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【世界に誇れるメイドインジャパン】海外と比べた際の、国内ベビーテック商品の強みとは?

「ベビー(赤ちゃん)」「テクノロジー」を組み合わせた造語「ベビーテック」

子育てや教育にもテクノロジーを活用しようという動きは、徐々に活発になってきているものの、やはりまだまだ課題もあります。

その1つが「たくさんあるベビーテック商品のなかで、自分の子どもにあったものがどれなのかわからない」ということ。

かといって、気軽に「いろんな会社の商品を買ってみよう!」とできるほど、単価が安いわけではありません。

そこで求められるのが、数あるベビーテック商品のそれぞれの特徴を把握し、そして優れたものを見極める”目利き”です。

そういった課題を解決するために、先日パパスマイルが開催したのが、優れたベビーテック商品を表彰する『BabyTech Award Japan 2019』

ということで今回は、本アワードの審査員長も務めたパパスマイル代表の永田に、BabyTech Award Japan 2019を通して感じた「世界と比較したときの国内ベビーテック商品の強み」について聞きました!

(聞き手:パパスマイルBLOG編集長 藤本けんたろう)


――早速ですが、BabyTech Award Japan 2019の審査を通じて感じた、国内ベビーテック商品の強みはなんですか?

永田:1番の強みは、集団保育の分野です。例えば、午睡(お昼寝)チェックをサポートする商品に関しても、使用する想定シーンが「家」ではなくて「保育園」なんですね。家で親がどう使うかというよりも、保育園で保育士さんがどう使うかということを考えられたベビーテック商品のほうが、充実しています。

あと他の例で言えば、親御さんと保育園とのコミュニケーションツールを、連絡帳のような紙媒体ではなくて、オンライン上でできるようにしたアプリもたくさんあります。共に育てると書いて「共育(きょういく)」と読んだり、協力して育てると書いて「協育(きょういく)」と読んだりするなんて言葉があるんですが、親御さん側と施設側との連携をスムーズにするようなサービスも、どんどん出てきていますね。

――日本でそういった集団保育分野のベビーテック商品が充実しているのには、どういった背景があるんですか?

永田:子育て環境の違いですね。例えば「Baby Tech」って言葉が初めて使われたアメリカだと、ベビーシッターは高校生がお小遣い稼ぎのためにやるアルバイト、みたいな位置づけでもあるんです。なので、最近は日本でもいろんなベビーシッター派遣サービスが出てきましたが、アメリカだとそれ以上にみんな気軽にベビーシッターを呼びます。そのあたりの子育てに対する考え方の違いが、日本で集団保育分野のベビーテック商品が多い要因のひとつかなとは思います。

永田:あとはやっぱり、ベビーテック商品って、基本的に単価が高いんですね。まあこれは、ベビーテック商品に限らず、デジタルデバイス全般に言えることでもあるんですが。それに幼児は大人以上に個人差が大きかったり、成長が早くてひとつの商品が使える期間が短かったりして、親御さんが個人で買うには金額的な面での負担がかなりあります。

なので今後の市場的な観点で言うと、まずは保育園などの施設で使われて、効果が実証されたものから個人向けに展開されていくという流れになっていくんじゃないでしょうか。いま、保育園などの施設がベビーテック商品を導入する際には、国や県などからいろんな補助金が用意されているので、それによって金銭的なハードルが下がっていることも追い風になっています。

――他になにか、国内ベビーテック商品の強みはありますか?

永田:あとは、複数の子育て業務を、統合して1つのアプリケーション上で管理できるようなプロダクトは、海外よりも日本のほうが2歩3歩ほど進んでいるなと感じましたね。欧米だと、1つのアプリケーションは1つの子育て業務に特化しているというものが多いです。午睡チェックはA社の商品を使って、授乳記録はB社のサービスを使うみたいな。

でもそこで例えば日本の『hugmo(ハグモー)』さんなんかだと、『hugnote』『hugphoto』『hugselection』『hugloction』『hugsafety』といった複数のサービスを『hugmo』という1つのクラウド上で管理しています。こういった各機能を統合的に展開するような商品は、日本のほうが進んでいますね。

BabyTech Award Japan 2019「安全対策部門」で大賞を受賞した、マット型呼吸センサー『hugsafety』

永田:ただ現時点ではたしかに、国内ベビーテック商品のような、1つの会社のサービスで複数の業務をワンストップで管理できる展開の仕方は、非常に利便性が高いです。しかし、今後の海外サービスの展望としては、各社がそれぞれ得意分野のプロダクトで集めたデータを、企業の壁を超えてオープンなフォーマット上で相互利用できるような流れになっていくと思います。そうなると、日本と海外、それぞれのサービス展開にそれぞれの良さが出てくるので、それはそれで面白いですね。

――海外と比較したときのいまの国内ベビーテック商品の強みは、子育て環境の違いによる集団保育向けの分野と、複数のサービスを横断的に1つのアプリケーション上で使えるようなプロダクトってことですね。

永田:たしかに「Baby Tech」という言葉の発祥はアメリカですが、今回BabyTech Award Japan 2019の審査を通じて、日本のベビーテック商品は世界でも高いレベルにいると感じました。なので来年は、毎年アメリカで開かれている『BabyTech Awards』でも、国内ベビーテック商品を紹介するという方向で、現在お話を進めさせていただいております。

――おお、それはとても楽しみです!本日はどうも、ありがとうございました!

最後まで読んでいただきありがとうございます! コーポレートサイト( https://www.papasmile.jp/ )と メディア『Baby Tech( https://babytech.jp/ )』も、ご興味ある方はぜひ覗いみてください!