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いま、災害が起きたらどうします?

お盆の時期だというのに、1週間くらいひどい雨が続いています。
各地での被害情報も毎日報道されており、聞くたびに辛い気持ちになります。
被災した方々に安心して暮らせる日常が戻ることをただ願うばかりです。

災害を考えよう

私はいま、名古屋に住んでいます。
東南海地震は今後30年以内の発生確率が50%らしいです。
(20年前から言われていますが、、)

生き延びるためにはいつか起こる"その日"への備えは必須です。
災害を考えるうえで非常に興味深かった本を2冊ご紹介します。

古文書から天災に備える

古人からの伝承をはないがしろにできません。

岩手県宮古市の姉吉集落の「此処よりしたに家を建てるな」の石碑のお話。
明治29年、昭和8年に集落を大津波が遅い、壊滅的な状況になりました。
未来の人に向けて、上のような石碑をいくつも建てたそうです。
そして、伝承を守った姉吉集落。2011年3月11日の東日本大震災では集落の住宅・建物の流出はゼロだったそうです。

このように、事実をもとにした伝承は防災を考えるうえでは非常に有効な気がしています。

実際に、古文書に書かれている事実をもとに災害を研究されている方がいました。
武士の家計簿で人気を博した磯田道史先生著作です。

この本で紹介されている古文書は、役所による公文書ではなく武士などによる日記の記録が多く、一人称で語られています。地震が起きる予兆や地震が起こった際の行動、または備えておかなければいけないもののヒントが多く述べられています。

日本史の転換点は実は地震が関係していた?!という事例も紹介されており、教科書では得られないような知的好奇心を満たす書物としては価値が高いです。800円で買えるのは破格のお値段だと思います。

また、1707年に起こった富士山噴火時が国民生活に与える影響や、100年に1回の頻度で起こる南海トラフ地震による津波の到達地点を事実ベースで知りたい方は必見の本です。

過去に起こった災害を古文書の記録と科学的知見から検証するアプローチは抜群に面白いです。ぜひ読んでみてもらいたい一冊です。

スクラップ・アンド・ビルド

地震や津波によって壊された街並みを造り替えてきた私たち日本人には、昔からずっと続く街並みはありません。
(一部の例外として、旧宿場町として保存されている景観はあります。)
一方、ヨーロッパは滅多に災害は起こりません。人間が意図的に手を加えない限り街並みは変わりません。
地震の起きないヨーロッパの構造物に対する強度計算は日本のそれに必要な安全率と比べてとても小さいので、施工費は安くデザインもスタイリッシュに見えるメリットがあります。

これを理解するために読むべき本があります。
ここ5年に読んだ本の中でダントツに面白かった本です。

「日本は災害死史観で大陸の人々は紛争死史観である」と紹介しています。
文化や民族風土の違いはこの史観が大きく関係しています。

「国土に働きかけることによって、はじめて国土は恵みを返してくれる」と提唱する著者は、元国土交通省の官僚出身です。
災害の頻発する日本ではインフラ投資を止めてしまってはいけない。という意見には私は大きく賛成です。
民間企業でない行政に対して「無駄なお金を使うな」という一部(大勢?)の主張はナンセンスです。民間でやれないから行政が赤字で行う。緊急時の時に備えたインフラや道を整備は安全保障の観点で重要です。

そのほか、以下のトピックスも紹介されています。全ての事項への理由が説得力を持っていて、読了後の納得感が強いです。

・ルール化が得意な言語、と感情表現が得意な言語とは?
・なぜ、大陸文化は個の力が強く、日本文化はチームワークが強い?
・街中で交通弱者に親切なのは大陸文化?日本文化?
・英語にはなぜ殺戮を表す単語が多い?
・なぜ、日本は大陸文化を共有できないか?

また、コロナ禍をめぐる各国行政の対応を異なる死史観を使って解説しています。災害に慣れているはずの日本人が、なぜか災害に無頓着なのは皮肉ではありますが、、

ぜひ一度読んでおかれることを強くオススメします!

まとめ

いま、災害が起きたらどうしますか?

・家族で集合場所をあらかじめ決めておく
・交通インフラが止まって家に帰れない想定をしておく
・防災グッズを揃えておく

ことが重要です。
また、過去の災害に学んで将来に生かすことも同じくらい重要です。
用心に用心を重ねて損はないな、と思った次第です。

またどこかで私の防災グッズの話をしたいと思います!

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