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個の社会に、やさしい魔法をかけるには。

昨夜はdecadeの節目を挟む誕生日だったので、これから先の10年を照らす心の松明に火を灯すべく、儀式的に、10年後の私へ手紙を書きました。

と言うのも、「ここはもう駄目だ」と、承認おじさん社会に逸早く背を向け、日本のクリエイティブ業界・広告デザイン業界を飛び出し、イギリスに渡英したのは、もう10年近く前の出来事なのかと驚く。

そこまで積み重ねてきた十数年のデザインのキャリアや固定概念を一度破壊するためにCentral Saint Martins(University of the Arts London)に行き、当時ヨーロッパで起こっていた海外のフェミニストなModern Witchたちによる政治デモなどのムーブメントもあり、ロンドンで魔女化して還ってきた。

日本は今でこそ、おじさん社会の崩壊と共に、魔女がトレンドとなり増え続けているけれど、私の行動はいつも時代の先へ先へ、無い道を切り拓くよう促されてきた。だから受け入れられない大衆の固定概念を崩す所からで、日本と海外の時差は7〜8年あるのだと、身を持って痛感してきた。

そして皆に浸透した今、「個」の時代を切り拓くまでの役割は私の中で古いものとなり、今、この10年の節目に私が見据えているものは、「個」の先の未来。

自分を生きる事が当たり前になった世界で、
未来の子供達のために、何を紡いでいけるだろうか。どんな架け橋を創ってあげられるだろうか。です。

アートディレクター・デザイナーとして長年キャリアを積んできた自分も、Central Saint Martinsでのテキスタイルデザインやファッションデザインの経験も、ロンドンでアートや魔術に没頭した日々も、自然との共生を体現してきた現代魔女としての在り方も実践も。

私の経験の全てを活かして、これから情熱を注いでいきたいのは、
私が、私が、と、個を生きるだけの人のためでは無く、
自分の心が感動する事の方へ、創造のエネルギーを注ぎたい。

それは、未来の子供達へ紡ぐ、創造の架け橋なのですね。

「個」が飛び出していく時代にいち早く飛び出してくれた、ADHDや自閉症の子供達の療育の現場や、まだまだ受け入れる側の育みが必要な社会に向けて、

彼らの特異で素晴らしい才能を、自由にするための教養としてリベラルアーツや、その土地に根付く風習や民俗学に楽しく触れる体験を通して、

目に見えない世界の豊かさを伝えられるアートセラピーのようなWSは出来ないか?

そしてそれは、飛び出した「個」だけの育みでは無いはず。

社会全体が飛び出した「個」ばかりフィーチャーされる世界になった時、理解できる柔軟な子ばかりが我慢しなければいけない、新たな不平等な社会が待っています。

育みが必要なのは、「個」だけじゃない。受け入れる社会全体の育みのために、今の私ができる事。未来の自分へ希望のバトンを繋ぐために、ここに綴ります。

ありがとう、10年前の私。
楽しみにしててね、10年後の私。

10年後の私へ。

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Daily Ritual

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「わたし」を育む、現代魔女のエッセイコラム。日常のRitualに(不定期更新) 「今」感じている事、気になったテーマについて綴っています。

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