考えすぎのコピー

【徹底比較】昼寝で”だるい”はもう古い?昼寝後のだるさ吹っ飛ばす方法。

ハイライト
・昼寝でパフォーマンス上がるけど、それだけじゃ不十分
・昼寝後のだるさはカフェインや光で対策セヨ!

お昼ごはんを食べた後は満腹感で幸せな気持ちになりますが、そのせいで午後は”眠く”なったり、”だるさ”が出てきてしまいます。誰しもがそうだと思います。生理学的にも、ご飯を食べたら体にエネルギーを蓄える為に副交感神経が刺激される為、眠気が出てくるのはごく自然な現象です。

そんな”つらーい午後の眠気”を覚ますためには、「昼寝」をするのが一番良いことは、仕事のパフォーマンスを考えている人なら常識です。昼寝したら午後の仕事の効率上がるよ~って話、聞いたことありませんか??

実際に1999年の研究でも、20分程度の昼寝を行うことで、昼間やシフト勤務中のパフォーマンスが向上することが分かっています。

しかし、昼寝しても”だるさ”は0にはならないですよね。私も昼休みは20分くらいは昼寝をします。でも昼寝後はめっちゃだるい。寝なきゃよかったんじゃない?という位だるくて、「あぁ、早く帰りて~」と思ってしまった経験は一度ではありません。そんな時はコーヒー飲んだりして頑張ろうとしてみたりしますが、起きてから1時間くらいは眠くてしょうがない。

『寝ても寝なくてもダメとか詰んでるやん...』と思うのはちょっと早かったようです。ちゃんとスッキリ目覚める方法がありました。

今回は、広島大学が2003年に行った研究を参考にして『昼寝後のだるさを吹っ飛ばすための最適解』をご紹介していきます。


昼寝後のだるさ吹っ飛ばすための研究とは!?

今の段階で、昼寝で”だるい感覚”や、”午後のパフォーマンス”が改善することは既に明らかになっています。その上で、研究チームはスッキリ目覚める方法とはいったいなにか?を過去の研究結果などから見つけ出しました。すると、

①:カフェインを摂取する
②:明るい光を浴びる
③:顔を洗う

この3つの方法が見つかりました。今回はその効果を見ていきます。まずはそれぞれの方法の特徴を簡単にまとめていきますね!

①カフェインを摂取する

確かにカフェインには中枢神経を興奮させる効果があります。それによって眠気を覚まして集中力がアップする効果があるとされています。飲んでから20~120分程度でピークに達するため、昼寝前に飲めば、昼休みが終わるくらいの時間に効いてきます。まさに昼寝にピッタリな成分に思えます。


②明るい光を浴びる

最近、こういったタイプの”光”目覚まし時計が流行っているのをご存知ですか?この商品は、”やかましいアラーム音”ではなく、”自然な光””気持ちよく目覚める”というコンセプトを掲げたスマートライトです。

実際に、2000ルクスの明るい光を浴びることで、眠気をもたらす神経伝達物質「メラトニン」の分泌を減らすことが出来ることが明らかになっています。メラトニンが出っぱなしの状態で無理やり体を起こそうとしても、脳が寝たまま体を動かすという状態を引き起こしてしまうため、過度なストレスや仕事のパフォーマンスを下げてしまうことと思われます。


③顔を洗う

私たちはよく眠気を覚ますために顔を洗います。実際、冷気や水などの冷たい刺激はわずかな時間でも眠気を吹っ飛ばすのに有効だとされています。


眠気・だるさ・ミス確率を調べる。

これまで眠気覚ましに試されていた方法は、今ご紹介した”カフェイン”、”光”、”洗顔”の3つが主な方法でした。そこで、研究チームは睡眠不足でも、寝すぎでもない大学生を集めました。その中には極端な朝方や夜型の人がいないことを確認し、それぞれの方法を試してもらいました。その上で、

・昼寝無し
・昼寝だけ
・昼寝の後に洗顔
・昼寝の後に強い光を浴びる(2000lxを1分間)
・昼寝の前にカフェインを200mg摂取してもらった

この5つの方法を試してもらって、「昼寝後の眠気・だるさ・ミスをする確率」を調べました。昼食をとった25分後に昼寝してもらうようにスケジュールを組みました。昼寝は全て15分。カフェイングループ以外には、ノンカフェインコーヒーを飲んでもらうことで、プラセボ効果を取り払っています。良い研究デザインですね!

昼寝後に眠気が少なく、だるくもなく、仕事のミスも減る場合があれば最高です。結果はどうだったのでしょうか??


昼寝の後の眠気を吹っ飛ばす最適な方法とは!?

眠気が終始上がらなかった方法は”カフェイン””明るい光”でした。この2つはマジですごいです。昼寝無しだと起きてから30分後をピークに急激に眠気がアップしていくのですが、この2つは眠気がほとんど上昇しないようです。

一方、顔を洗ってもその効果はわずか15分ピークに減少し、徐々に眠気が増加していきました。

昼寝だけした場合も、昼寝無しの時よりは眠気を抑えることが出来ているので、何もしないよりは良いかな~といった結果です。


”だるさ”を吹っ飛ばす最適な方法とは!?

”だるさ”に関しては、カフェインの一強といった感じです。

眠気ではあれだけ良い効果を叩き出した明るい光ですが、だるさに関してはカフェインに一歩及ばず。15分以降はパッとしない効果です。洗顔もあまり明るい光と大差なく、カフェインほどの効果はありません。

相変わらず、ただの昼寝は寝ないよりはマシといった効果ですね。


午後からの仕事のミスを減らす最適な方法とは!?

ミスを犯す確率も、やはりカフェインが低いですね。

明るい光も結構いい感じで、昼寝後1時間をかけてミス確率が下がってくることを考えるとなかなかにいい感じですね。洗顔と昼寝だけする方法は、相変わらずパッとしない結果でした。


結局、昼寝後はどんな方法を取るのが一番いいの?

・昼寝"前"にカフェインを200mg飲む
・昼寝から起きたらわずか”1分”外に出て光を浴びる

私のオススメは、この2つの方法を”一緒にやる”事です。どっちかでも良いですが、この2つの方法はお互いに相乗効果を発揮すると考えられるからです。

カフェインの効果は中枢神経を興奮させ、眠気を吹き飛ばす効果でした。そして、光を浴びる効果は眠気を制御しているメラトニンという神経伝達をコントロールすることです。ここで大事なのは、”カフェインは直接メラトニンをコントロールできる訳ではない”ということです。ですから、カフェインをとると同時に光も浴びる。それが重要だと考えています。


ところでカフェイン200mgってどうやって摂ればいいの?

個人的にはサプリがオススメです。例えば↑のカフェインプロなら200mgが200錠入っていますから、1回分は”9円以下”で飲める計算になります。

サプリは嫌だな~という方には、缶コーヒーでも良いのですが、結構致命的だと思う点が1つ。それは、400mLのロング缶を1本まるまる飲まないと、カフェイン200mgに到達しないんですよ...1本普通に100~160円くらいしますから、サプリに比べるとコスパ悪いし大変だしという感じであまりお勧めできないですね。もちろん、コーヒーポリフェノールなどの体に良い成分を摂取できるので、悪いことばかりではないですが...

ちなみに注意点を挙げておくと

・無糖はOKですが、微糖は効果が無いかもしれません
・エナジードリンクはやめときましょう
・妊婦さんは絶対NGです
・夜寝るときにはカフェインは控えましょう

というのも、昼食後に糖分をプラスするのは、血糖値を異常に高めて糖尿病の発生リスクになる為危険です。さらに、眠気もそれによって助長されてしまう可能性があります。

妊婦さんは赤ちゃんへの影響を考えなきゃいけないので、1日のカフェインの最大摂取量は200mg未満にするべきですから、昼寝の後スッキリ目覚めたい場合は光を浴びるだけにしておくことをオススメします。


最後に、あくまで昼寝の後にスッキリ目覚める方法としてカフェイン摂取をオススメしたのですが、夜眠る前に摂っちゃうと睡眠途中で半覚醒状態になって、睡眠の質が低くなります。夕方~夜は絶対推奨できないので、ちゃんと区別して使いましょうね。


睡眠は奥が深い。もっと効率的に日常生活に活かす方法は無いの?

誰しも、人生の1/3はベッドで過ごしています。

おそらく、趣味や他の活動時間に比べて圧倒的に長いのが睡眠時間です。睡眠時間が短ければ体も脳も病気になります。実際、6時間以下の睡眠が10日続くと、1日徹夜した時と同じくらい脳の機能が落ちてしまいます。しかも、この脳機能の低下は”自分では気づくことが出来ない”という最悪の特徴を持っています。

にもかかわらず、睡眠時間を適当に考えている人があまりにも多すぎます。根拠が薄っぺらい他の本とは違い、睡眠に関する最新の科学研究に基づいた驚くべき内容が書かれている本です。著者はカリフォルニア大学教授のマシューウォーカー氏ですから当然かもしれません。睡眠学で一番稼いでいるのではないかとも目される彼が考える、”睡眠”の概念をたった1冊の本にまとめてある本です。正直、他の睡眠本の何冊分も、科学的には価値があると思います。睡眠を大切にしたいと考える賢いヒトは、読むべき本でしょう。



引用

Hayashi, Mitsuo, Akiko Masuda, and Tadao Hori. "The alerting effects of caffeine, bright light and face washing after a short daytime nap." Clinical Neurophysiology 114.12 (2003): 2268-2278.

Vallat, Raphael, et al. "Hard to wake up? The cerebral correlates of sleep inertia assessed using combined behavioral, EEG and fMRI measures." NeuroImage 184 (2019): 266-278.

私の記事は、ほとんどが無料です。 それは、情報を皆さんに正しく、広く知っていただくため。 質の高い情報発信を続けていけるよう、 サポートで応援をお願いします。