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CoE、HRBP、HRSS ーー 人事組織の3つの柱「3ピラー・モデル」とは?

「HRBPは聞いたことあるけど、CoEやHRSSって何…?」

最近、「HRBP」を耳にする機会が増えました。一方で、人事の世界に馴染みのない方は、「CoE」や「HRSS」は初めて聞くかもしれません。

それぞれどんな役割なのか見てみましょう。


これからの人事組織は、経営に貢献することが求められる


「3ピラー・モデル(Three-pillar model)」とは、3つの役割を有した人事組織のあり方を提唱したモデルです。 具体的には、CoE(Center of Excellence)、HRBP(Human Resources Business Partner)、HRSS(Human Resource Shared Service)の3つです。

この3つの柱から成るモデルは、2000年前後から欧米企業を中心に導入が進んできました。今では、多くのグローバル企業の人事組織で採用され、人事の効率化や付加価値化を実現しています。2023年現在、日本でもこのモデルの導入が進んでいます。

モデルの提唱者である米経営学者、デイビッド・ウルリッチ氏は著書『MBAの人材戦略』の中で、これからの人事は管理業務だけでなく、経営に貢献することが重要であると説きました。

では、CoE、HRBP、HRSSがどんな役割を担うべきなのか見てみましょう。


CoE、HRBP、HRSS、それぞれどんな役割?


人事組織が経営に貢献するには、人・組織の側面から各事業に合わせた戦略立案・実行を担う必要があります(HRBP)。また、その実行においては、部分最適にならないいように全体の舵取りをしながら、共通の仕組みを構築する役割を担う存在が不可欠です(CoE)。同時に、日常の事務作業を効率化することで、より価値のある業務に時間とリソースを充てられるよう支援も必要でしょう(HRSS)。

より具体的に中身を見てみましょう。

  1. CoE(Center of Excellence): 人事機能の中心的な存在です。組織全体の人事戦略を練り、経営的な視点から人材と組織の基盤を築き上げます。同時に、最新の理論やトレンドを社内外から収集し、これらの情報を組織内に普及させる役割も担います。

  2. HRBP(Human Resources Business Partner): 人と組織の側面から各事業に対するビジネス変革を推進する役割です。事業戦略を理解し、それに対応した人事戦略を立案・推進します。また、CoEが構築した仕組みを事業部門に導入し、その効果を最大化する役割も担っています。

  3. HRSS(Human Resources Shared Services): 人事業務の効率化やオペレーション遂行を担う存在です。給与計算や勤怠管理などの型業務を担うだけでなく、これら業務の効率化を遂行することでCoEやHRBPが高付加価値な活動に集中できるように支援します。

これら3ピラー・モデルの導入は、人事への変革に大きく貢献します。これまで"守り"と言われていた人事機能も、今後は"攻め"の姿勢に転じて、ビジネスを支え、競争力を高める重要な役割を担い、人事が組織の成長を牽引する存在となることでしょう。

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