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「2人だけのLINEグループ、何個もあります。」夫婦間のコミュニケーションを円滑にする、LINE活用術とは

元気でなにかに熱中している、自立した人間になってくれれば───。


父親と母親、それぞれが子に対して願うことって、基本的には大きく変わらないはず。

にもかかわらず、2人で「子の未来」について語り始めると、なぜか大きくすれ違うそれぞれの意見。

この相違を、単なる「男性と女性の考え方」や「普段子どもに接している時間」などの違いで片付けるのではなくて、できればそれぞれが持っている情報をもとに、建設的な議論をしていきたい!


ということで、今回お話を聴かせてくださった有限会社エキストラの代表・角本 拓也(かくもと たくや)さんのご家庭では、2人だけのLINEグループを複数駆使して、夫婦間での潤滑なコミュニケーションを実現しているとのこと。

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パパ経営者に、事業と子育ての両立について尋ねる、パパスマイルBLOGの連載企画、第7回。

角本さんとの対談相手は、日本で唯一のベビーテック専門メディア「Baby Tech」の運営や、育児系IT商品サービス総合コンサルティング事業などを行う、パパスマイル代表の永田です。6歳の娘さんの育児にも、奮闘の日々。

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経営者という多忙な役割を全うしつつ、どのようにしてお子様との時間を確保しているのかや、お子様が生まれたことによる仕事観への変化、そして夫婦間の円滑なコミュニュケーションの秘訣など、角本さんにたっぷりと語ってもらいました。

(インタビュアー:パパスマイルBLOG編集長・藤本けんたろう)


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角本 拓也(かくもと たくや)さん。1985年生まれ。有限会社エキストラ代表取締役。新卒から計3社のキャリアを積み重ねるなかで、広告計測ツールのセールスや、ソーシャルを主としたゲームアプリのマーケティング責任者として活躍する。その後、2016年2月よりChatwork(チャットワーク)株式会社へ、新規事業立ち上げメンバーとして参画。プラットフォーム事業、広告事業の立ち上げに責任者として従事する。2019年4月より、創業者だった父親を継いで現職。


「教室では学べない授業だ!」と平日からキャンプへ

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──角本さんは普段の生活のなかで、仕事と子育てをどうやって両立させていますか?

角本
「経営者」っていう職種柄、時間の融通は効きやすいので、平日でも子どもとの時間を確保するようにはしていますね。

たとえば子どもが熱を出したから、午前中に病院へ連れて行って午後から出社するとか、それこそ社長をやってると、他の職種の方よりも会食が多いので、それで家に帰るのが遅くなった日は、翌日の午前を休みにして子どもと遊ぶとか。自分で言うのもなんですけど、わりといいパパができているんじゃないかなと思ってます(笑)

──会食が多かったり、時間の都合をつけやすかったりっていうのは、経営者ならではのライフスタイルかもしれませんね。

角本
ただ、ぼくに限らず社員のみんなに対しても、働き方はけっこう自由にしてもらっていますね。やっぱり、自分の父がずっと自営業で、家にいる時間が長かったのは大きいです。

というか、父の家にいる時間が長すぎて、自分の家はずっと貧乏だと思ってました(笑)。周りの友だちが持っているような、高いものやゲームも買ってもらえなかったですし。

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──角本さん、別記事のインタビューで「ポケモンを買ってもらえなかったことが、起業のひとつのきっかけ」っておっしゃってましたもんね。。。

角本
ただその代わり、キャンプなんかにはよく連れて行ってもらってました。「教室では学べない授業だ!」と言って、平日に学校を休んで連れ出されたこともあります。

その影響もあって、自分もいま2歳半の息子とは平日に出かけることが多いですね。週末はやっぱり、どこに行っても混んでるので。仕事に関しては、リモートワークもOKなので合間に対応してます。

永田
そうですよね。ぼくも家族でテーマパークへ行ったとき急な仕事が入って、娘と妻にパレードを観てもらっている間、車へ戻って仕事をしたことがありました。


「おれ自分のこと、めっちゃくちゃ大好きだしなー!」

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──角本さんは、お子様が生まれたことによる、仕事観の変化ってありましたか?

角本
ありますね。極端な話、結婚して子どもが生まれる前は「金を稼げりゃなんでもいいや!」と思ってたところもあったんです。ただ、いまは将来息子が大きくなって父親がやっていることを理解できるようになったときに、胸を張れるような仕事をしたいなと思っていますね。

永田
いまは小学校で、親のことをネットで調べるって授業があるらしいです。あと、保育園の先生も園児の親について検索することがあるみたいで、このまえ、保育園の先生がぼくのところにスッと近寄ってきて「HP拝見しました。永田さん、会社を経営されてたんですね...!」って言われました(笑)

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──経営者をやってると、他の職種の方よりメディアでの露出も多いから、調べたらすぐに分かりますよね。

角本
だから胸を張れる仕事っていうことで、いままでエキストラの主軸事業のひとつだったSES事業(※エンジニアの派遣サービス)について、息子が生まれたタイミングでいろいろと考え直しましたね。

いまのやり方だとわざわざ自分がやる意義が小さいなとか、もっと人のためになる形で事業をやりたいなとか。結果的にいまは、SES事業を「キャリア支援」という軸にシフトさせてます。

──具体的には、どういう形に事業を変えたんですか?

角本
いまはまず未経験に近いエンジニアをエキストラで正社員として雇用して、いくつかの現場を経験してスキルをアップしてもらったあと、フリーランスとして送り出してます。

いままでは、もうすでにフリーランスのエンジニアさんに会って、いきなり案件を紹介して派遣する、みたいな流れだったんですけど、もっとその人の人生に寄り添えるような形でやりたいなと思って。

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──お子様が生まれたことによって、大きく考え方が変わったんですね。

角本
「この子のためならいつでも死ねる!」ってみんな言うけど、本当なのかなあ?と思ってたんです。「おれ自分のこと、めちゃくちゃ大好きだしなー!」みたいな(笑)。

でも生まれたらやっぱり、死ぬまでに子どもに何を遺せるかとか、どう子どもに紡いでいくかとかってことを、自問自答するようになりましたね。

永田
ぼくも子どもが生まれなかったら、いまのベビーテックに関わる事業は絶対にやってないですね。以前はほぼフリーランスのような形で、いろんな会社のブレーン的立ち位置として、主に企画やプロデュースをやっていたんです。

ただ、子育てをしていると、親や子どもを取り巻く日本の社会制度や風潮に対する問題点というか、現状としてこれはマズイよねっていうことが、たくさん見つかって。これは自分で事業を立ち上げて課題を解決しなきゃということで、パパスマイルを創業した側面はありますね。


子どもの将来について真剣な議論をしようとしたら、妻から子どもの写真が大量に・・・

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──ここまでは角本さんとお子様との話を中心に伺ってきたんですけど、次に角本さんと奥様との夫婦間でのやり取りやルールなどで、なにか工夫していることはありますか?

角本
ぼく、妻と2人だけのLINEグループが、何個もあるんですよ。このやり方は、うまくいってるなと思ってます。

複数のグループは、それぞれ「子どもが関係しない、夫婦間だけのやり取りをするグループ」とか「子育てに関する記事をシェアするグループ」とか「ぼくの仕事観・人生観を伝えるグループ」とかって感じに分かれていて。

──2人だけのLINEグループを同じ人と何個も作るって話は、はじめて聞きました...!

角本
元々は1つの個人LINEだけでやってたんですけど、妻がぼくに対して一方的にメッセージを送り続ける、みたいな形になっちゃってた時期があったんですよね。

ぼくが仕事が忙しくてなかなかLINEを見れない間に、妻がどんどん情報を送ってくるって感じで。ただ、それだけメッセージが溜まると、最初のほうのメッセージって埋もれちゃうこともあるじゃないですか。

しかも最初と最後で全然違う話題だし、妻も妻で送りっぱなしでそのまま忘れちゃうってことがあったので、ぼくのほうからいまのやり方を提案しました。

永田
それ、すごく面白いですね。周りのご家庭の話を聞いていると、夫婦間でコミュニケーションがうまくとれないってことが、よくあるんですね。

ぼくはそれを解決したいなと思っていて、いま着手しているのは「AI執事」のようなものを開発して、お互いの意図が正確に伝わるよう、夫婦間の仲立ちをしてもらうというもので。

ただ、そのときにやっぱり議題が入り乱れると混乱してしまうので、どうしようかなと思っていたんです。

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角本
ぼく、妻からよく「何を考えてるのか分からない」とか「本当に子どものことについて考えてるの?」とかって言われてたんですけど、おれけっこう考えてるからね!って(笑)。

ただ、1つのグループで全部の会話をする以前のやり方だと、たとえばぼくが育児に関する記事のURLを送って、そこからその記事に関する話をしようと思っているときに、向こうから子どもの写真が10枚くらい一気に送られてくることもあるんですよ。

そしたらもう、記事に関する話が流れちゃうじゃないですか。あとは見返すときにも、テーマ別に分かれているのは良いなと思いますね。

永田
そうですよね。いやー、きょうは本当に良いヒントをいただきました。

角本
もしこれでパパスマイルさんがすごいAI執事を開発して大ヒットしたら、アドバイス料をいただきますね(笑)

永田
そのときには、たくさんフィーをお支払いいたします(笑)


編集後記

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あくまでも一般的な話ですが「女性は感情で、男性は論理で話す」って、言われることがあります。角本さんのご家庭でも、奥様が「子どもにこんな習いごとをさせたい」って言ってきて、角本さんが「どうして?」と聞いたら「周りのお母さんが言ってたから」ということが、多々あったそうです。

そこを角本さんは、記事本文にも出てきたLINEグループの使い分けだったり、あとは家にホワイトボードを導入して、夫婦間での議論の進捗を図示し、整理することに使ったりしているとのことでした。

「なんで論理的な議論ができないんだ...」と嘆くのではなく、「どうすれば建設的な議論ができるのか?」を考えて実行されている角本さんご夫婦のやり方は、いろんなご家庭でも参考にできることがありそうだなと、とても勉強になるインタビューでした!


角本さんが経営されている、有限会社エキストラのHPはコチラ↓


本連載企画を行う株式会社パパスマイルが運営中の、日本で唯一のベビーテック専門メディア「Baby Tech」のサイトも、ぜひ見てみてください!


▼これまでの対談記事一覧
第1回 【パパ兼経営者の二刀流ライフ】子育てして、親育てされて。父親になって、経営者としても成長できた
第2回 ロボット世界大会最年少出場で入賞、孫正義育英財団3期生の息子を育てたパパ経営者が、社会に描くビジョン
第3回 ベトナムで2人のお手伝いさんと共に3人の子育てをするパパ経営者からみた「ここがヘンだよ日本の子育て」
第4回 キャリアの専門家は、子育てもプロなのか?返ってきた答えは「たぶん上手くいかない(苦笑)」
第5回 みんなの魅力を発見し「プロデュース」!人の魅力を届けるため、YouTuberやECサイトを手がけるパパ経営者
第6回 「仕事と育児のバランスは9:1くらい」なパパ経営者が、社員とその家族の分まで健康診断の費用を全額負担する理由


執筆/写真 藤本けんたろう

最後まで読んでいただきありがとうございます! コーポレートサイト( https://www.papasmile.jp/ )と メディア『Baby Tech( https://babytech.jp/ )』も、ご興味ある方はぜひ覗いみてください!