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脱・アクリルアミド

こんにちは、るーぷです。みなさん、じゃがいも好きですか?好きですよね!でも調理法によっては、危険な食品になってしまうかもしれません。今日はそんなお話です。


アクリルアミドとは

今回は、「アクリルアミド」という物質について取り上げます。初めて聞かれる方もいるかもしれませんが、農林水産省のWebサイト(2022年8月時点)を参考に、できるだけ分かりやすくまとめていきたいと思います。まずは、そもそもアクリルアミドとは何なのか、見ていきましょう。

アクリルアミドは、工業用途において紙力増強剤や水処理剤、土壌凝固剤、漏水防止剤、化粧品(シェービングジェルや整髪剤)などに用いられるポリアクリルアミドの原料として1950年代から製造されている化学物質です。

ヒトがアクリルアミドを大量に食べたり、吸ったり、触れたりした場合に、神経障害を起こすことがこれまで確認されているほか、国際機関は、動物実験の結果から、ヒトにおそらく発がん性がある物質とアクリルアミドを分類しています。

スウェーデン食品庁とストックホルム大学が、揚げたり、焼いたりした馬鈴薯加工品や穀類加工品に、おそらく発がん性があるアクリルアミドが高濃度に含まれる可能性があることを、2002年に世界で初めて発表しました。

農林水産省Webサイト
(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_kiso/about.html)

つまり、アクリルアミドは化学物質で、神経障害やがんを引き起こす可能性があり、食品にも含まれているものです。アクリルアミドによる健康被害については、こちらにまとめられています。

どのように食品からアクリルアミドが生成されるのか?

では、どのように食品からアクリルアミドができるのでしょうか?

アクリルアミドができる主な原因は、食品の原材料に含まれているアミノ酸の一種であるアスパラギンと果糖、ブドウ糖などの還元糖が、揚げる、焼く、焙るなどの調理中の加熱(120℃以上)により「アミノカルボニル反応(メイラード反応)」と呼ばれる化学反応を起こし、その過程でアクリルアミドが生成するためと考えられています。

農林水産省Webサイト
(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_syosai/about/sikumi.html)

水分含有量の少ない場合には、特にアクリルアミドができやすくなるとされています。

農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_kiso/syokuhin.html)

アスパラギンというアミノ酸と還元糖が120℃以上の高温で調理されると、化学反応によりアクリルアミドが生成されてしまうようです。ただし、その生成には多様な経路が存在すると考えられており、食品中でアクリルアミドができる仕組みは完全に解明されていないようです。

どのような食品にアクリルアミドは含まれているのか?

以下の引用が、アクリルアミドが含まれている代表的な食品です。その他の食品については、「食品中のアクリルアミドの含有実態調査」をご参照ください。

アクリルアミドは、炭水化物を多く含む原材料を高温(120℃以上)で加熱調理した食品に含まれる可能性があります。例えば、ポテトチップス、フライドポテトなど、じゃがいもを揚げたスナックや料理、ビスケット、クッキーのように穀類を原材料とする焼き菓子などに、高濃度に含まれていることが報告されています。
コーヒー豆、ほうじ茶葉、煎り麦のように、高温で焙煎した食品にもアクリルアミドが高濃度に含まれていることが報告されています。アクリルアミドはとても水に溶けやすいため、これらから抽出したコーヒー、ほうじ茶、麦茶などの飲料にもアクリルアミドが含まれていることが確認されています。

農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_kiso/syokuhin.html)

上記リンクの実態調査を参照してみても、やはりポテトスナックが他の食材より高濃度でアクリルアミドが含有しています。

アクリルアミドの摂取をできるだけ避けるには

神経障害や発がん性が指摘されているアクリルアミド。できれば摂取したくないですよね?以下のポイントを意識してみると、ある程度避けることができると思います。

1. 「煮る・蒸す・ゆでる」を調理の基本にする

「煮る」、「蒸す」、「ゆでる」など水を利用した調理では、食材の温度が120℃以上にならず、アクリルアミドはほとんど生成しないことが分かっています。

農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_syosai/teigen/qa.html)

フライドポテトやオーブンで焼いたポテトはおいしいですが、蒸したじゃがいもにディップソースをつけて食べるのもおいしいですよ!僕はアクリルアミドを意識してから、じゃがいもだけでなく、蒸し料理を増やしました!

2. コーヒーよりも緑茶や紅茶を飲む

コーヒー豆や麦茶の煎り麦、ほうじ茶の茶葉では、生豆や大麦、茶葉を焙煎する工程でアクリルアミドが生成します。アクリルアミドは水に溶けやすいので、水を加えると浸出液に含まれます。緑茶や紅茶には、アクリルアミドはほとんど含まれていません。

農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_syosai/teigen/qa.html)

僕は普段コーヒーは飲まないのですが、たまにほうじ茶を飲むので気を付けようと思います!

3. 焦げた料理を食べない

穀類や野菜など炭水化物を多く含む食品を炒めたり揚げたりした時、焦げた部分には多くの化学物質が生成します。アクリルアミドはそのとき生成する物質の一つです。また、肉や魚が焦げた部分にも、発がん物質を含む多くの化学物質が微量に含まれています。

農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_syosai/teigen/qa.html)

焦げ部分がおいしいものもありますよね。でもできるだけ焦げた部分は除いて食べると良いでしょう。

4. 外食でも揚げ物は選ばない

アクリルアミドは、「揚げる」、「焼く」、「炒める」など食材を120℃以上で加熱したときに生成します。特に、加熱調理により食材に含まれている水分が少なくなってから多く生成します。

農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_syosai/teigen/qa.html)

以前はついつい外食でとんかつを食べてしまっていましたが、とんかつに限らず、揚げ物は使用している揚げ油への懸念(油の種類と酸化具合が分からないため)から、現在は食べていません。アクリルアミドを摂取しないという観点からも、今後も積極的に食べることはないと思います。


健康になるには、「何を食べるか」よりも「何を食べないか」の方が重要だと思います。つまり、そもそも体内に毒を入れないということです。特に、じゃがいもは生活に密着した食材ですので、調理法を少し変えるだけでリスクを減らせるなら、試してみてはいかがでしょうか?