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93.【狐のお面とヘイモーンな神社】

ある日の夢は……

見知らぬ飲食店から始まった。
92.【小さな食堂】の夢に出てきたお店よりは大きい。

レトロのような近代的のような……。
独特な雰囲気の場所で、アタシは今一番やりたくない飲食の接客をしなきゃいけないことになった。

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何か特別な存在に対して、決まった作法で接客をするようで。
たくさんの従業員が確認をしていた。
アタシは決まった作法なんて全くわからなくて落ち込んでいると、気にかけてくれていた男の人が
「買い出しついでに気分転換してきなよ」と外へ出してくれた。

このまま、どうにかやらずに済む方法はないだろうか……。

そんなズルイことを考えながら畑や田圃だらけの一本道を歩いていた。
すると、目の前に神社やお寺の入口にありそうな長い階段が現れた。

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気になって上ってみると……
同じような階段が二つ向かい合わせになって上まで続いていた。
間に立ってみると、どちらの階段にも上り切った所に小さな鳥居があって、一つには『ヤマトタケル』と書かれた布が見える。

あっちにはヤマトタケルが祀られているのかな?

そう思いながら、アタシは何も書いていない反対側の階段から上ってみることにした。

1…2…3…4…

下を向いて数えながら階段を上っていると、いつの間にか建物の中に入ってしまっていた。

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木の色のような金色のような綺麗な建物の中には、大きな一本道が続いていた。
その両側には四角く区切られた場所がいくつもあって、人が隙間なく座っている。

一本道も四角い場所にも人がたくさんいるけど、どの人もみんな着物を着ていて顔にはお面をつけていた。
まるで花火大会とかお祭りみたいだった。

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色んな色、色んな形、色んな表情……
みんな違うお面をつけていた。

ガヤガヤと話し声のような音はするのに、耳を澄ますと聞こえない。
同じ速度で歩いているはずなのに、周りの人はみんなスローモーションのように残像を残しながらユラユラと動いている。
歩く人達に流されるように何度も何度も道を曲がると、カーテンのような大きな布が現れた。

何も考えずに布の奥へ勢い良く出ると、広い場所に出た。
照明がかなり眩しい。

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眩しくて目を閉じていると……

〝ダンッ〟

突然大きな音がして前を見みると、黒い着物を着た人達が立っていた。
頭にフルフェイスのヘルメットをしているのかと思ったら、光に照らされて見えたのは猿の顔の被り物だった。
飛び跳ねたりしながら、能の舞いのような何かを5~6人で綺麗に踊っている。

あまりに綺麗な踊りにボーッと見入っていたら、その人達の前にお面をつけた人達がずらりと座っているのが見えた。

あの人達は一体……?

そう思うのと同時にさっき見た四角い場所が浮かんで、自分が舞台の上に立ってしまっているのだと気がついた。
慌てて戻って、違う場所の布をくぐると……
今度は鳥の被り物をした人達がいた。
また急いで戻っても……戻っても……
同じような場所に出るだけで、なぜか最初の場所に辿り着けない。

焦りながらウロウロしていると、誰も座っていない四角い場所を見つけた。
駆け寄って布をくぐってみると、舞台の上には誰もいない。
少しホッとしていたら……

「お前さん人の子かい?」

突然背後から声がした。
振り返ると、白い狐のお面をつけた女の人達が向き合うように二人座っていた。

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奥には同じお面をつけた男の人も立っている。
稽古をして休憩中だったのか、女の人達の着物から見える首元も束ねて少し垂れた髪も汗だくになっていて、綺麗な手拭いで拭いていた。

「あぁ、迷い込んで抜け出せなくなったんだろう? 外の連中も騒がないってことは、お前さん何かあるのかね」

そんな風なことを右側に座っていた女の人が言った。
わからなくてとりあえず頷いていると、もう一人の女の人もアタシと一緒に頷く。
お面をしていて顔が見えないはずなのに、なぜか頷いている女の人が凄く笑っているように思えた。
その様子を見ていたら、奥にいた男の人が女の人達の横を通った。
それに気がついた右側の女の人が声をかけた。

「ちょっとあんた。 ちょうどあちらへ行くんだろ? この子を途中まで送っておやりなさいよ」

「おう。構わねぇよ」

二人とも江戸っこ風に話しててカッコイイと思った。

すぐに男の人は近づいてきてアタシの背後に立った。
背中に両手の先を添えると、押すようにどんどん前へ進んでいく。
女の人達にお礼を言う暇もなく、さっき歩いたような場所を小走りで何度も何度も曲がっていると……

「ヘイモーン!」

突然、大きな声が聞こえてきた。

ヘイモーン?
なんだろ?

なんて頭の中で考えていたら、いつの間にか人で溢れている大きな一本道の中にいた。

「ヘイモーン!」

また聞こえたので見てみると、人の波の先に巨大な引き戸があった。
徐々に閉じていく引き戸の前には、ブルドックのようなタヌキのようなお面をつけた大柄な男の人達が立っているのが見える。
たぶん『閉門!』と叫んでいるようだった。
その引き戸に少し近づくと、突然狐のお面の男の人が背中を押してくれていた手を離した。

そのまま人の波に合わせて、一人で引き戸の前まで行くと……

「コンコンチキチンってことで通して下さいよっ」

そう呟きながら、まるで満員電車に乗るように振り返りもせず中へ入ってしまった。

完全に引き戸が閉まるのを見て、なぜかホッとした。
同時に自分が置いてきぼりだということに気がついた。

「えっ……置いてきぼりじゃん!」

地団駄踏みながら振り返ると、最初に立っていた二つの階段の前に戻っていた。
驚いて辺りを見渡すと、さっきは何も無かった場所に建物や他の神社に繋がっていそうな入り口があちらこちらに見える。

ここは色んな神社があるんだ……。

そう思っていたら目が覚めてしまった。

起きてから夢を思い返していた時
前にアッチノ世界の神社公園で、狐のお面をつけた子供を見たのを思い出した。
ゆらゆら歩く人達も似ている。
関係があるのかな。


気になる夢でした。


ここからはちょっとざわざわするお話。

あまりに不思議だったので、近所に住む姉の家に遊びに行った時に、この夢のことを姉に話してみた。

すると姉は洗濯物をたたみながら
「神社公園は狐だよ。お稲荷さん」と言うので驚いた。

お稲荷さんに何かあるんだろうか。
現実の世界の神社公園に、いつか挨拶しに行ったりしたほうがいいのかな。

なんて思いながら、暫く神社公園には行っていなかった。
でも、ある日。
姉と一緒にゴミを捨てに行っている時に神社公園が見えて、夢のことを思い出した。

「そう言えば、神社公園はお稲荷さんだって言ってたよね」と聞いてみたら

「えっ? 私、そんなこと言ってないよ? 神社公園がお稲荷さんだなんて知らない」と姉は全力で否定するからまた驚いた。

「狐に言わされた? 何か降臨した? やだ怖い……」

そんなことを二人で話しながら、確かめるために神社公園に行ってみた。

公園に入ってみると、すぐに神社公園の雰囲気がいつもと違うのに気がついた。
古びたトイレだったか、小さな植木だったか、
前はそこにあった何かがごっそりと無くなっていて、その奥にズラリと狐の石像があった。

「ホントに狐がいる! 前は見えなかったから全然知らなかった……」と姉も私も大騒ぎ。
ちゃんとお参りもして帰宅したけど、その後は神社公園の狐のことを忘れそうなぐらい特に何も無かった。

この夢の後に見た夢は、いつも断片的な夢ばかりで内容をしっかりとは覚えていられず……
夢日記も書けない日が続いていたある日。
思い出せない夢のことを考えながら、父と旅番組を観ていた。
すると、ヘイモーンの夢で見た神社にそっくりな神社が出てきて、気持ちが悪くなるぐらい驚いた。

走水神社という名前の神社らしいけど
なんとヤマトタケルノミコトが関係しているとか、
稲荷神社があるとか、
番組を観ていて鳥肌がたってしまった。
神社の長い階段も、たくさんある小さい建物も凄く似ていて、夢と何か関係があるんだろうか……とモヤモヤした。

そんなざわざわするお話でした🌚



別サイト初回掲載日:2015年 03月27日  


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