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このすばらしき生きものたち―カンブリア大爆発から人工生命の世紀へ


このすばらしき生きものたち―カンブリア大爆発から人工生命の世紀へ

 生物学のダイナミズムを体験できる本です(^^)

 「カンブリア爆発」や、「バージェス頁岩【けつがん】生物」という言葉を、聞いたことがありませんか? それらの言葉に興味があるなら、ぜひ、本書をお読み下さい(^^)

 カンブリア爆発とは、今から約五億七千万年前、カンブリア紀と呼ばれる時代に起こった事件です。この時代、地球上に、一挙にたくさんの種類の生物が現われました。爆発的に多様性が増した(ように見える)ので、カンブリア爆発と呼ばれます。

 なぜ、その時代に、急激に生物の多様性が増した(ように見える)のでしょうか? これは、二〇一四年現在でも、議論がかまびすしい問題です。

 バージェス頁岩生物とは、カナダのロッキー山脈の、バージェス頁岩と呼ばれる岩の中から、化石で発見された生物たちです。カンブリア爆発よりも少し後、約五億五百万年前の生物たちです。
 バージェス頁岩生物は、奇妙奇天烈な姿をしたものが多いことで、有名になりました。あまりに奇天烈な(ように見えた)ため、現生の生物と比べて、どのように分類したらいいのか、当初は、非常に当惑が語られました。

 本書が出たのは、二〇一四年現在からは、二十年前です。この間に、研究が進みました。現在では、正体がわかっているバージェス頁岩生物も、多いです。
 どうしても、本書の情報には、古い部分があります。

 それを差し引いても、本書は、面白いです(^^)
 変化と絶滅を繰り返しながら、現代に至る生物たちのダイナミズムが、描かれているからです。

 本書に載っている、「コンピュータのなかの生命」が、二十年後の現在に、どうなっているのか、気になります。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

生命の謎を捜しに  荒俣宏

五億七千万年の夢 現地取材敢行!バージェス頁岩に封じこめられた進化のミステリー  山田和子

進化のダイナミズムを読み解く スティーヴン・ジェイ・グールドと『ワンダフル・ライフ』  渡辺政隆
生態劇場の進化劇  渡辺政隆
単細胞生物のかくも長き時代  養老孟司
コラム 分子進化とは何か

鼎談 創世神話 生命はなぜ生まれたか? バージェス頁岩からサイバースペースへ  北野宏明×佐倉統×荒俣宏

カナディアン・ロッキーに新たな化石群を求めて  デズモンド・コリンズ
コラム 人工生命とは何か
サイバースペースにカンブリア大爆発が起きるとき  北野宏明
成長する形と色彩 コンピュータのなかの生命  河口洋一郎
生命は死 死は生命 生物進化と文化のパラレルな関係  佐倉統
大絶滅 すべての種は絶滅する  デイヴィッド・ラウプ

DATA FILE
 人物データ
 関連施設データ 博物館・動物園・水族館・研究所
 関連図書データ
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