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【簡単創作術】あなたの物語にラブコメ展開を!①【出会い編】


どうもこんにちは、渡柏きなこです!

前回の記事では『キャラクターの成長のさせかた』について書きましたが、主人公の成長には、主人公に間違いを気づかせてくれる他者が必要です。

でもでも、キャラクター同士ってどうしたら仲良くなってくれるの? こんな関係性にしたいんだけど、どうしたら自然とそうなってくれるの? と、キャラクター同士の関係性構築に悩んでいるそこのアナタ!

本日の内容はそんなアナタに必見の内容となっております。実例を交えてなるべくわかりやすく解説するので、ぜひ最後までお楽しみください🙇‍♂️

最初に結論から書いてしまいますが、キャラクター同士を仲良くさせる秘訣はこれです! 今後の記事でも使う表なので、よかったら覚えていってくださいませ。絶対のものではなくあくまで「簡単な方法」なので、自分なりにアレンジしちゃっても大丈夫です。

ーキャラクターの仲良し方程式ー

【Part.1:出会い】
・ファーストインプレッション
・表面的な二次情報
・再会と確認

【Part.2:共同作業】
・咄嗟の救助と返報性の原理
・興味と質問
・仲良しの儀式

《間》

【Part.3:自覚】
・周囲からの指摘
・特別という認識
・行動の変化とギクシャク

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※これらのうち、本日は【Part.1:出会い】の部分を解説していきます。

【Part.1:出会い】
主人公とヒロインを出会わせるだけなら、ただ出会わせれば一応完了です。ですがそのままではふたりは会釈してすれ違っておしまいになってしまいますね。次の展開に繋げるためには、主人公に、そのキャラに対しての興味を持ってもらわなければなりません。出会いのパートでは主人公の印象に残るような力強いイベントを起こして興味を引き、ふたりがお互いにとってちょっと特別な存在になるまでを描いていきましょう。

その流れは以下のような感じ!

1−1:ファーストインプレッション
衝撃的な出来事により、主人公がヒロインに興味を持つ。※同時に読者の興味も引く。

1−2:表面的な二次情報
主人公はヒロインについて調べるが、表面的な情報しか手に入らない。まだ何かあるはず……と思う主人公。※これにより、作品世界での主人公・ヒロインの一般人目線での立ち位置がハッキリし、読者が感情移入しやすくなる。

1−3:再会と確認
ヒロインに再度出会う主人公。ファーストインプレッションでの出来事についてヒロインに確認し、ヒロインの本質部分に触れる。※これによりヒロインにとって主人公が良くも悪くも特別な相手になる。

例えば主人公をとある高校に通う普通の学生としてみましょう。実例として簡単にストーリーを作ってみると、どうなるでしょうか……?

1−1:ファーストインプレッション
『主人公はどこにでもいる高校生の男の子。その昔「仮面ライダー555」にどハマりしていて、将来は自分も仮面ライダーに変身して悪の組織を滅ぼすのだ!と夢に見ていました。色々な特訓をしたり、空手を習ったりしていた主人公でしたが、いつしかそんなヒーローなんてどこにもいないと悟ります。彼はどこかつまらない気持ちを抱えながら、普通の高校生として毎日を生きていました。

そんなある日、彼は学校の廊下でとある女生徒とぶつかってしまいました。たくさんの資料を持っていたその女生徒は、クラスで有名なお嬢様。どこぞの資産家の娘さんだともっぱらの噂で、優雅な振る舞いと柔らかな物腰でクラス中の男子に人気な女子でした。

「うお、わ、悪い!」と言って転んだお嬢様を助け起こす主人公。ですがその拍子に見えてしまったのです。委員長の腰に、彼女に似つかわしくないベルトが――主人公が昔大好きだった「仮面ライダー555」の、おもちゃのベルトが巻かれているのを……!!!!

慌てた様子でベルトを隠すヒロイン。「も、もしやいま何か……ご覧に、なりまして……?」と上目遣いで尋ねるヒロインに、主人公は「え、いや……何も見てない!」とごまかします。お嬢様はにっこり笑って「な、ならいいんですのよ。おほほほ」と言って立ち去ります。

耳まで真っ赤にしながら去っていくお嬢様。しかし主人公の脳裏には彼女が腰に巻いていたベルトが焼き付いて離れません。なんだったんだアレは……と、どうしても気になってしまうのです。

はい、ここまでが出会いの最初・ファーストインプレッションです。衝撃的な出来事によって、主人公はヒロインに強く興味を引かれています。どうしても気になった主人公は、ヒロインのことについて、クラスの友人に訊ねるでしょう。

また『仮面ライダーが好き!という気持ちを隠して生活している』という主人公の不足や成長の余地も同時に描かれていることに注目してください。そこに合わせ、ヒロインが起こす衝撃的な出来事も「おそらく主人公の不足を埋めたり、成長を促したりするだろう」と思えるものになっています。

1−2:表面的な二次情報
主人公はヒロインのことについて、クラスの友達たちに訊ねます。しかし聞いても出てくるのは主人公でもよく知っているようなことばかり。ヒロインは企業の社長の娘で、家がでっかくて犬が三匹いるとか。ひとりっ子で親にめちゃめちゃ溺愛されているとか。習い事が大変らしくて結構遅くに駅前で見かけたとか……主人公が知りたいような情報は出てこず、彼はだんだん悶々としてきます。

※ここで出てくる二次情報は、今後の展開に繋がるような伏線にしておくと無駄がないです。今回の場合で言うと(まだ何も考えてませんが)でっかい犬はなんかしらで出てくるだろうなーとか、駅前にいたのは別の理由があるだろうなーとかうっすら考えてます。

1−3:再会と確認
そんなこんなで悶々としていた主人公はぼーっとしてしまい、宿題を忘れてしまいます。授業中に先生に「どうして宿題を忘れたんだ!」と叱られた主人公の目に、澄まし顔で授業を受けているヒロインの顔が目に入ります。彼は咄嗟に先生に答えました。

「それは、乾巧って奴の仕業なんだ……」

「は?」とクラス中の人間が何のことかわからずポカンとする中、ヒロインだけが「ぷっふ!」と吹き出して笑い、すぐに恥ずかしそうに顔を背けました。他の誰も知りませんでしたが、それは「仮面ライダー555」に出てくる名言だったのです。

確定だ、あのヒロイン、絶対仮面ライダー555を見てるぞ! しかもかなりの大ファンだ! そう確信した主人公は、しかし次の昼休み、ヒロインに声をかけられます。

「ちょっと、お面をお貸しくださる?」

はい、ここまでが再会と確認です。再会と書いてますが、同じ空間にいれば問題ありません。ファーストインプレッションで得た情報を頼りに、主人公がヒロインの本質部分に触れることができさえすればミッション完了となります。

二次情報を書いておくことによって、主人公が周囲の人間よりもヒロインの本質に近い位置にいることが読者にわかりやすくなります。また再会と確認によって意図的にヒロインの本質に触れた主人公は、それによってヒロインからも意識される存在になることになり、結果として次への引きが生まれるわけです。

以上、いかがでしたでしょうか? 案外長くなってしまいそうでしたので、続きはまた来週書いていければと思います! 

さらにもうひとつ、ここまでのお話の流れに納得していただけた方はぜひ『涼宮ハルヒの憂鬱』の第一話を参考に見てみてください。ここまでの流れがほぼ同じように展開されているのがわかるかと思います。

今回の記事がアナタの創作のご参考になっておりましたら幸いです。楽しめたという方、ぜひスキ&フォローと、私が書いている小説もよかったらお楽しみください🙇‍♂️

こちらからお読みいただけます!

それでは、アナタの創作ライフのさらなる充実を祈って! また来週〜♫

前回:_
次回:創作初心者のためのラブコメ展開の作り方【②︰共同作業編】

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