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そのサッカーを疑え!

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2018年7月の記事一覧

「守備的サッカー」に安易に手を染めるなと言いたくなる最大の理由

「守備的サッカー」に安易に手を染めるなと言いたくなる最大の理由

 ハリルホジッチ解任を受け、急遽、日本代表監督の座に就いた西野朗監督が、最初に臨んだ試合は壮行試合を兼ねたガーナ戦だった。

「W杯本大会で相手に押し込まれる場面を想定して」、「いろいろな局面に対応するために」、「しばらくやったことがなかったから」等々の理由を挙げ、西野監督はこの試合に3バックの布陣で臨んだ。

 日本では、3バックと言えば8割方守備的だ。かつて、オシムが3バックで攻撃的なサッカー

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ロシアW杯回想。ベルギー戦のスタメンを見てがっかりした理由

ロシアW杯回想。ベルギー戦のスタメンを見てがっかりした理由

 ロシアW杯が閉幕して2週間が経過した。日本では代表の新監督に森保一氏が就任。さっさと次に向かおうとしているが、個人的にはその流れに乗る気がしない。レビューし尽くしてからにしたい。というわけで、いま一度、しぶとくロシアW杯を振り返って見たい。

 今回は日本代表編。タラレバ話になるが、今大会はチャンスだった。グループリーグでドイツが消え、決勝トーナメント1回戦でスペインが消え、そして準々決勝でブラ

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バルサに忍び寄るアルゼンチン代表化

バルサに忍び寄るアルゼンチン代表化

 中4日のフランスと中3日のクロアチア。クロアチアは決勝トーナメントの3試合をいずれも120分間(計360分間)戦っている。90分の試合に換算すれば4試合分だ。フランスより実質1試合分多く戦っているので、消耗度も25%増しと考えていい。コンディション面だけを見ればフランス有利、クロアチア不利となる。

 しかし、モチベーションで勝るのはクロアチアだろう。優勝経験があるフランスに対しクロアチアは3位

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W杯準決勝対イングランド戦。クロアチアの右SBブルサリコは出場できるのか

W杯準決勝対イングランド戦。クロアチアの右SBブルサリコは出場できるのか

 準々決勝対ブラジル戦。ベルギーのロベルト・マルティネス監督は、それまでとは異なる布陣で臨んだ。右にルカク、左にアザール、そして、デブライネをその真ん中に0トップ気味に置く4-3-3だ。

 ルカクを右の高い位置に据えれば、対峙するマルセロの攻め上がりは抑止できる。それでもマルセロが上がれば、その背後は狙い目になる。ベルギーの勝利は、重心が低めだった3-4-3を、高い位置から圧力を掛ける布陣に変更

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