400字コラム】 好きなものは好きと言える気持ち抱きしめてたい

      以前から申し上げている通り、思想信条が違っても、主義主張が一致しなくても、友達は友達。 困っていることがあればいつでも助けるし、僕に解決できることなのか否かは別として話くらいは聞きます。 全き一致を求め、異論を排斥するのは全体主義者の考え方です。 意見が違えば違うと言うし、相手が間違っていると気づけばそれは諫める。その議論を認めるのが民主主義ではないのですか。 剥き出しのストーブに子供がむやみに近づいたら「危険だ!」と時に怒鳴ってでも遠ざけるのはありふれた想像力であって、

      • 【過去の800字コラム】Vive la différence!

        【初出】 n-mizuno.com 2014年4月3日付 母校の大学で入学式があり、出身学科(外国語学部フランス語学科)に男子が20名も入学したそうな。定員60名だから実に3分の1。僕の代が14名で、それでも例年の倍と騒がれたので、平素どれだけ女性が多いか分かるだろう。12年間男子校で過ごした僕にとって、この女子校状態は過激にタフな環境であり、女性が多くて羨ましいなんて言われても、ちっとも同意できなかった。 フランスにはパリテ法という、政党の立候補者男女比率を1対1にする

        • 令和6年/2024年3月の総括と雑感

          3月は、息子が中学を卒業。僕自身がそうだったけど中高一貫校なので、あまり大きな感慨はなく、しかも出張と重なって卒業式への出席も叶わなかった。 僕の人生は、高校3年間での蹉跌なり友情なり、そして僅かばかりの成功なりが、その後を大きく変えていると思うので、息子にとっても、色々な場面で多くのことを吸収してほしいと願う。 大谷翔平選手、結婚。 先月末に飛び込んできたビッグニュースだったけど、数多のメディアに振り回されることもなく、自らを律した記者会見を行い、そして球団広報を通じて移

        【書評】 『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』

        マガジン

        • 1995
          14本
        • 若きサムライのために
          7本

        記事

          2024 Q1 Best Books

          平成6年(2024) 1月〜3月で実に183冊の本を読んだ。我ながらハイペースに驚く。 例年、Best Booksは年末にまとめるんだけど、このペースだと記憶が薄れてゆきそうなので、この四半期で読んだ本の中から約1割の20篇を選んでここに記すことにする(読了順)。 『深夜特急 1-6』 沢木耕太郎/著 『私が作家になった理由』 阿刀田高/著 『人斬り半次郎 幕末編/賊将編』 池波正太郎/著 『物語を忘れた外国語』 黒田龍之助/著 『婚活1000本ノック』 南綾子/著 『死に

          2024 Q1 Best Books

          【800字コラム】 英会話って

          語学に興味がある人って、独特の嗅覚のようなものがある気がする。 一般には余り知られない言葉の由来や歴史的背景にも興味があって、いつでも貪欲に吸収しているから、単語にとどまらない知識と教養が深まって、ますます語彙や表現に幅や厚みがでてくることが多い。 反対に、一種のファッションで語学ができるつもりの顔をしている人種は、ひとつの単語にひとつの意味だけ当てはめて他の意味を一切認めなかったり、僕から見ても分かってしまうほど出鱈目な英作文をSNSにアップしていたり、ひどいのになると「

          【800字コラム】 英会話って

          【400字コラム】 君が代

          「卒業式に君が代を歌いたくないー!」 と叫ぶ人たちがいるらしい。君主たる天皇陛下を讃える歌は民主主義的でないから(!)だそうな。 君が代の詞は、 「我が君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」 という、古今和歌集にある詠み人知らずの和歌が原型とされる。 今でいうラブソングであって、天皇とは関係ない。 昭和天皇崩御を後になって逝去などと書き直す、歴史修正主義の人たちは気づかないかも知れないが、日本語は元来敬語がハッキリしているから、君が代の歌詞が天皇礼賛を示すと

          【400字コラム】 君が代

          【過去の800字コラム】 より良い世界

          【初出】 n-mizuno.com 2017年11月11日付 勤務先の以前のスローガンに”…for a better world”という文言があった。今はもう別の文言に変わったんだけど… 2年前、業界の展示会に説明員として駆り出された時のこと。 会場では、お客様に製品をデモしたり説明をしたりと、昼食を取り忘れるほど慌ただしかったんだけど、そんな時不意に白髪の男性に肩を叩かれ 「ちょっと聞きたいんだけど」 会社の看板の前まで連れて来られて曰く 「この”a better wo

          【過去の800字コラム】 より良い世界

          令和6年/2024年2月の総括と雑感

          2月は、今年はうるう年とはいえ29日しかない中に旗日が2日も入ったので、ふだんに増してあっという間に過ぎてしまった気がする。 ロシアがウクライナに侵攻して2年。 我が国では不思議なことにロシアに心情を寄せる人たちが一定数いるように思えるけれど、国連憲章が禁じる武力による現状変更を、国連常任理事国がふつうに犯してしまったことの異常さ、ロシアという国の変わらない残虐さはよくよく認識しておくべきではあるまいか。 我々の多くはテレビで見る出来事でしかないけれど、もしもロシアの野望が

          令和6年/2024年2月の総括と雑感

          【書評】ドーパミン中毒

          のちほど書きます

          【書評】ドーパミン中毒

          【400字コラム】 使えない被害者

          「自分は合コンに誘われたことがない」と嘆く人って、あたかも被害者みたいだけど、自分では企画できないって自供してるのと同じ。 異性を探すなり、仲間と協力したりして開催にこぎつける能力がない、あるいは自分は手間ひまをかけず汗もかかずに他人の企画に乗っかって、他人を利用して自分だけはいい思いをさせろって威張ってるのと同じだと思うんだけど。 そんな奴が誘われるわけねーじゃん。だからモテねーんだよ(笑)。 合コンは分かり易い例だけど、こういう、他人が自分の為に都合よく動いてくれて、

          【400字コラム】 使えない被害者

          【書評】 『作編曲家 大村雅朗の軌跡 1951-1997』 梶田昌史、田渕浩久・共著

          読了したのは1年半ほど前なのだが、何度も読み返していながら書評を残していなかった。 あまりにも有名な松田聖子«Sweet Memories»(作曲編曲)、八神純子『みずいろの雨』、山口百恵『謝肉祭』、岸田智史『きみの朝』、渡辺美里«My Revolution»、大沢誉志幸『そして僕は途方に暮れる』、小泉今日子『水のルージュ』(以上編曲)など数多くのヒット曲に携わり、我が国にプロデューサシステムが確立されるよりはるか前に実質プロデューサを務めてきたといえ、我が国の音楽シーンに

          【書評】 『作編曲家 大村雅朗の軌跡 1951-1997』 梶田昌史、田渕浩久・共著

          令和6年/2024年1月の総括と雑感

          お正月から石川県での大地震や羽田空港での日航機炎上があり、騒然とした年明けだった。 震災のような事態にこそ活躍すべき内閣危機管理監が入院中だったと聞いて驚いたけれど、その点を批判するのではなく、自民党政権の動きが遅いとか予備費が少ないとかいう幼稚な批判の筋書きに拘泥する野党やメディアはピントがズレている気がしてならない。 日頃の政権運営には批判も多い岸田総理も、こと震災対応については十二分に対応しているように思うのだが。 日航機と衝突して命を落とした海上保安庁の殉職者の死

          令和6年/2024年1月の総括と雑感

          マシュマロはじめました

          マシュマロは、感想やコメントを匿名で送るサービスで、匿名投稿でありがちなスパムや中傷はAIが取り除いてくれるというものです。 SNSで周囲の見ているところでコメントしにくいような場面で活用できるかと思い、開設しました。ご自由にコメントください

          マシュマロはじめました

          【400字コラム】 カメラマン

          (今年から、例年の800字コラムに加えて、さらに圧縮した400字コラムも連載してゆきたいと思います) カメラマンってカタカナ語として長らく定着しているけれど、元々は映画の撮影技師を表す用語だったはずで、写真家は英語ではフォトグラファ(フランス語はフォトグラフ)のはず。 写真家というれっきとした日本語があるのにって思うけど、それはそれとして、先日テレビを観ていたら、将棋の藤井聡太八冠を特集していて、対局後にカメラマンが勝利者を撮影する時間はわずか5分と報じられていた。 ス

          【400字コラム】 カメラマン

          令和6年/2024年 新年の所感と目標

          今年は喪中だったこともあり、松が明けるまでは投稿を控えていました。 新年の抱負とか目標は、そろそろ飽きてきた気もするんだけど、何も定めないと何もしなくなってしまう気もするので、例年通り書いてゆくことにするが、その前に、昨年の目標と結果を振り返りたい: (1) 読書 目標200冊に対して507冊読めた。一昨年の実績が411冊だったので、100冊近く上積みしたことになる。 (2) 映画 目標12本に対して29本観られた。劇場には全く足を運ばず、専ら自室や出張先で配信やDV

          令和6年/2024年 新年の所感と目標