マガジンのカバー画像

つたない、ストーリー

3
それはそれは、拙いですけど、もくもく妄想の絨毯びろびろ広げて書いております。
運営しているクリエイター

記事一覧

エンキョリ、ひとり酒

エンキョリ、ひとり酒

 いつから、自宅の冷蔵庫にビール缶と缶チューハイを常備させるようになったんだっけなーと思いながら、最寄り駅を降りた後の行き先を考える帰りの電車、22時。
 周りでは一軒で大人しく解散にしたおじさんたちがアルコールの匂いをぷんぷんさせている。そんなおじさんの隣に、単語帳とにらめっこしている高校生が居るもんだからなんだか謝りたくなる。

 電車を降り、脳内協議の結果少しお高めクラスのスーパーへ向かう。

もっとみる
はじめての冬。

はじめての冬。

 最近、上下それぞれ3~4つくらいの服を、組み合わせを着回している。
 と、いっても着回し上手ではないから、上下コーディネートパターン数として数えてみても二桁にはならない。
 ウォークインクローゼットに入っているプラスチックケースには着ていない服が沢山入っているけど、出し入れするのはケースの手前側だけ。
 それでいい、満足している。

 それだけど、ファッション雑誌の立ち読みはするし、時々買って帰

もっとみる
十六歳、自由の髪、真鍮色。

十六歳、自由の髪、真鍮色。

 わたしが通っていた高校は校則がゆるい進学校で、頭のいいギャルやらイケメンと呼ばれる男の子たちがこぞって受験をした。
 わたしはギャルでも何でもなく、というかむしろ優等生というやつで、おさげこそしていなかったが黒髪がきれいだと思っていたし、メイクなどしない素の顔が一番きれいだと思っていた。いま思い返せば、そういう女の子がヒロインになっている少女漫画の読みすぎもあったと思う。高校に入ったらサッカー部

もっとみる