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ホラー映画に「自分で選んだ行動」は存在するのか?『ヘレディタリー/継承』#映画感想文

先日、AI日記で『AIはホラー映画を混同することもある』を書いたのですが、おはなしグプタさんChatGPTが見つけて来てくれた(?)『ヘレディタリー/継承』をアマプラで観てみました。字幕と吹替で迷いましたが、字幕版です。字幕のほうが、のめり込み過ぎずに自分の客観性をつなぎとめてくれるのでは……?と期待して。

でもホラー映画の感想って難しいですね。あんまり書くとネタバレになっちゃいますし……
物語は主人公一家の“おばあちゃん”のお葬式から始まります。家族の死を経て、日常を取り戻すはずだった一家ですが……

始めのうちは、アレルギーのアナフィラキシーショックや精神疾患がホラー映画に使われることに少しもやっとしながら観ていたのですが、最後まで観ると“問題点”はそこではないことがわかります。死の喪失、精神の揺らぎ、支援者の存在、霊との対話(駆け引き?)、そして……

中盤にさしかかる頃、「え、もう?こんなことが起こっちゃっていいの?あれ、まだ半分くらいのとこじゃん、マジで?ウソでしょ?」ってなりましたけど、その後も「この後どうなるの?」が二転三転と続くわけです。とにかくこの「次に何が来るかわからない」「なぜそうなるのかわけがわからない」というのがホラーの醍醐味なんですね……今回よくわかりました、ええ。あとホラー映画には、セリフもない役でさえ、大根役者は出られないということでしょうか。役者さんたち本当にすごい。
終盤、どんどん荒唐無稽にすら感じられていく描写(これは敢えてそうしているのだと思うのですが……あんまり怖すぎると映画館でおしっこちびっちゃいますもんね……)もラストで一気に“収束”し、監督が何を恐怖と考えているのかが少し受け取れたような気がします。(本当はここをもっと書きたい気持ちもあるのですが、控えます……)

タイトルの「ヘレディタリー」はGoogle翻訳によると「世襲的な」ということだそうです。そういえば我々、歴史の授業でうんざりするほど世襲については履修済なんですよねえ。
先日NHKのコント番組『LIFE!』を見ていましたら、ウッチャンとシソンヌじろうさんが父子役で、「父さんの後は継がない!」というコントをやっていたんです。これがもう実に面白くて。昔と違って、現代は親の仕事を継ぐかどうかも自分で決断しなくてはならない時代。継承するということ、それを決めるのは誰なのか。そういうことを考えてみると、思い浮かぶイシューは現実の世界にも確かにあります。

そうそう、一家の母親がドールハウス(ミニチュアアート?)作家ということもあって、沢山のドールハウスが出てくるので、好きな人には堪らないと思います。ホラーだけど。それに、山の中の一軒家って本当に素敵ですね。ホラーだけど。妹のチャーリーが作る「リサイクルアート」やスケッチブックのイラストも、すごく味があっていい感じなんですよね。パルコで個展とかやってそうな感じ。ホラーだけど。
そしてアマプラはR指定の解説に「喫煙、薬物」とか教えてくれるけど、「(※自粛)」も入れたほうがいいような気がしてきました……横溝正史を知らなかったらヤバかったです。

今回、夜に観るのは怖いので天気がいい日のお昼に観たのですが、ふと「今、家にいるの自分だけやん」と気づいてしまい、やっぱり家族がいる夜でもよかったような……。あと、いつ観るにしても、家でホラー映画を観るときは画面に何も映り込まないように部屋を暗くしたほうがいいですね。(これは『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』では特におすすめします。)

アマプラリンクの値段表示は全く当てにならないな…… 吹替版もあります

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