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起きがけのスピリチュアル
先週、雨がざっと降り、止むや否やぐっと冷え込んだ。雨が幕間の代わりになって、明けるとシーンが変わるように空気が入れ替わった。
しかしこれは秋だろうか。秋雨前線が来たら、それはきっと秋だし、セミが鳴かなくなったら、それもきっと秋だろうが、結局いつからなのかがわからない。
気になって季節の定義を調べる。気象庁は9月から11月を秋としている。季節を変えるのは雨でもセミでもなかった。
今朝は採用面接だっ
「おすそわけ」のラフランス
寝支度に入る少し前、電話が鳴った。
「今ひま?」
「え、ああ、このあとは寝るだけ」
「実家にラフランスが届いたからひとつ持っていくよ」
「ああ、ありがとう。今?」
「ひまだろ」
「ひまだけど」
「じゃあいくわ」
「あ、やっぱりひまじゃないかも」
「ひまだろ」
「どれくらいで来る?」
「すぐいくよ」
いつもの友達からだった。
前触れなく電話をかけてくるのは、バイトリーダーのおじさんとこの友達く
「明日には全部忘れてるよ」
夜道を散歩していたときのこと。
白髪の男が自転車で坂を蛇行しながらくだってきた。目の前で転けられても嫌だしなんとなく見ていた。ちょうど減速しはじめたので気にせず通り過ぎようと思った途端、男はよろけて転けそうになり、思わず体を支えた。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ、大丈夫」
「家は近くですか?」
「すぐそこだよ」
10段程あるコンクリートの階段の上を指した。
「昇れそうですか?」
「大丈夫だよ