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島留学から地域おこし協力隊へ。西ノ島で紡ぐキャリアと生活

自分の直感を信じて飛び込んだ島での暮らし。
1年半以上を西ノ島で過ごしてみての率直な思いとは?

島根県の離島、隠岐島前地域で大人の島留学・島体験に参加した皆さんの来島前・来島後、そしてこれからについてお届けする「私、島で働く。」

その卒業生版、番外編となる「卒業生は、今。」来島のきっかけから島での仕事・暮らし、自分自身の変化。そしてこれから思い描く未来とは。1人1人のストーリーをお届けしています。

野田さん 埼玉県出身
R4年度島留学生として西ノ島へ来島
島留学生の時から役場の観光定住課に所属

今回はR4年4月から島留学生として西ノ島に来島し、
大人の島留学生期間の終了後、「地域おこし協力隊」として活動する野田さんにインタビューしました。


新卒で就職し感じた違和感。自分の直感を信じて島留学へ

大学卒業後、IT企業に就職してエンジニアの仕事をしていました。
新社会人あるあるだと思うんだけど、「思っていたのと違うな」っていう感覚があって。
そこまで就活をちゃんとやったわけではないんだけど、まあ入社して何とかなるだろうくらいに思っていました。
でも想像していた働き方と違い過ぎて。
今の自分からはかけ離れているんだけど、真夏はブラインドを閉め切った、エアコンをガンガンかけた部屋でパソコンで作業をしていました。
自分でも「これ俺じゃないな」とは思いつつ働いていました。

元々、新卒の就活の時から「地方・まちづくり」の分野には興味があったんだけど、そこまでの熱量はなかったから結果としては違う業界に入った形だったんです。
ある時テレビで島留学のことを知って、面白そうだなって思って。
調べていく中で、「住む場所もあるし、自分だけじゃなくて何十人も同じ立場の人がいるのが心強いな」と思って飛び込みました。

島留学生主催のイベントで弾き語り

島留学生期間中の仕事は「これ」って決まっているというよりかは色々とやらせてもらっていて。
しまっこ(学童)や朝市に関わってもいたし、学生の時に海でライフセーバーをやっていたのがどうやら町の中で伝わったみたいで、小学校の着衣泳に参加したりもしました。

あと途中からはガイドをさせてもらいましたね。
元々自然が好きだし、来島したばかりの頃にしてもらった、西ノ島を巡るツアーがすごく面白くて。

それこそわくわく感が自分の内側から湧いてくるような感じ。

「こういうのもっと調べて自分で発信できたら面白いんじゃないかな」って思いました。
実際にガイドに同行させてもらうと、話し手の方の知識がすごくて。
「自分もこんなことできたらなあ」って思ってるうちに、何だかんだで気付いたらガイドデビューしていました(笑)
初めは中学校の修学旅行で、通天橋から摩天崖まで上がる道をガイドしながら歩きましたね。

他にも中学校の総合学習の一環で、観光に興味がある子ども達が活動する際のサポート役をしたりもしました。
大人の島留学生用のシェアハウスのDIYもしたし、お正月のしめ縄作りも。

今年度は地域おこし協力隊にはなったんですけど、引き続き役場の観光定住課に所属はしているので、昨年度からやっていることを進めたりもしています。
最近はあまりできていないけど、ガイドクラブの勉強会を開催してメンバー全体の知識の底上げや、活動の発信をしています。
6月からは観光協会に出向をしていて、窓口業務などお客様対応をしています。電話やメール対応だったり、宿や電動自転車の手配もしていました。

ガイドクラブ勉強会にて

充実した島留学生としての時間を経て、島に残る選択を

島留学生の時は同期6人が仲良くて「6人皆で」行動することもかなり多くて。
誰かひとりがごはんとかイベントに誘われたら、それを他の皆にも共有して参加するのが日々結構あった。
そういうのを通じて更に輪が広がっていって…っていう感じで。
合う合わないもあるし疲れたりもするけど、それはそれで楽しくて。

新しい物事や人とのふれあいが多かったんだよね。
今はそれがなくなったから少し寂しさがあるかも。
あとは去年経験したイベントでは、今年は2回目だからって任せてもらえる仕事もあったりして、そういう面では信頼してもらえる部分も生まれているのかなと思います。

島留学に参加する時は、周りを説得するためにも「島に行くのはとりあえず1年」って言っていたんだけど、自分の中では「良い場所で自分に合っていたら2、3年はいてみようかな」という気持ちがあって。
実際来てみてすぐに居心地の良さを感じたし、せっかく生まれた人との繋がりを1年で終わらせてしまうのは勿体ないと思って。
色々な方に良くしてもらったし、それを何かお返ししたいとも思ったし。
その辺りが島に残った決め手かな。
まだまだ隠岐のことを知らないからもっと知りたいなっていうのもあったし。

島で探検中

心が動いた西ノ島での出来事

観光協会あてに、たまに「何も分からないんです」っていう状態で連絡をくれるお客さんもいるんだよね。
ある時1時間を超えて電話でやり取りしてることがあって。
30分位経った時点で「おお!」ってなったんだけど、一生懸命やってたからそんなに時間が経っている感覚がなくて。
それでその方から「親身に考えてくれてありがとう、すごくイメージが湧きました」って言葉を貰えて。

そう思ってもらったなら良かったし、自分では長く話している感覚がなかったから、そんな自分にびっくりしたというか。
そこまでのめり込んでいたんだなっていうのに驚いた。
観光協会は色々な方が来るし、刺激的な職場でもあります。

仕事以外で印象深いのはじょんじょん太鼓。自分からやりたいです!って言ったわけではなく、「太鼓見に来ない?叩きなよ~~え、できるじゃん!じゃあ続けなよ!」ってとんとん拍子な流れで参加することになって。
メンバーはご高齢の方が多いんだけど、「あなた達が入ってくれたおかげで私達もまだまだ続けようって思える」って言ってもらえたり、イベントで披露した際にも見てくれた方が「若い人が入って良くなったね」って言ってくださることもあるらしくて。
好きでやっているだけなのに、そういう風に感謝してもらえるのが嬉しいというか、不思議な感覚なんだよね。

「いかあ屋夏祭り」でじょんじょん太鼓を披露

1年半を過ごした島への思い

自分の場合は島に来てから地域創生とかに関わる仕事を知ったので…自分の新卒の就活は甘々だったなと今となっては思います。
それこそ最近も企業主体で移住ツアーとかが西ノ島でも開催されたりもしているんだけど、そういうの知らなかったし。

出張でセミナーに参加して、そこで企業が自治体と手を組んで地域を盛り上げようって取り組みも色々とあるんだなっていうのを学んだりも。
選択肢っていっぱいあっだんだなって気付きました。

それから、西ノ島には仕事終わりに車を少し走らせれば大絶景をみることができて、リラックスして少年の気持ちに戻れる場所がいっぱいあるなと。
自分は夕日や星空、探検とかも好きなので。
だからここに来れたのは本当に良かった!

これからのことは正直どうするか決めていないんだけど、もし来年度も残るなら引き続き観光の現場第一線で働きたいなとは考えています。
大それた計画とかはなくて、現場で求められることをその都度やっていけたらなと。
そういう風に進めていけばまた何か見えてくるんじゃないかなと思うので。

島留学に興味のある方へメッセージ

自分に合う環境だったのと、仲間が良かったっていうのはたまたまかもしれないけど、島留学の制度は個人的にすごくいいなと思っています。
一人じゃないのがまずいいし、同世代で同じ志をもった人がいるのは安心感があると感じます。それに島には構ってくれる人も多いので助かります。
住居も用意されているし、家賃・水道光熱費、Wi-Fiなどに費用もかからないのも魅力だし、自分もその恩恵はすごい感じました。

島留学生の同期の中には、海士町の学習センターで働きたい!って明確な目的がある人がいる一方で、海外留学に行けなかったから、っていうきっかけで来てた人もいたし。
「これがやりたい」っていうのはあってもなくてもいいと思います。

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