新しい仕事が見つかりました。1月からデイサービスで体操を教えています。恩ある方からの紹介でした。職探し中だったので二つ返事で引き受けましたが、この仕事…結論から言うと、もの凄く大変なのです。

１．デイサービスでの仕事

私は介護の専門家ではなく、フィットネスクラブで働いていたという経験があるだけです。公的な資格を持っているわけではなく学んだことなどありません。

初めての体操の日は利用者さんの不安がとても伝わってきました。変化というか脳にも刺激を与えて欲しいと施設の方から言われていました。デイサービスでは耳が遠い方も多く身振り手振りで伝えることもあります。半身が動かしにくい方もいます。痛いところがない人はいません。

危険なく安全に運動するというのが本当に難しいのです。けれど、その一方で相当動ける方もいて、グループ体操に限界を感じました。

動きにくい方にはスタッフさんが付いてくれますが、慣れるまではチームワークも難しいです。そしてなんといっても、運動する設備が全く整っていないのが大変なのです。

これまで培ってきたものは何だったのでしょう。健康な運動好きが集まる環境で、綺麗なスタジオで、設備も器具も用意されていて。ぬるま湯につかっていたんだと気づきました。

こんなに負担の大きい仕事を、私は続けられるだろうか。

母の介護も大変なのに、まさか介護の現場で働くことになるとは思っていませんでした。ものすごい疲労感とモヤモヤと闘っているようで。どんどん積まれていって。始まったばかりですが心は半分折れています。

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２．辛くなって糸を編んでみた

何か作ろう。無心になりたい。作って全てを忘れたい。手芸はどうだろう。料理本と同じくらい手芸本を読むのが好きで憧れがありました。

母は編み物が得意で、昔は色々と編んでくれました。妹も編むことが好き。幼い頃、祖母が教えてくれた指編みは楽しかったです。編む一族なのかもしれない。

私も編んでみようと思いました。けれど、いきなり棒針やかぎ針編みはハードルが高すぎます。

指編みの本を借りてきて、妹に編み方を教わりました。実は難しすぎて内容を解読出来なかったのです。妹が編んでいる姿を見て、やっと少し理解できました。指で糸が編まれてゆく様子が魔法のようで、見ていて飽きません。

まずは、指リリヤン編みに挑戦です。40cmくらいの長さになるまで編みました。

もふもふした毛糸の感触にも癒やされます。指で編むと、とてもやわらかく仕上がるのが大発見でした。

白とピンクと薄緑の穏やかな色合いの毛糸が編まれていって、毛糸玉の状態とはガラリと印象が変わりました。そして不思議なのですが、これを伸ばすと80cmくらいの長さになります。

水色は妹作。毛糸が違うのですが、もふもふした柔らかめの仕上がりでした。新しく何かを始めるとき仲間がいるといいですね。教えてくれる人がいると頑張れます。

まだ作品と呼べるものは出来上がっていません。ただ編んでいます。けれど、編んでいると無心になれるし、仕上げることが全てではないのかもと思いました。

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３．モヤモヤの正体

年齢ごと、その人ごとに適した運動があると実感する日々ですが、要支援・要介護高齢者向けの体操は、これで良いのかという葛藤があると気づきました。

脱ぎ着の練習、お風呂に入る練習、トイレに行く練習。大切なことですが、あまりに生活に直結しすぎていて、運動の楽しさを忘れていないだろうかと。

体操の一環で指の運動をやりますが、それもなんだかしっくりこないのです。ふと指編みはデイサービスに向いているかもしれないと思いました。

母が通うデイサービスでは、輪状のゴムを使った体操をやっているそうです。脱ぎ着の練習のようです。先程の指リリヤン編みを長く編んで結ぶと、輪っかのようになってゴム替わりになるかもしれない。

４．編んだものを実際に使ってみた

母の話を参考に、デイサービスで脱ぎ着の体操をやってみました。

腕が上がりにくいかとも思いましたが、全員できました。綺麗な色だと褒めていただけて嬉しかったです。手芸好きな方もいて、話が盛り上がりました。子どものころリリヤンで遊んだと懐かしそうな様子で話してくれました。

あまり難しく考えず、利用者さんに楽しく通ってもらえることも大切なのかもしれない。１回目は不安そうに見えた方も、２回目はリラックスしたようでした。

編むことに挑戦したおかげで利用者さんと話が広がったり、新しい体操を試すことに繋がりました。なんというか道が見えたようで、もう少し頑張れそうです。