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【目印を見つけるノート】742. 松村雄策さんの文章を見て、ペール・ラシェーズに行きたいと思ったのでした

今日は思ったより少し長いですね。
みなさま、雨風にお気をつけて。

私は音楽がたいへん好きですが、音楽評論家になりたいと思ったことはありません。大学ぐらいの頃、『ミュージックマガジン』などで、中村とうようさんや北中正和さんの凄まじく幅広く、奥深い活動ぶりを見て、「ああ、このようなことは絶対にできない」と早々に白旗を掲げたのです。どのようなジャンルでも「同じ熱量」で紹介するのは、よほど通暁していないとできないことです。
そこは、現在の評論を見る上でも鉄板の基準点です。

私は音楽については、古い、新しいではなく、売れている、売れていないでもなく、『素晴らしいと思うか、そうでないか』という物差ししか持っていません。古いというアーカイブ行きの曲で素敵だなと思うものはたくさんあって、ときどきそれを引っ張り出すのに懸命になったりします。それは、「昔の曲、懐かしいよね」というノスタルジーではなく、「いい曲だよ」と知らない人の耳にお届けしたいというのが大きいです。

例えばきのうはレイナード・スキナードで、その前はフー・ファイターズでした。その間には30年あまりの時間がありますが、それほど違うものだとは思っていません。

高校の頃は『ロッキングオン』をずっと買っていました。背表紙の絵が完成するぐらい😄 当時はイギリスものの百花繚乱で私の目当てもありましたが、松村雄策さんの文章は好きで読んでいました。ジャックスとドアーズとジョン・レノンについて書かれたものは全部ではないですが覚えています。強い印象がありました。

そのような程度で書くのも失礼ですが、
松村さんが書くと、対象が「生活」とか「日常にある風景」のように馴染んでいると受け止められるのです。おしゃれに着飾ったよそ行きでもなく、キラキラした遠い世界でもなく、トッポくてヤケドしそうなものでもなく、あくまでも息をするように普通のこと、と言ったらいいのでしょうか。対象も一人の人間に見える。それは、いろいろ掘り返して語ることによるのではなく、松村さんのフィルターを通るとそうなるのです。
そのフィルターは思い入れというよりは「変わらず続いていく愛」だったと感じます。

『ロッキングオン』はじきに買う頻度が減りましたが、たまに『渋松対談』を読んでいました。そこでクスッと笑っていました。

ドアーズを書かれた松村さんの文章を見たことがあります。それまではドアーズというと『ハートに火をつけて』しか知らなくて、ちょっと癖が強いように思っていたのですが、その文章を見てから少しずつその先入観はアンロックされて消えていったように思います。
じきに、ジム・モリソンの眠る『ペール・ラシェーズ墓地』(パリ)を訪問したいというのが夢になりました。

そのようなことで、松村さんのような「変わらず続いていく愛のある」文章もまた、書くのは難しいと思っています。ただ、愛を持って音楽を書けるようになりたいと思いますので、その基準点に置いています。

ありがとうございました。
心からご冥福をお祈りします。
合掌。

それでは、ビートルズの方がいいようにも思いますが、こちらにします。
The Doors『The Chrystal ship』

それでは、お読みくださってありがとうございます。

尾方佐羽

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