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そのサッカーを疑え!

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2023年7月の記事一覧

スコアは4-0でも「スペイン」に勝った気はしない。長い目で見ると心配になる作戦勝ち

スコアは4-0でも「スペイン」に勝った気はしない。長い目で見ると心配になる作戦勝ち

 女子W杯。スペインを4-0で下し、グループリーグC組で首位通過を決めたなでしこジャパン。スペインがその術中にはまった試合。一言でいえばそうなる。スペインが70%超でボールを支配したにもかかわらず、日本は前半12分に挙げた先制点を皮切りにゴールを重ねた。

 痛快と言えば痛快な勝利になる。しかしスペインが圧倒的強者の立場で臨んだ男子のカタールW杯とはわけが違う。女子の場合もともと強かったのは日本だ

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来日した欧州トップクラブに見る多国籍軍の魅力

来日した欧州トップクラブに見る多国籍軍の魅力

 国立競技場を満杯に埋めたバイエルン対マンチェスター・シティ戦。

 この選手は誰? と、こちらの目に止まったのは、後半の頭からマンチェスター・シティの右ウイングを張ったオスカー・ボブだ。風貌から国籍が想像できなかったので調べてみればノルウェー人で、20歳になったばかりの若手である。その昔、アヤックスで活躍していたズラタン・イブラヒモビッチがスウェーデン人だと知った時の方が驚かされたが、生粋のノル

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マンCはイングランド代表より強い。横浜FM、川崎は森保Jより弱い。日本サッカーが沈滞する理由

マンCはイングランド代表より強い。横浜FM、川崎は森保Jより弱い。日本サッカーが沈滞する理由

 横浜F・マリノス対セルティックを皮切りに、Jリーグの各チームと欧州のビッグクラブとの対戦が始まる。酷暑と猛烈な湿気の中で彼らがどれほど全力で戦うか定かではないが、Jリーグの世界的なレベルを推し量る上で興味深い試合であることは確かである。

 昨季UEFAランク9位のスコットランドリーグを制したセルティックと、昨季のJリーグ覇者である横浜FMの戦いを眺めれば、JリーグがUEFAに加盟すればどんな立

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三笘はなぜ右でプレーできないのか。バロンドールを受賞した右利きの右ウイングと比較する

三笘はなぜ右でプレーできないのか。バロンドールを受賞した右利きの右ウイングと比較する

 現日本代表の2大看板と言えば三笘薫と伊東純也だろう。ともに右利きのウイングだが、立ち位置は三笘が左で伊東は右だ。3月に行われたコロンビア戦では、三笘が後半、堂安律と交代でベンチに下がると、左ウイング伊東、右ウイング堂安という配置になった。

 伊東が左でプレーするのはいつ以来だろうか。珍しいものを見たとこに変わりはない。一方、三笘の右ウイングは画面越しでは見たことがある。昨季終盤のプレミアリーグ

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