岡 一夏

俳句やってます。俳号「岡 一夏(おか いっか)」または「いかちゃん」。楽園、いつき組、…

岡 一夏

俳句やってます。俳号「岡 一夏(おか いっか)」または「いかちゃん」。楽園、いつき組、薪の会。2019年夏より作句開始。4月の自句→  まづ籠を買つてフリマを春コート  春風やリカオンの乳漲れる  知らない列車知らない駅の桜かな  獣交みをりけり釈迦よ寝返るな

最近の記事

【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.04.28

蜜蜂に個の時間あり花の中作者:山崎垂 出典:『楽園』第1巻第1号(2021) 季語は「蜜蜂(みつばち)」で、春。社会性を持ち集団生活をする昆虫といえば、「蟻」と「蜂」が筆頭でしょう。「蟻」は夏の季語ですが、「蜂」は春の季語であり、春という季節ののどやかさ、優しい青空の映像も背負っていると言えそうです。ほか、養蜂や農家における受粉の補助といった人間との関わりもあれば、種によっては非常に獰猛で危険であったりと、様々な側面を持つ季語ですね。 掲句は、一読してハッとさせられる衝撃

    • 【お知らせ】第32回いかすみ句会

      【4/21(日)3:00追記】定員いっぱいになりました。いつもたくさんのご参加ありがとうございます! こんばんは。いかちゃんです。 第32回いかすみ句会を開催します! 今回も野良古さん作成の句会サイト「夏雲システム」を使わせて頂きます。野良古さん、いつもありがとうございます! いかすみ句会のページはこちらです。 今回も、アカウントを既に持っていらっしゃる方のみ参加可能とさせて頂きます。前回までと同様、句会ページにて参加ボタンを押してください。先着40名様まで参加して頂け

      • 【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.03.31

        鳩ばかり春雨のモータープール作者:イサク 出典:句具ネプリ 2024 春号 季語は「春雨(はるさめ)」で、晩春を中心に三春。一般的には三春の季語(春の間ずっと使える季語)ということで良いのですが、僕は「春の雨」が初春・仲春、「春雨」が晩春というふうに使い分けることにしています。「はるさめ」という語感が、晩春の暖かく優しい雨にふさわしい気がするんですよね。 掲句も晩春をイメージして読みました。「モータープール」とは、駐車場のこと。「鳩ばかり」とありますが、雨が降っているわけ

        • 【お知らせ】第31回いかすみ句会

          【3/26(火)5:00追記】定員いっぱいになりました。いつもたくさんのご参加ありがとうございます! こんばんは。いかちゃんです。 第31回いかすみ句会を開催します! 今回も野良古さん作成の句会サイト「夏雲システム」を使わせて頂きます。野良古さん、いつもありがとうございます! いかすみ句会のページはこちらです。 今回も、アカウントを既に持っていらっしゃる方のみ参加可能とさせて頂きます。前回までと同様、句会ページにて参加ボタンを押してください。先着40名様まで参加して頂け

        【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.04.28

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.03.17

          みづからのさへづりを追ひかけてゆく作者:田中木江 出典:愛媛新聞 青嵐俳談 22.03.25 季語は「さへづり」で、春。鳥の鳴き声のこと。主に、小型・中型の鳥たちの求愛の声を指します。「春の鳥」「百千鳥」とは異なり、あくまでも“声”を指す聴覚の季語で、その背景に鳥たちの映像を持つという感じですね。また、漢字の「囀」、現かなの「さえずり」、旧かなの「さへづり」で字面の印象がずいぶん異なるので、表記の選択も楽しめる季語と言えるでしょう。 掲句、一読して分かるように、季語「さへ

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.03.17

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.03.03

          マスタード一人一盛り春灯作者:北野きのこ 出典:愛媛新聞 青嵐俳談 22.04.08 季語は「春灯(はるともし)」で、春。灯りは「夏の灯」「秋の灯」「冬の灯」と一年を通して季語になっており、その詠み分けを通して季節感についての考えを深めることができるモチーフのひとつです。 「春灯」は、同じく春の季語である「朧」の雰囲気の中にあり、しっとりと柔らかく優しく光る印象を受けます。生活季語として確かな映像を持ちつつ、「春」「春の夜」「春の闇」「朧」といった時候・天文の気分を乗せるこ

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.03.03

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.02.18

          薬屋に辛夷咲いたと父の言ふ作者:西田月旦 出典:おウチde俳句くらぶ 第3回おウチde俳句大賞 季語は「辛夷(こぶし)」で、初春・仲春。この季語については、どんな花であるのか一発で分かる有名な佳句があります。「青空に喝采のごと辛夷咲く/白濱一羊」。まことにその通りで、ときには20メートルにもなる樹高、大きく広がる枝々、そこにびっしりと咲き乱れる白き花々は、本格的な春の訪れを寿ぐかのようです。 なお、「こぶし」の名は、花の形が子どもの握りこぶしに似ているから(諸説あり)、「辛

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.02.18

          【お知らせ】第30回いかすみ句会

          【2/24(土)1:00追記】定員いっぱいになりました。いつもたくさんのご参加ありがとうございます! こんばんは。いかちゃんです。 第30回いかすみ句会を開催します! 今回も野良古さん作成の句会サイト「夏雲システム」を使わせて頂きます。野良古さん、いつもありがとうございます! いかすみ句会のページはこちらです。 今回も、アカウントを既に持っていらっしゃる方のみ参加可能とさせて頂きます。前回までと同様、句会ページにて参加ボタンを押してください。先着40名様まで参加して頂け

          【お知らせ】第30回いかすみ句会

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.02.11

          乾杯に遅れて木の芽和と箸作者:野口る理 出典:句集『しゃりり』(ふらんす堂・2013) 季語は「木の芽和(きのめあえ)」で、春。俳句において「木の芽」とは、「このめ」と読むと様々な樹木の芽の総称を指し、「きのめ」と読むと山椒の若芽・新葉を指します。「木の芽和」は、叩いた木の芽を甘めの味噌に混ぜたものを、烏賊・筍などの具材と和えた料理。清々しい香りがいかにも春らしく、日本酒がすすむ最高の肴です。 掲句もお酒の場。居酒屋でしょう。「木の芽和」が出るあたり、チェーン店ではなさそ

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.02.11

          【俳句連作】未遂

          未遂 落ちてなほ乙女椿の角度なり 玉椿モーツアルトはお尻好き 蘂ぬんと立ちて椿といふ悪寒 椿落つ月の蛻がまたひとつ 律は月を子規は朝日を玉椿 物干は大根足や落椿 空気入れしゆこしゆこ藪椿落ちた ちりとりの在処は落椿に聞け 葉を掃くに椿を避けて猫避けず ゴミ箱の蓋にゴミ未遂の椿 路地裏の更紗模様の椿かな 家々に日の隙のある椿かな

          【俳句連作】未遂

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.01.28

          まだ鹿と判るあばら骨の寒さ作者:古瀬まさあき 出典:おウチde俳句くらぶ 第38回写真de俳句 季語は「寒(さむ)さ」で、冬。冬という季節をこれ以上なく簡潔に表した、僕の好きな季語のひとつです。夏は暑く、冬は寒い。それに尽きるという潔さ。そして、「暑し」は体感温度のみに終わることが多いのに対して、「寒し」は心の中まで深く及んでくる印象があり、つくづく奥行のある季語だなあと思います。 掲句に描かれているのは、屠られた鹿の無惨な骨。「鹿」は秋の季語ですが、もはやここに季語の力

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.01.28

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.01.21

          受験票よし一月の雨きれい作者:コンフィ 出典:愛媛新聞 青嵐俳談 23.02.03 季語は「一月(いちがつ)」で、晩冬。俳人でなくとも皆知っている、ごく簡単な季節の言葉であるにも関わらず、俳句に詠むとなると本意を掴むのが難しい季語のひとつ。他の「◯月」や、同じ時期を表す別の時候の季語に動かないかどうかも考えなければなりません。 さて、掲句。「受験票よし」は、受験日当日の朝か前日の夜を想像させますが、句のその後の展開から、僕は後者を思いました。持ち物のチェックを一通り終えて

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.01.21

          【お知らせ】第29回いかすみ句会

          【1/23(火)1:00追記】定員いっぱいになりました。いつもたくさんのご参加ありがとうございます! こんばんは。いかちゃんです。 第29回いかすみ句会を開催します! 今回も野良古さん作成の句会サイト「夏雲システム」を使わせて頂きます。野良古さん、いつもありがとうございます! いかすみ句会のページはこちらです。 今回も、アカウントを既に持っていらっしゃる方のみ参加可能とさせて頂きます。前回までと同様、句会ページにて参加ボタンを押してください。先着40名様まで参加して頂け

          【お知らせ】第29回いかすみ句会

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.01.14

          生まれかわっても石鹸さっきまで蜜柑作者:髙田祥聖 出典:句具ネプリ 2021冬号 季語は「蜜柑(みかん)」で、冬。最も身近な柑橘類のひとつ。実家から段ボールどっさりの蜜柑が送られてきたり、台所にいつも蜜柑の籠が置いてあったり、猫と一緒に炬燵でぬくぬくしながら蜜柑を剥いたりといった光景は、日本のあちこちで冬の風物詩となっています。分類は植物ですが、ほとんど生活季語と考えても良いほど人々の暮らしに密着した存在であると言えるでしょう。 今回この句を取り上げるのは、初読時から読み

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.01.14

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.01.07

          着ぶくれや海はいつから青いのか作者:はぐれ杤餅 出典:あしらの俳句甲子園2024前夜祭 季語は「着(き)ぶくれ」で、冬。寒さ対策として服を何枚も着込み、身体が膨らんで見えること。「重ね着」も冬の季語になっていますが、「着ぶくれ」とは区別して使われることが多いようです。「重ね着」は行為に、「着ぶくれ」はその結果・状態により焦点が当たる感じでしょうか。 掲句は、季語「着ぶくれ」を上五に置き、「や」で詠嘆しつつ切り、中七下五に12音のフレーズを置くという、いわゆる取り合わせの基

          【俳句鑑賞】一週一句鑑賞 24.01.07

          【お知らせ】第28回いかすみ句会

          【12/21(木)1:00追記】定員いっぱいになりました。いつもたくさんのご参加ありがとうございます! こんばんは。いかちゃんです。 第28回いかすみ句会を開催します! 今回も野良古さん作成の句会サイト「夏雲システム」を使わせて頂きます。野良古さん、いつもありがとうございます! いかすみ句会のページはこちらです。 今回も、アカウントを既に持っていらっしゃる方のみ参加可能とさせて頂きます。前回までと同様、句会ページにて参加ボタンを押してください。先着40名様まで参加して頂

          【お知らせ】第28回いかすみ句会