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坂の上の坂 (藤原 和博)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 “定年を前に準備しておきたいこと”、ここ数ヶ月、意識してこういったテーマの本をいくつか手にとっています。
 ただ、それは正直なところ、「先達の書物からアドバイスを得たい」と“真面目”に思ってというのではなく、「いわゆる“功成り名遂げた”方々は、どんなアドバイスをするのだろう」といった“興味本位”の気持ちからなのですが。

 その点、本書の著者の藤原和博さんはリクルート勤務から東京都初の民間人中学校長に転身したという特別なキャリアの方なので、読む前から興味関心は倍加していました。

 さて、読んでみての印象ですが・・・、正直、「納得感」はあまり感じられませんでしたね。

 前半の藤原さんの実体験に基づく示唆のパートは、(私を含め多くの読者の方々も思うであろうように、彼の経験(経歴)はそもそもかなり “特殊” ですから、)そこでの教訓を一般化して敷衍するのは難しいでしょう。

 後半の各論のアドバイスについていえば、特段の目新しさがないことに加え、藤原さん自身もこれから老後を迎えるわけで、ここで提示した「アドバイス」を検証していないというのが、「納得感」に至らない致命的な点だと思います。

 とはいえ、私も、近いうちに確実に「断層」に直面するのですから、今までの数十年とは全く異なる「考え方・姿勢・行動」に自分自身を変質させなくてはならないのは間違いありません。
 それは、別に “目新しいことに手を付ける” という「行動の変化」ではなく “家族や社会との接し方において初心に戻る” という「考え方の初期化」なのだろうと、今のところは思っています。



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