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アイヌ文化の基礎知識


アイヌ文化の基礎知識

 日本の先住民、アイヌ民族の文化について、紹介した本です。
 二〇一〇年現在、普通に入手できる本の中では、最も良い「アイヌ入門書」ではないかと思います。

 「アイヌ民族について、何も知らないけれど、これから知りたい」方は、まず、この本を読むといいでしょう。
 アイヌ民族の衣食住、歴史、信仰、アイヌ語など、基本的なことが、ひととおり解説されています。
 文章は平易で、わかりやすいです。中学生以上なら、普通に読めるでしょう。図や写真が多いことも、理解を助けてくれます。

 参考文献や、アイヌについて学べる施設の一覧が付いているのも、いいですね。この本だけでもの足りなければ、これらの一覧を手がかりに、もっと学ぶことができます。

 以下に、この本の目次を書いておきますね。

ことば
 アイヌという言葉の意味
 アイヌ語はどこで話されていたか
 アイヌ語はどんな言葉か
 アイヌ語と日本語は関係があるのだろうか
 アイヌ民族はなぜ文字を持たなかったか
 身近にあるアイヌ語
 アイヌ語学習運動の現在

ひとびとのあゆみ
 アイヌ民族に歴史はあるか
 いつから日本の歴史に登場するか
 江戸幕府と松前藩とアイヌ民族の関係
 コシャマイン・シャクシャインの戦い
 アイヌ絵とは何か
 アイヌ文化の起源 ―北海道の歴史をながめてみる―

えものをとる
 狩猟と漁労と採集の生活 ―どんなものをとっていたのか―
 クマ猟にいどむ知恵
 シカ猟のくふうと技術
 川をのぼるサケをとる
 海獣猟のわざ ―キテのしくみ―
 アイヌの人々は農作物を作っていたのか

よそおう
 材料別にみる衣服の種類
 獣皮衣
 アットゥシ(樹皮衣)を織る
 草皮衣を作る
 木綿衣のいろいろ
 衣服の文様 ―刺繍文様や切伏文様―
 盛装のとき身につけるもの
 下着 ―モゥルなど―
 労働のときの衣服

たべる
 どんなものを食料としていたか
 食卓のおもなメニュー
 肉や魚などを生【なま】で食べていたか
 食料をどうやって保存したか
 日常と儀式による食事の違い
 食生活のメリット

すまう
 家のつくり
 家の内部 ―チセのしくみ―
 家の建て方 ―チセをつくる人々と儀式―
 家のまわりにあるいろいろな施設
 家とくらし ―チセでのくらしとしきたり―
 家の地方差

神々とひとびと
 神に対する考え方 ―信仰観―
 どのような神がいるか
 神と人間の関係
 「あの世」に対する考え方
 先祖の供養をしたか
 祈りに用いる用具 ―イナウ(木幣)とイクパスイ(酒捧箆)―
 クマ祭りとは何か
 クマのほかにも送りはおこなわれるか
 ほかにどんな祈りの儀式があるか

むらのしくみ
 家族の構成
 一夫多妻制は本当にあったか
 親族組織とその伝統 ―エカシイキリとフチイキリ―
 コタンとはどういう意味か
 コタンのしくみ

ひとの一生
 誕生
 成長
 結婚
 出産
 死
 葬儀

うたとおどりと遊び
 神へのおどり
 さまざまな楽器
 子供の遊び
 うたと口承文芸

より深く学びたい人へ――参考文献や見学できる施設
 民族誌
 アイヌ語
 歴史
 衣
 食
 住
 神々とひとびと 付 ひとの一生
 うたとおどりと遊び
 アイヌ民具を収蔵・展示している博物館・資料館
 アイヌ民族博物館の紹介



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