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『行き止まりの世界に生まれて』全ての子どもに人生の選択権を

Amazon Prime で『行き止まりの世界に生まれて』を観ました。
アメリカ・イリノイ州のロックフォードという街に住む少年たちを撮影したドキュメンタリー映画です。

スケートボードで繋がったキアー、ザック、ビンの3人の少年。彼らは貧しく暴力のある家庭で育ってきました。その反動かのように仲間同士で集まり酒・ドラッグ漬けの日々。
この映画は3人のうちの1人、ベンが彼らみんなが大人になる過程を撮影したものです。

ザックは恋人との間に子供ができ、仕事や子育てに追われる日々でしたがそんな中でも父親としての役目を果たそうと頑張っていました。しかし、給料は低くパートナーとの子育て分担もうまく行かない。この状況をどう打開していいか分からなかったザックはパートナーと子供を置いて街を出てしまいます。
その後は、養育費を支払い子供とは一緒に暮らしていないようです。

キアーは学校をサボりスケボーにのめり込む黒人の高校生。
生前関係が悪かった家族の存在を意識するようになり、18歳という節目の年に自分の人生についても考え始めます。
そしてザックなどスケボー仲間との交友関係は疎遠になり、彼はレストランで働いた貯金で街を出て、スケボーでスポンサーを獲得しました。

私はこの作品を観た正直な感想はやっぱり世の中教育なのだと言うことです。

キアーがスケボー仲間と疎遠になり始めた頃、

昔はみんな考えて行動してるように見えた
とんでもない勘違いだったよ
本当は誰も何も分かってないのに

と言っていたのが印象的でした。

家を出て、同年代の仲間たちと悪さをしていることを、家族や世間から自立し自分たちの揺るぎない意志を持っているかのように感じていたのでしょうか。
でもそれは、自分が置かれている環境やそこからの脱却方法など、何も理解できていなかったからこその行動だったのです。

私は貧しくても家族との関係が悪くても、本人が生きたいように生きて幸せであれば何の問題もないと思います。
でも自分の子供と一緒に暮らすことができなかったザックは

自分と向き合ってこなかった
忙しかったんだ
見せかけの自分になってた

認めたくないんだ
人生が苦しいのは俺が最低だからだなんて

と話していました。
幼い頃から貧困と暴力が当たり前の家庭で生きるのに精一杯だった。自分のことを考える時間もなかった。気づいたら人生が苦しかった。
ザックのように貧困の悪循環の中に囚われて、大人になって変わりたいと思ったときにはもう動けなくなっている子どもたちがたくさんいる。

だからやっぱり、自分が置かれている環境がおかしいことに気づき、将来を切り開くための知識や教養が必要だと思いました。

でもやっぱりそれは簡単に解決できる問題ではなくて、理想論を語るだけではなくこれからずっと向き合っていかなければならない課題だと再認識させられました。

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