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資本主義はその成功ゆえに自壊する

皆さんこんにちは。シロクマです。


前回の記事では、今年(2021年)の抱負として、"国際政治学"に関連する記事も新たに更新すると決めました。



本日は、その記念すべき第一回として、"資本主義"をテーマに、今後の世界の在り方について考えてみたいと思います。



始めに

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カール・マルクス (Karl Marx) :「資本論」

現代社会において、アメリカやヨーロッパ諸国を筆頭に、"資本主義"のシステムが、政治や経済に大きく影響を与えています。


しかし、この資本主義社会はいつまで続くのでしょうか?


それとも世界はこのまま、資本主義システムを維持したまま、永久に成長し続けるのでしょうか?


私は、「資本主義社会はいつか崩壊する」と思います。
厳密に言えば、タイトルにもある通り、「資本主義が自壊する」と考えています。


資本主義は、人類が初めて"経済成長を生み出すために作り出したシステム"であり、その"不完全さ"が、いつか露わになると思うのです。


今回は、皆さんに"資本主義"に関して、少しでも興味を持ってもらえるよう自身の意見をまとめていきたいと思います。


あくまで独自の意見や考えです。温かい目で見ていただければと思います。


資本主義とは

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1760年代にイギリスで起きた"産業革命"を起点に、急激な技術革新によってそれまでの農業基盤の社会から工業化が進み、資本主義経済体制が確立したと考えられています。



皆さんは"資本主義"を一言で説明することができますか?



私の理解を端的にまとめると、資本を私有する資本家が、労働者から労働力を買い、それを上回る価値のある商品を生産し、利潤を得るシステムです。



上記における資本主義の理解は、"創造的破壊"の連続であると言え、要は「作っては、壊し、また作る」生産プロセスを繰り返すことで、そのたびに新しい商品から利潤を得るということです。



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携帯電話を例にとってみれば、"創造的破壊"は一目瞭然です。人々は生産を繰り返し、新しいものを生み出しては利潤を得ています。



資本主義の変化

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前述した通り、資本主義の起源とされる産業革命の始まりは、今から約260年前です。


産業革命当初の世界では、重商主義、封建主義、共産主義など、国家によって用いられるシステムは様々でした。


そんな中、資本主義による市場経済は、自己利益のための投資が「見えざる手」により全体の効率と成長に導かれ、需要と供給の均衡が保たれるとアダム・スミスは提唱しました。


現代資本主義において、この"見えざる手"は「インターネット」によって確立されており、世界中に混在する需要と供給のマッチを可能にしています。


このような発展したテクノロジーの結果を受け、現代における"商品"の概念が多様化していると言えるのではないでしょうか?


身近な例で考えてみると、インスタ代行サービスが挙げられます。

当初は写真共有の場であった"インスタ"は、次第に買い物やお店選びのためのユーザー検索行動の場に進化したことから、いいねやフォローを"商品"としたサービスが出来上がったのでしょう。

【いいね】(説明文引用)
ファンになりそうなお客様をハッシュタグから探して自動ロボットが「いいね」していきます。空いた時間で新しい商品を開発したり、ファンが喜ぶ写真を投稿することに使いませんか?


繰り返しますが、上記のような合理的選択の中で繰り広げられる人類の行動原理は、資本主義によって定着した"生産による利益追求"であり、商品の生産は産業革命当初から絶えず行われてきています。




また、私が生まれた1996年では、世界情勢が下記画像のように推移していたと考えることができます。

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アメリカとソ連による東西冷戦の集結、西ドイツと東ドイツのベルリンの壁崩壊など、資本主義と社会主義が対立する時代から、資本主義の一部に社会主義が存在する世界に変化した。


資本主義は現在までの約260年の間で、世界経済の在り方だけでなく、世界情勢までも変えた非常に大きなシステムということが理解できました。


しかし、このシステムによる急激な"成長 と変化"に、人々が年々ついていけなくなっているのではないでしょうか?


次に、資本主義が我々にとって、いかに脅威的であるかを述べたいと思います。



資本主義が抱える問題

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資本主義により"創造的破壊"の生産システムは世界中に拡散されました。


これは世界経済の発展に大きく貢献しましたが、反対に様々な問題を引き起こす原因でもあります。


資本主義における①昨今の問題や、②将来直面する可能性が高い問題にフォーカスして考えてみましょう。


①幻想の競争

写輪眼

人々は創造的なアイデアを求め、日々新しい商品を生み出す競争を繰り広げているように見えます。


しかし、その競争とは、本当に"競争"なのでしょうか?


それとも競争に見せかけた"幻想"なのでしょうか?


競争を幻想と呼ぶ根拠はいくつかあります。


例えば、世界を代表する巨大コンツェルンの執行役員や監査役員は、名を馳せた資本家であることが多く、それらのエリート集団が業界内で互いの経済圏(村)に睨みを効かせることができれば、彼らの富は永久に固定化されます。

【コンツェルン】
一企業が多方面にわたる諸企業に出資して、それらを実質上の支配下に置くことによってできた、諸企業の統一体。


ここで主張したいのは、資本主義における"富"は、上から下に流れるものではなく、上のみが独占する仕組みであるということです。


創造的なアイデアを商品化し、利潤を得る競争の終着点は、資本家が富を独占するために見せられている幻想に過ぎないのではないでしょうか?


競争に競争を繰り返し、生まれた革新的なアイデアやサービスであっても、既存の巨大企業が持つ支配力は覆すことはできません。既に、資本主義の構造が確立してしまっているのです。



②強迫観念

碇ゲンドウ


機械が人間の代替をすることで大きく成長した資本主義経済。


この機械による"代替"の範囲は時代とともに広がり続け、将来的には既存の仕事の半分以上が代替されると言われています。


人間にできる単純作業は、機械で行ったほうが効率的で正確です。


つまりこれからの時代、人間には機械が生み出すことのできない"創造性"が求められる時代にシフトするはずです。


人間には、「創造的であれ、さもなくば、死ね」と、まるで全員が芸術家であるような強迫観念が、社会から一般大衆に向けて求められるようになるのではないでしょうか?


何かが完成しても、また新しいものを追いかけ続けなければならないです。


一人一人に"創造的な個性"が求められるような時代になるのであれば、そのようは強迫観念から派生する社会の不満はやがて増殖し、資本主義の構造に反発する大きな力が生まれる日が来てもおかしくありません。


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あなたの"WONDER"は何ですか?



なぜ資本主義は変わらない?


資本主義の脅威は上記の他にもたくさん存在しています。
(※それらについては次回以降の記事で書こうと思います。)


しかし、なぜ世界は資本主義の"不完全さ"を知っていてなお、そのシステムを維持し続けるのでしょうか?


この原因の一つには、労働者の"安定の追求"が考えられます。


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かの有名なイギリスの経済学者ケインズは、「失業は社会の最大の不安である」と提唱しました。


人々の失業への不満や、低賃金による安定した生活の欠如は、これまで幾度となく資本主義のシステムを変える原動力となっていました。


しかし、時代の変化とともに、労働者の賃金が上昇し安定すると、資本主義のシステムの変化を求めるのではなく、"安定の維持"を求めるようになしました。


人々は安定を求め、使うためのお金を、貯めるためのお金へと変化させてしまったのです。


このように目的と手段が逆転すると、人はお金の奴隷になり、経営者の奴隷に成り下がるのです。


労働者側が現状の変化を求めない限り、富を独占する資本家たちからシステムの変更を提案するはずがありません。


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歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。



さて、ここで一度立ち止まって、考えてみてください。


機械による仕事の代替 ≒ 失業


を表しているのではないでしょうか?


テクノロジーの進歩は、人々の労働時間を減少させ、代わりに"余暇"を提供します。


この余暇(=失業?)は、人々の生活に安定を与えるのか、それとも"社会の最大の不安"を与えるのでしょうか?



最後に


いかがでしたでしょうか。


資本主義によって促された世界の発展に、資本主義が収まらなくなってしまうではないでしょうか?


その場合、タイトルでも記載したように、「資本主義はその成功ゆえに自壊する」未来がいつか訪れると思うのです。


資本主義の自壊が先か?資本主義の抜け道を見つけ出す人類が先か?


今後も世界に動向に目が離せません。





最後まで読んでいただきありがとうございました。



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