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攻めの転職・逃げの転職

今回は転職についての続編です。
継続して勉強していくと面白い本に出会うことがあります。
今日はそんな1冊の本の紹介です。

もくじ
1 逃げの転職の注意点
2 攻めの転職の注意点
3 そして自分は・・・

1 逃げの転職の注意点

前々回、転職について少しお示ししました。意外と反響もありました。
関心が高い事柄の一つなんだと私自身再確認できました。

仕事は楽しいですか?辛いですか?

このような二者択一で質問された時、自分ならどう答えるでしょうか・・・
今の自分は正直辛いです。なんちゃって(^ ^)
仕事には大なり小なりある意味での辛さはつきものです。

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山口 周 仕事選びのアートとサイエンス 不確実な時代の転職探し 改定「天職は寝て待て」 光文社新書 2019

この本は、自分が出かけた本屋さんでは、新書でありながら陳列されていた棚は目の高さより高い位置にあり、あまり目を引く位置にはなく、素通りしてしまいそうな位置にありましたが、何か導かれたように目に飛び込み、思わず手して読んだ本です。本書によると以下のように記されています。

「転職に対して決してネガティブではないのですが、一点だけ注意を促しておきたい。それは、あと半年待てないか?よく考えて欲しい、ということです。」

これはどういうことかというと、人生長い目で見れば結局平均値に落ち着いていくということだそうです。本書ではこのように解説され、これを

「平均への回帰」と呼んでいます。

良いこともあれば悪いこともある・・・
押し並べて考えてみれば平均的になっていくのですが、仕事で辛い時は一日も早くその現場から逃げ出したいものです。私自身何度も何度も経験しました。実際に逃げの転職も体験しました。

でも本当に面白いことに、「あと半年待てないか?」と本書でも示されているように、半年くらい待ってみたら状況は一転し、風向きがだいぶ変わってくるのだということも実体験として知ることもできました。

「自由であるために不自由を受け入れる」

本書ではこのように示されています。

不自由さを嫌がって転職を繰り返すと、一生不自由なままになってします。

このようにも示されています。少し怖い気もしますが、大いに頷けることだと思います。

本書では、新約聖書「ローマ書」の中から以下を引用しています。
「困難は忍耐を生み、忍耐は練達を生み、練達は希望を生む。」

そして最後に、夏目漱石の「こころ」から以下を引用しこの項を閉じています。
「私は今より一層淋しい未来の私を我慢する代わりに、淋しい今の私を我慢したいのです。自由と独立と己れとに充ちた現代に生まれた我々は、その犠牲としてみんなこの淋しさを味わわなくてはならないでしょう。」

私は今、ものすごく淋しいです。
しかしこの淋しさが将来の幸福に繋がると信じ、今を我慢しています。

逃げの転職、要注意ですね。


2 攻めの転職の注意点

一方、攻めの転職の注意点とは何でしょうか。

攻めの転職。響きがいいですよね!
私は逃げの転職も経験し、攻めの転職も経験した非常に珍しい人間と思っています 笑。

なんの取り柄もなく、なんの根拠もなく、もっと良くなりたい!という思いと直感を信じ、攻めの転職をしました。

なぜ転職をしたかといえば、自職場では得られない多くのものを得ようとしたからです。
もっと得よう、多く得よう・・・
まさに攻めの転職です。

本書では以下のように示され、警鐘を鳴らしています。

「何を得られるかではなく、何を失うのかをちゃんと考える」

ガーン!!

本書を読んで自分に足りなかったものに気付かされました。
それは失うものを全く考えていなかったです。

そう言われれば、何度か転職を考えた時、仕事で知り合えた目上の先生に言われた言葉を思い出しました。

「今まで積み上げてきた組織内の人脈とか経験とか、全て失う覚悟があるのか?」

そう言われて転職を見送ったケースもありました。
現在もこのアドバイスを頂いた先生とは親しくさせて頂いています。
本当に感謝の言葉しか見当たりません。

仮に攻めの転職であっても、失うものは大きいのだということを改めて認識する必要があることをしっかりと意識したいものです。


3 そして自分は・・・

今現在の自分はというと・・・
実は攻めも逃げもある複雑な心境で転職を決意したのかもしれません。

失うものは多くありました、でも将来得られるであろう期待もかつて経験しないほど大きなものでした。

今はもう前しか向いていませんが、本書を読んで過去を振り返る良いきっかけになり、私と同じように転職を考えている方々になにかのヒントになれたらいいなと思っています。

時々、「もっと家から近い職場がいいな」「車通勤がいいな」「いっそ全く畑違いな仕事で就業規則にも縛られず、自分のペースでのんびり悠々自適に暮らしたいな」なんてことを考える時もあります。

でも・・・

またふと思うことがあります。

仕事があり、働けているだけで、本当に幸せだなと・・・

かつて、勤務先でまったく患者さんが集まらず、職員一同大きな危機感を感じ、やがて全てのリハスタッフは離職したという経験をしました。

患者さんあっての我々の仕事。本当は患者さんがリハビリに来ない方が世の中は幸せなはずなのに、職業人としてなんと贅沢な悩みなんだろうと今改めて自分を恥じました。

不平不満。喜怒哀楽。人生色々ドラマはつきものです。

日々このような事は患者さんから学び得ているはずなのに、自分自身の事になると訳が分からなくなる時があります。

逃げの転職を考えている時、自分が一番不幸だと考えがちです。
攻めの転職を考えている時、自分は一番幸せものだと考えがちです。

なんと視野が狭く、なんとお粗末なものでしょう。
私自身を戒め、本当に恥ずべき過去について反省すべきと考えます。

本書ではこの項の最後、トルストイの言葉を引用し以下のように締めくくっています。
「人間が幸福であるために避けることのできないもの。それは勤労である。」

働ける職場、働ける気力・体力、がある事に改めて感謝し、共に自身の幸福について考えを進めていきましょう。

そのために、攻めますか?逃げますか?もちろん現状維持もあるでしょう。
クラシックでも聴きながらじっくり考える時間がある事に、私は束の間の幸福を感じています。

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