さみしいけど、おめでとう!
小学生のときから仲良しの友がいる。
2人で病んだし、
2人で遊んだし、
2人で悪さもした。
あの子は、わたしのことを
「勉強できるバカ」と言い切るし
わたしは、あの子のことを
「世渡りのうまいバカ」と言い切る。
趣味も何もかも違うのに、私たちは友達。
共通点は……
異性にそれなりにモテることくらいだ。
あの子は普通に年下にモテる。
結婚しても変わらなくて、
aikoにそっくりな見た目でアンニュイな雰囲気だからこそ、
守ってあげたくなるタイプなのだろう。
あの子に言わせると、
わたしは権力者にモテるらしい。
ぱっと見はおとなしそうで清楚に見えるのに
話すと教養があり、話題が豊富。
どこに連れて行っても、誰に紹介しても失礼にならない。大輪の薔薇にはなれないけど、うまく引き立ててくれるらしい。
2人で飲んで歩いてると、ナンパされることも多い。
久しぶりに連絡が来たと思ったら、
苗字は違うし、かなり遠くに引越すと言う。
言いたいことだけ言って、
急に連絡が止まるタイプだから、
とりあえず聞きたいことだけ聞いた。
「離婚して再婚したの?」
「なんで、あえて、その土地?」
離婚報告も再婚報告も聞いてないけど、
あの子らしいなぁと思う。
予想通り、
離婚して再婚して、夫の転勤で地元を離れるという。
離婚おめでとう! おつかれさま!
再婚おめでとう! 新しい生活、楽しんで!
心の底からそう思う。
世間は、結婚に「おめでとう」と言うが離婚には「おめでとう」と言わない。
わたしは、
離婚にも「おめでとう!」と言えるタイプだ。
現実問題、
生活や育児をする上で、いないほうがいい大人というのは少なからずいるから。
養育費の未払い率を考えても、いい例だと思う。
子どもを育てるのは義務だ。
産んだ段階で、育てる義務がある。
それは、
時間を使うことだし、お金もかかることだ。
だからこそ、
「育ててやったのに!親不孝もの!」という怒りは、おかしな話なのだ。義務なんだもん。
「小学校、行ってやってるのに!」という小学生と変わらない。
「納税してやってるんだ!」というのと同じくらい変。税金を納めてるから、医療制度も使えて、街灯がついてて、警察や消防などが機能してる。ありがたいことなのに、生活を守ってくれてることは無視して、義務がきついというのはちがうのだ。
育児は、真面目に向き合えばたのしいよ。
きっついときもあるし、
なんで?って悲しくなる時もあるけど、
その度に成長できる。
人として成長するには、育児はすごいいい機会だと思う。
だからこそ、
放置放任はネグレクト(児童虐待)だし、
兄弟間でお金を出し渋るのも変な話だ。
それに、
両親2人ともいたら幸せって神話だからね。
全員がそうとは言わないけど、いなくていい人たちも一定数いる。
「わたしの育った家は、2人ともいて幸せな家庭だったなぁ」
と感じるのであれば、
親として、夫婦として、お父さんとお母さんの2人ともが努力してきた結果だと思う。
子どもからは見えない努力の積み重ねだよ。
親友の前の旦那さんとは、
家庭の事情も、
結婚当初からのことも、
付き合ってた期間さえも
全部知ってた。
だからこそかもしれない。
わたしたちは、
忌憚なく意見を言い合える2人なのだ。
「なんで、その旦那なの?」
と言ったときに、
幸せそうに
「こんないいところがあってね…」と語れるうちは幸せな証拠。わたしもニコニコとあの子の話を聞く。
「最近わからなくて…」といううちは、まだ大丈夫。少し壊れかけてるけど、まだ修復はできる。修復してまで一緒にいたいのかを考える。
「えっ、なんでだろう…」となったら、アウト。取ってつけたように、理由を探し始めたら離婚である。その手続きの面倒くささを乗り越えるかどうかは別として、心は離れてしまってるからね。
話を戻そう。
地元に帰れば会えるあの子が、
もう地元にはいなくなる。
それはすごい寂しいことだけど、
同時に、
あの子の幸せも願ってるからこそ、嬉しいことだと思うのだ。
わたしたちは所詮、ちっぽけな人間だから、
いいところも悪いところも持ってる。
人にすごい優しい時もあれば、
大事なもののために冷酷になれる自分もいる。
どんな人間であれ、
優しさと残酷さを持ち合わせているのだ。
それをうまく扱って生きているだけなの。
だからこそ、
新しいパートナーは、
あの子のいいところが、引き出される関係でいてほしいなぁと思う。
わたしは、あの子が幸せならそれでいいんだもん。
ちなみに、
飛行機2本で行く距離になってしまった。
国内なのに遠いよ、遠い。
でも、
またそのうち、楽しく遊びにいこうと思う。
夏場、バイクで行っても楽しいかもしれない。
会いに行く楽しみが増えた。
離婚おめでとう!
再婚おめでとう!
新しい一歩、おめでとう✨
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