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2月29日の誓い

 2月が29日まであると、不思議な気分になる。いつもはもう2月が終わっているのに、と私は感じる。特別な日、と喜ぶ人もいるかもしれない。
 2024年はうるう年で、2月29日まである。2月29日生まれの同級生がいる、と子供に聞いたのは、たしか前のうるう年だった。お誕生日のお祝いは、28日にするのだそうだ。そのやり取りをしたのは、まだ最近のような気がする。
 4年に一度というと、オリンピックやワールドカップだろうか。4年。中学校、高校の期間を飛び越す人だっているだろう。1年、2年後なら想像できそうな人もあるだろうが、私は4年後どうなっているか想像しようとすると、途中でやめてしまいたくなる。明るいことがあるのだろうか、大変な生活になっていないだろうかと、期待より不安の方が大きい。
 免許証更新の時に、更新に来るたびに、自分の状況が変わっていて面白いと思ったことがある。
 免許証を取得したとき。結婚したとき。子供が生まれた時。次の子が生まれたとき。家族が亡くしたとき。子供が進学したとき。子供が成長する間は増えることが多い気がした。だが、これより後は、子供が独立した、とか、家族、親類を亡くした、が増えてきて寂しくなる気がする。証明写真の自分も、どんどん老いていく。
 年齢を重ねると、歳を取るのが嫌だと親がよく言っていた。その言葉が身に染みる。
 過ぎた時を懐かしく思いすぎるのもよくない。慣れた環境が、永遠に続くことはありえないのだ。ため息が増えるのは良くないから、毎日何かの楽しみがあって元気でいられるように、日々生活していきたいと思う。何なら、次の2月29には、こういう事ができているようにしよう、という目標が必要なのかもしれない。

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