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生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る (幻冬舎新書)


生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る (幻冬舎新書)

 この地球上に、生命は、どうやって生まれたのでしょうか?
 誰でも、一度くらい、この疑問を持ったことがあるでしょう。
 本書は、この疑問に、答えてくれる本です(^^)

 最近の研究によれば、生命誕生の謎は、深海生物に秘められているようです。このため、深海生物を調べることは、生命誕生の謎を解くことへ、つながります。
 本書も、まず、深海生物調査の話から、始まります。

 生命が誕生した頃の地球は、現代の地球とは、まるで違う環境でした。地球の歴史を知らなければ、生命の歴史も、知ることができません。
 必然的に、本書では、地球の歴史も、語られます。

 生命が誕生する前に、さまざまな化学反応が積み重なって、生命の材料になる物質を作ってゆきました。まっとうな研究者なら、これは、否定しません。
 これについても、本書で、説明されています。

 どんなふうに、生体を形作る物質が作られていったのか?
 それらから、どうやって生命が生まれたのか?
 生命の誕生とは、この地球上で、一度だけ起こったことだったのか?
 最初の生命とは、どんなものだったのか?

 こういったことを、本書で知ることができます。

 本書は、理系の基本的な知識がないと、理解するのが難しいでしょう。特に、化学と地球科学の基本知識は、必要ですね。著者は、それらの知識があることを前提に、文章を書いています。文系の人は、読むのが苦しいと思います(^^;
 高校生以上に、お勧めの本です。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

第1章 生命の起源を探る、深海への旅
 春うららかなインド洋上で
 船舶会社並みのJAMSTEC
 海の底にある、暗黒の生態系
 「よこすか」での船上生活
 「しんかい6500」に乗り込む前の注意点
 小さな生き物がうごめく、深海底
 深海熱水活動の発見とその歴史
 など

第2章 地球の誕生と、生命の誕生
 地球は混沌から作られた
 原始の月はなぜ大きく見えるのか
 地球上で最も古い地質記録
 いつ最後の巨大隕石が衝突したか
 38億年前の地球最古の地層
 太古代初期は酸素と光がなくても化学反応が起きた?
 「軽い炭素の割合」が生命反応のカギ
 など

第3章 生命発生以前の化学進化過程
 生命とは何か
 丸山工作氏による生命の定義
 真空にも様々な生体分子が存在する
 ホモキラリティー問題
 太陽系の終わりと始まり
 がらくたワールド説
 火星で先に生命は生まれた?「パンスペルミア説」
 など

第4章 生物学から見た生命の起源と初期進化
 カール・ウーズの科学的成果
 リボゾームRNAの研究
 アーキバクテリア(古細菌)の発見
 すべての生命の共通祖先の存在
 惑星のエネルギーの使い方を知り尽くしている超好熱菌
 超人的超好熱菌研究者、カール・シュテッター
 日本を代表するアストロバイオロジスト、大島泰郎
 など

第5章 エネルギー代謝から見た持続的生命
 極めて多様な深海熱水活動
 熱水の作り方
 熱水は岩石から海水でとった出汁【だし】
 地質と生命を結び付ける熱水化学
 生命共同体を持続させるエネルギー
 エネルギー代謝とは何か
 エネルギーをATPに換える三つの方法
 など

第6章 最古の持続的生命に関する新仮説
 最古の持続的生命の生き残りはどこにいる?
 ハイパースライム仮説の発見
 超好熱メタン菌は、「かいれいフィールド」にいた
 ハイパースライムはどこにいる?
 水も漏らさぬ美しい仮説
 ウルトラエッチキューブリンケージ仮説の欠落点
 太古の超マフィック岩コマチアイト
 など

最終章 To be continued

あとがき
参考文献



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