見出し画像

【アート感想】DAWN〜kind of blue〜山崎美弥子展


海に浮かぶ洞窟の中にいるみたい

山崎さんはハワイのモロカイ島に住むアーティストだ。一昨年だか昨年か前回日本で個展をされた際(hpを拝見すると毎年個展をされているとのことでした)に私はニューヨークにいたため行くことが叶わず、残念な思いをした。念願叶って今回の個展に来ることができてとても嬉しい。

 

表参道のビルの中だというのにまるで自然に抱かれているような心地の良い空間。ひっそり忍ばせてあるスピーカーから波の音が聞こえリラックスするからなのかつい長居してしまう。

螺旋に沿って作品が並ぶ。中央の作品は「House: /360°」
1000年後の未来の風景

【感想】
山崎さんの描く自然風景は色あいがとても美しい。
それは遠い昔から見てきた普遍的な風景でありながら、瞬間ごとに移り変わる自然の刹那的な色合いが映し出されていて、安心するようでいてどこか切ないような、矛盾した気持ちになる。もうこの色には二度と出会えないことを知っているからかもしれない。

色は光の反射である。光がモノに当たることによって私たちはモノの色を認識できる。言い換えると、光というパレットにはすでに全ての色が入っていて、その中からどの色を選び取るかはモノが決めているとも言えるのではないか。色とは、モノの主張だ。
そして、モノの寄せ集めであるこの世界は多様性のかたまりだ。
目の前のモノを、例えばエメラルドグリーンの海を美しく感じるのは、それが綺麗な色だからというよりは、その色を選び取った海の自主性及び個性に敬意を表しているからではないだろうか。などど思いを馳せる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?