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科学トピック

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記事一覧

教師の思考停止型手抜き

教師の思考停止型手抜き

前にもどっかで書いたんだけど、私は中学2年の時東京から山形に転校し、校則の変化に戸惑った経験があります。

特に髪型。

東京のときはまあ自由。

まず、チェックされない。

生徒手帳見れば一応規則みたいのは書いてあったけど、チェックされないから意識もせず、何が書いてあるのか詳らかにせず過ごせた。

だからと言って脂ぎったリーゼントとかモヒカンがいるわけでもなく、皆自然でしたよ。

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物理学におけるダイバーシティ

物理学におけるダイバーシティ

「ジェンダーと理科系進路選択」。

これは2024年3月号の日本物理学会誌に寄せられた、大阪大学・服部梓の記事のタイトル。

物理学を志す女性が少ないことを問題視し、この状況をどう打開するかに主眼を置いた論考です。

それによれば、「物理の教育・研究・応用においても男女が互いにその人権を尊重し、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができるように」との理念で、学会内に男女共同参

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科学の発展に期待する力

科学の発展に期待する力

瀉血とは、血液の一部を体外に除去する、中世以降の欧米で行われた治療法。

血を抜くことで体内にたまった有害物質を排出し、それによる治療効果を狙ったものです。

もちろん現代ではその医学的根拠は否定されていますが、当時は通常医療の一環として行われていました。

その背景には、病気や身体に対する知識の発展があると言えます。

また、歯の存在が病になるとの理論(というか信念というか)もあり、ベル

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「鬼」とは?

「鬼」とは?

その昔(と言っても昭和ね)、NHK「みんなのうた」で人気のあった「赤鬼と青鬼のタンゴ」。

https://www.nhk.or.jp/minna/songs/MIN197712_01/

コワくない鬼たちがコミカルに歌って踊ります。

ホンモノの鬼は、こんなにかわいくはないでしょう。

しかしそもそもホンモノって?

私たち日本人の心の中の「鬼」像は、地域により時代により激変しています

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アインシュタイン来日、その前、その後

アインシュタイン来日、その前、その後

1922年11月17日、アインシュタインは妻・エルザと共に神戸港に。

ここから43日間、日本紀行の始まりです。

翌日には東京へ到着後京都に移動し一泊。

翌日10時間かけて東京へ移動し帝国ホテルに一泊。

翌19日の慶応大学での講演を皮切りに、講演行脚が始まりました。

一般向けの講演は東京で2回(慶応大学・東京基督教青年会会館)、仙台、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡の計8回。

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月に天文台を

月に天文台を

月面探査と言えば、昭和世代が真っ先に思い浮かべるのは米アポロ計画でしょうか。

当時の世界は冷戦まっただ中。

宇宙開発は当然軍事技術にもリンクするので、アメリカと旧ソ連は互いに機先を制しようとつばぜり合いを繰り広げました。

アポロ計画に先立ち、旧ソ連はルナ計画をぶち上げ月探査を実施。

アポロ11号月面到達の10年前となる1959年から、

ルナ1号は地球重力圏を脱し、
2号は月面衝突、
3号

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ストーンヘンジの現在地

ストーンヘンジの現在地

私が学生時代、早稲田大学・大槻教授と共にミステリーサークル(※)調査に行ったイングランド南部。

なだらかな丘がどこまでも続く長閑な景色は、それが調査旅行であることを忘れさせるほど(実際には徹夜観測もありそれなりにハードでしたが)。

ストーンヘンジを作った古代の人々にも、生活の中でこの景色に癒される瞬間があったのだろうか。

文献なし伝聞なしの世界遺産ストーンヘンジは、ソールズベリー平原の中

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英訳で深まる日本文学

英訳で深まる日本文学

ピーター・マクミランはアイルランド出身の翻訳家。

英訳を通じて日本文学の素晴らしさを世界に広めようと、様々な活動をしています。

日本文学、なかでも万葉集を「ホメロス(古代ギリシャの詩人)に勝るとも劣らない第一級の文学作品」と高く評価。

一方で、優れた英訳がないばかりに海外での認知度が低い、と嘆きます。

万葉集をもっと身近に「万葉集は、海外の大学生が学ぶべき基礎的な教養たるべきだ。」

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ブラックホールからのやまびこ

ブラックホールからのやまびこ

ブラックホール
あらゆる物質、そして光をも吸い込んでしまうという強大な重力を持った天体として知られます。

その存在は一般相対論の帰結として予測されていましたが、相対論の提唱者アインシュタイン自身は数学的に導けるだけで、現実の宇宙には存在しないと考えていました。

※ブラックホールという用語は1967年ホィーラーという人が使い始めたのであり、アインシュタイン存命中はその用語すら存在せず。

疑いは

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水はどこから?

水はどこから?

「雪線(せっせん)」とは?

桜前線とは逆に、深まる秋とともに南下する初雪のライン?

ありそうだけどそうではなく、これは天文用語。

太陽のような恒星の周囲では、恒星からの距離が遠くなるほど温度と圧力が低下し、ある程度低下すると水が気体でなく固体として存在するようになります。

その境界が雪線。

我らが太陽系ではこの雪線は、太陽からの距離約2.7天文単位に存在(1天文単位は太陽から地

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一見無駄な超心理学研究、でも‥

一見無駄な超心理学研究、でも‥

「私は超常現象を研究しています」と公言する輩が現れた。

さあ、あなたはどうします?

前のめりで耳を傾けるでしょうか、それとも引いて身構えるでしょうか?

私の経験ではたいていそのどちらかになりますね、中間はあまりいない。

荒唐無稽?上等だよ超常現象と聞いただけでオカルトのたぐいと同列視、マッドサイエンティスト扱い。

‥そんな経験は数知れず、というかもう慣れた(笑)。

おかげ様で内心ではバ

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石川県に眠るあの偉人

石川県に眠るあの偉人

旧約聖書に出てくる、キリストよりはるか昔の預言者モーゼ(モーセ)。

預言者って、予言者と違うんですね。

未来に起こる事を伝えるのが予言。

対して神様からのご託宣を受け民に伝える、それが預言。

科学コミュニケータならぬ神の意思コミュニケータといったところか。

エジプトからのヘブライ人の苦難に満ちた脱出行と「海割り」、「モーゼの十戒」などで知られていますね。

モーゼのお墓は石川に❓

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江戸時代の日本語改革:「お」と「を」

江戸時代の日本語改革:「お」と「を」

言葉は生き物、とよく言います。

私の高祖父が1880年(明治13年)、居住の秋田県北部・尾去沢から出発して太平洋側を南下。

香川の金毘羅山参りし日本海側を北上して戻ってくるという84日間の旅。

当時開通していた新橋ー横浜間の鉄道と若干の船旅以外はすべて徒歩という、フットワークめちゃ軽な日本(ほぼ)一周の旅をしたその記録が残っています。

彼の孫(私から見れば祖母の世代)は大正~昭和初期にかけ

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リズム感は社会の潤滑油

リズム感は社会の潤滑油

これを書いている2023年のセ・リーグは阪神タイガースが優勝。

18年ぶり6度目だとか?どんだけ弱小なんだよ(ちなみに阪神ファンです)。

神奈川生まれ、新潟育ちの私は関西に縁がないのですが、10年前くらいに所用で新大阪駅に降り立ちました。

降りてすぐ、コンコースを歩いているといきなり六甲おろしがどこからともなく。

その時は優勝どころかBクラスに低迷中(阪神には珍しくない)で、優勝の「ゆ」の

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