研究に必要な心得 【疑問を構造化②】


前回は、クリニカル・クエッションについて学んでいただきました。


今回はそのクリニカル・クエッション(以下CQ)がどのような研究と合致するか。


医療従事者であれば以下の4つの項目が大きな分類として当てはまると思われます。


①病気、診療の実態を調べる研究
②診断法およびリハ関連を評価する研究
③要因とアウトカムとの関係を調べる研究
④治療・予防法の効果を調べる研究


それぞれを簡単にですが説明していきます。

①病気、診療の実態を調べる研究


では、医学歴史始まって以来、皆が思ってきた疑問といえます。
「この病気の頻度はどのくらいか」
「発症してから最後までの状態」
「性別」.「年齢」の偏りは?


といった部分です。


これらの発展のお陰で、リハビリテーションも未来を予測しつつ患者様の治療にあたることが可能なはずです。


英語では、practice studyまたはpattern of care studyと呼ばれ、現在活況を定している「医療の質研究」の発展にも寄与しています。

②診断法およびリハ関連を評価する研究

では、医療に携わる人なら馴染みがあるはずです。
「日常的に自分が行っている検査は、この疾病の診断に有用か」
「どのような場合にどのような検査をすべきか」
「この検査で患者のアウトカムは改善されるのか」

この診断は検査だけではありません。

診察や検査に関与しない療法士であれば、態度、信念、行動変容のステージなども、この研究に属します。

③要因とアウトカムとの関係を調べる研究

では、疫学研究では王道のクエッションです。

どのような要因がアウトカムと関連があるかを調べる研究です。

病気の発症、悪化、合併症、死亡、喫煙、血圧など

リスクファクター研究として、これまで疫学研究の中心を占めてきました。

私自身もこの研究は経験がある程度あります。

④治療・予防法の効果を調べる研究

では、介入研究などがあたります。

自分が日常的に行っている治療法は有効なのか?

Aという治療法はBの治療法より優れているのか?

ランダム化比較試験がこれにあたります。

しかし、これには多大な資源を必要とします。

導入には向かないです。

実施しているものがありますが、ルールもしっかり規定しないと大変です。


今回は以上のクエッションについてご紹介しました!


では次からはリサーチ・クエッションにいきましょう!


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