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朝4時に起床して、煉獄篇の映像を撮影しに出かけた。

切り立った崖。荒々しい大谷石採掘場はダンテの『神曲』煉獄篇を彷彿とさせる空間だ。

大谷石は軽石凝灰岩で、栃木県宇都宮市北西部の大谷町付近一帯で採掘される石材である。柔らかく加工がしやすいことから、古くから外壁や土蔵などの建材として使用されてきた。※1
かの建築家フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルの設計につかったことでも有名である。

20代の頃、この大谷石採石場の空間を雑誌でみて、その神話的空間に魅せられた。今日は、その場所に朝6時に撮影スタッフが集まった。朝日がのぼる前の浄化された時間をカメラにおさめたかったから。そのピンと張り詰めた空気と荒々しく切り立った崖が美しい。やはりこの時間に来てよかった。

愛を誘う美しい明星が
東の空にきらきらと満面の笑みを浮かべて
のちに従う双魚宮の星の光をおおっていた。
※煉獄篇・第一歌

詩人のT・Sエリオットは、「ダンテとシェイクスピアは、近代世界をふたりで分け合った。三人めはいない。」とその著書で書いたそうだ。※2
この大変な叙事詩をテーマに絵を描くことは、無謀な試みかもしれないけれど、だからこそ面白い。

わたしは、歌おう、人間の魂が浄められて、
天に昇るに相応しくなるこの第二の世界を。
※煉獄篇・第一歌

不思議なご縁でたどりついた宇都宮のこの地で、これから一年半かけて大作を描くことにする。映像は、ただいま編集中。ぜひご期待ください。


※1   wikiより
※2 世界の教養365より引用


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