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歳時記を旅する38〔五月〕後*終曲の銅鑼の炸裂夏来る

(句の「終曲」に「フィナーレ」のルビあり)
磯村 光生 

(令和二年、『合同句集Ⅲ 風友』)

東京オリンピックに合わせ大改修された大さん橋には、昭和五十年に、クイーン・エリザベス2世号(QE2)が九十二日間世界一周の乗客約一三〇〇人を乗せて初入港した。
外国客船が入港しているときは、元町商店街にも、乗客らしき西洋人が歩いていて、子供の頃、外国人を初めて見たのもそのときだった。
句はマーラーの交響曲第2番「復活」を思う。
滅びたものは必ず甦る。
冬の日は夏に必ず長くなる。
銅鑼はその合図。

(岡田 耕)

(俳句雑誌『風友』令和五年五月号「風の軌跡ー重次俳句の系譜ー」)


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