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"正気" に戻りつつあるマーケット。ー もう銀行の思い通りにはならない。

 米国債の売りが加速している。流れが反転すると一気に傾くのが金利市場の特性ではあるが、ここはFRBの言うことに従った恰好。ようやくマーケットが "正気" に戻りつつある。同時に牛耳っていたはずの米国債市場で ”反乱” (自滅?)が起き、「銀行」主導型経済の "終わり" - "周回遅れ" の日本はぐるっと回って先頭に?|損切丸|note も感じさせる。

 1ヶ月前のイールドカーブが ↓ だから随分平らに戻った( 標題)。 

 「利上げ」「利下げ」予報も様変わり年内は「利下げ」どころか@5.50%への引上げも意識されつつある。これでやっとFRBとシンクロ

 当然株価にはネガティブな材料となり売りが加速NYダウは年初来マイナスに沈んだが、S&Pのイールドスプレッドは@▼1.3%程度とむしろ上昇株価の下落が金利上昇に追い付いておらず、ヒストリカルな@▼2~▼3%レンジに落ち着くまで下落圧力がかかる。 ”どうする?ウォール街”

 どうもビットコイン(BTC)を ”救世主” に仕立てようと画策している臭いがプンプンする。曰く「金利上昇の影響を受けないアセットクラス」。商売として 常に必要な ”ブーム” ”バブル” 2023 ー  見えてきたウォール街の ”狙い” 。|損切丸|note なのだろうが、「お金」が減っていく中でこれは無理筋金利の付く米国債や配当もある株を上回る魅力があるとは到底思えない扱う業者のデフォルト(倒産)リスクなど、これこそ 「お金」も「信用」も失う時は一瞬。ー 「危機」は突然やってくる。|損切丸|note。まあ判らないものには手を出さないのが「投資」の鉄則ではある。

 こうなると俄然注目度が上がるのが「植田・新日銀」世界的に見ると年初から大量の「お金」を供給していたのは「国債無制限買取オペ」のみで、需給的にマーケットは大分救われていた。あと1ヶ月は現総裁の ”面子を立てる” ために続くのかもしれないが、雨宮副総裁の "禅譲" が実現しなかっただけに「円安」がぶり返す中これもどこまで続くやら。とりあえずは新総裁の発言等に注目が集まる。

 「損切丸」の単純推測値では、抑え付けている10年JGBの(理論値)は@0.80%近辺YCC(イールドカーブ・コントロール)が廃止されれば@0.80~1.0%近辺への上昇が推定される。

 ただこの2年間の米国債市場を見てお判りのように、中央銀行の金融政策というのは一度動き出すと一気に「目標」に向かう「インフレ」時代到来に合わせるなら低成長の日本でも@0.50~1.50%程度が「金利の底」と推計され、おそらく@1.0~1.5%程度がとりあえずの「目標」になる。歴史に習えば、今回「円高」はさほど問題にならないのであとは株価次第

 筆者が不気味に感じているのはTONAR(無担保コールO/N)と5年JGBの金利上昇値持ちするかと思われた5年JGBも@0.20%を超えて@0.23~0.24%まで売り込まれた。10~30年は荒れることは度々あったが、2~5年ゾーンは銀行が「余ったお金」を運用する年限で「資金繰り」をモロに反映する。こんな相場はここ10年なかった。同様に▼0.03~▼0.04%に低下していたTONARも2/22には@▼0.009%とまたゼロに接近。ちょっと気味が悪い。

 使える「お金」が減ってきているのではないか?

 ニュースにもなっていたが、生損保が長期債を売り越していたなんて話を筆者も初めて聞いた。1月に20年超の超長期債を過去最大の▼4,462億円売り越しており ↓ 、取れるデータからわかる売り越しは2004年6月以来という。どおりで20年@1.4%台、30年@1.6%台まで売られるわけだ。

 大体生損保がJGBを売る時は顧客の解約が殺到する時。そして必ず「損」を「手数料」などの形で客に転嫁する。いわば ”殿様商売” 。それがこれだけ一気に売ると言うことは、**国際金融資本規制の厳格化で時価評価(MTM、マーク・トゥ・マーケット)がトリガーに掛かって「損切り」を強制された可能性が高い。もう ”殿様商売” は成立しない。

 **バーゼルⅢなど、いわゆる金融規制でそれまで「ゼロリスク・アセット」と位置づけられてきた自国の国債は、MTMに基づいてNPV(現在価値、Net Present Value)を算出し、評価損が出た場合「要件」を満たすべく「資本」を積み増す必要がある株価の発行などは多大なコストがかかるため、それを避けるための「トリガー」を各金融機関が設定している。

 そもそも「金融政策」とは住宅ローン借入者とか一部の受益者のために行うものではない”最大多数の最大幸福” 実現のため、中央銀行の負っている責任は皆さんが思うよりかなり重い「インフレ」時代に突入し、FRBもECBも日銀もやるべき事を為すのみ

 日銀も株価が下がったとか国債金利が上がったとかで「金融政策正常化」を躊躇すれば、今度は「円安」が日本を襲う。まさに2023年は「正念場」。振り返った時後悔のないよう真正面から対応してもらいたい。もう「失われた30年」はたくさん日銀は政府の子会社ではないのだから


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