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ヴァレンタインチョコレート、何の糖を使うと良いか?

糖の種類

ボンボンショコラや生チョコレート、使用するチョコレートや配合によってはチョコレートに含まれる糖で事足りる場合もあります。

糖には甘味や風味の付与といった目的から、水分活性値を下げたり保存性を高める目的、また滑らかな食感を付与する目的まであります。

一歩踏み込んでプロ寄りの視点からチョコレート作りにおける糖を整理してみます。



ショ糖

一番メジャーで一番使われる「ショ糖」。
化学的には「スクロース」。
ブドウ糖と果糖が結びついた二糖類と呼ばれる糖。
甘味度はこのショ糖が基準値にされがちです。
ですので、甘味度100%!

ショ糖の性質を用いたお菓子で「フォンダン」や「プラリネ」、「飴」などありますが、
それらは、ショ糖の「結晶」という原理を用います。
要は、結晶化しやすい糖です。
結晶化しやすいということは、条件がマイナスに働くと滑らかさを損なうリスクもあります。
食感などをプラスに押し出したい場合は大きな力を発揮してくれるショ糖、シチュエーションに応じて配合量の考慮や選択が必要ですね。

糖なので保存性も高めますし、自由水を奪う事で水分活性値も下げる働きがあります。


水飴

水飴はデンプン由来の糖です。
ブドウ糖、麦芽糖、デキストリンの混合物です。

乾燥とは別に、結晶化して固まった水飴は見たことが無いと思います。
要は、結晶化しない滑らかな糖という事です。
滑らかな糖という事は、チョコレートに用いた際にも「滑らかさ」を付与してくれる糖です。
また、その性質から、艶やテリを付与する性質もあります。
甘味度はショ糖に比べ低く、30~65%です。


転化糖

チョコレートによく用いられる転化糖。
現場では「トリモリン」と呼ばれます。
ショ糖は「ブドウ糖と果糖が結びついた」、とありましたが、それを分解したものが転化糖です。
転化糖も結晶化せず、吸湿作用が非常に高いのが特徴。
また、甘味度が110~125%なので、保存性などを考えなくて良いシチュエーションならば、糖としての配合量を減らす事が可能です。


蜂蜜

蜂蜜は自然の転化糖です。
トリモリンとの違いとしては、固くなってしまった蜂蜜を見た事があるかと思います。
あれは衝撃や低温などの刺激で核を中心に結晶化しますし、時間経過でも結晶化していきます。
蜂蜜を用いる利点は蜂蜜の香りの付与です。


ソルビトール

実はプロには多く用いられるソルビトール。
ブドウ糖を原料とした糖アルコールで、吸湿作用が非常に高いため、日持ち効果の期待で使われる糖です。
甘味度は50~70%。



またその他に目的に応じ、黒糖などのミネラルを含む精製度の低い糖を用い風味やコクを付与するといった事も考えられます。

最終地点(目的)がどこなのか、優先順位は何なのかで、糖の選択や配合バランスを考えられれば良いですね。

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