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そのサッカーを疑え!

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2023年8月の記事一覧

川崎Fの凋落はJリーグの凋落そのものである。日本サッカーが抱える構造的問題とは

川崎Fの凋落はJリーグの凋落そのものである。日本サッカーが抱える構造的問題とは

 Jリーグ関連のニュースと言えば、浦和レッズのサポーター問題、ジャッジの問題が目に止まる。それはそれで追及されるべき大事な話だが、一方でサッカーそのものの話題が報じられない現実には、大いなる不満を覚える。

 2017年シーズンに初優勝を遂げて以来7シーズンで優勝4回、2位2回、4位1回と、Jリーグで断トツの成績を収めてきた川崎フロンターレが今季これまで9位に沈む現状を嘆いたり、案じたりする声は聞

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大舞台で守備的サッカーの誘惑に負け、勝ち点2を落としたFC東京監督クラモフスキー采配を心配する

大舞台で守備的サッカーの誘惑に負け、勝ち点2を落としたFC東京監督クラモフスキー采配を心配する

 国立競技場に48634人の観衆を集めて行われたFC東京対ヴィッセル神戸戦。2-2というその結果を「勝てた試合を引き分けてしまった」と、より残念がったのはFC東京の方だろう。

 東京はこの試合、前半18分にディエゴ・オリベイラのゴールで先制すると、その後もペースを握り続けた。2点目は時間の問題かに思えた。試合は終盤まで1-0のまま推移。時計は後半35分(80分)を回っていた。

 東京のピーター

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遠藤航のリバプール移籍と見直されるべき森保監督の立ち位置、日本代表の強化策

遠藤航のリバプール移籍と見直されるべき森保監督の立ち位置、日本代表の強化策

 遠藤航がリバプールに移籍。ボーンマス戦の後半、さっそく交代出場を果たした。前所属のシュツットガルトは昨季のブンデスリーガで18チーム中16位。プレーオフでハンブルガーを下し、辛うじて1部残留を決めたチームだ。遠藤はそこで中心的な存在として活躍していたとはいえ、リバプールへの移籍はまさにジャンプアップ。2階級どころか3階級の特進に相当する。

 1999-2000シーズンにペルージャからローマに移

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なでしこJ。池田監督是非論が出ない不思議。「相手にボールを持たせておく」守備的サッカーを続けるのか

なでしこJ。池田監督是非論が出ない不思議。「相手にボールを持たせておく」守備的サッカーを続けるのか

 女子W杯準々決勝でスウェーデンに敗れたなでしこジャパン。予想通りの展開に陥り、敗退するという観戦していて実に歯がゆい展開だった。スウェーデンの作戦勝ちと言うより、日本の根本的な戦略ミス。後方に引いて構える守備的サッカーが仇になった。敗因が選手の力不足というより監督の力不足にあることは明白。あまり言いたくないけれど、前回のこの欄で指摘したことがそのまま敗因になったわけだ。 

 しかし池田太監督の

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