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売文屋の罪と罰

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アンニュイでニヒルなライター稼業の日々を綴ってみる。
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記事一覧

「小さい物語」を紡ぐということ

「小さい物語」を紡ぐということ

 ここのところ天候が不順だったせいか、体調が不安定で難儀していた。そういう時ほど自信を失いがちになるのだけど、焦ったところでいいことなど何もないから、努めてゆるゆるといこうと思っている。

 さて。メディアで働いている立場に身を置いていると、「社会課題」とか「◯◯の未来」とか、テーマを大きく設定して、血眼になってアラ探しに夢中になってしまう時がどうしてもあったりする。メディアのコンセプトや企画とし

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今でも月60本程度は出しているWebライターが課している「1本60分ルール」

今でも月60本程度は出しているWebライターが課している「1本60分ルール」

 先週から左上の奥歯が痛くて、久々に新宿にあるかかりつけの歯医者へ。見事に虫歯でした(笑)。どうも頭痛の時に服薬していた鎮痛剤が歯にも効いていたらしく、認知が遅れたみたい。「こうなる前にもっと早くお会いしたかったです」と言われてしまいました……。

 先日、「最盛期で月に100本、現在でも60本ほどは書いている」と記したことに、「そんなに書いてるの!?」という反応を頂いたので、今回は記事を数多く書

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Webライター歴15年が考える「ライターで生計を立てる」ということ

Webライター歴15年が考える「ライターで生計を立てる」ということ

 関東圏は天候が良く、「さぁ〜原稿もしてお洗濯もするぞ〜!」となっていた午前中。ドトールで席につくタイミングで急にフラっとしてトレイを盛大にひっくり返してしまった。思っていたほど体調良くなかったと悟り、「やっぱ無理はやめよう…」と改めて決心した次第。ドトールのスタッフの皆さん、ご迷惑をおかけしました。いつもありがとうございます!

 さて。前回に「紙とかネットとか関係なくメディアで稼ぐのはむっちゃ

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そもそもメディアで食べていくのは超大変だというお話

そもそもメディアで食べていくのは超大変だというお話

 ここのところ天候不順で、頭痛持ちの身としてはかなりキツい日々だった。それに伴って気分も乱高下を繰り返して、パフォーマンスを保つのが精一杯。みんなどうやって体調を維持しているのかマジで不思議なのだけど、こればっかりは他人は他人で、自分は自分だと受け入れるしかない。幸い、昨年の今頃と比較すればむっちゃ稼働できているし……。

 さて。弁護士ドットコムニュースで高橋ユキさんがウェブライターの報酬問題と

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「プロダクト思考」をメディアに当てはめてみると一体どうなるか妄想してみる

「プロダクト思考」をメディアに当てはめてみると一体どうなるか妄想してみる

昨日の雷雨、上がったところで所用に出かけたら、見事にまた降り出して、傘を持たずに出てもんにょりとした気分に。作業もなかなかはかどらなかったし、お仕事のやり方を少し変えるタイミングなのかもしれない。

ところで。以前の記事で「もはや紙かネットかという議論も色あせている」「全てがデータ」と書いたのだけど。

イギリスのジャーナリスト向けサービス『Journalism.co.uk』が、「ジャーナリストは

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「メディア人材育成」のハードル設定が高すぎるので下げたいというお話

「メディア人材育成」のハードル設定が高すぎるので下げたいというお話

 首と肩があまりに痛く、この数日作業に集中できなかったので、池上線沿線の温泉に行ってきた。天然温泉と炭酸泉を3セットくらい入って、なんだかんだで40分くらい滞在していたんじゃないかな。体温下がりがちでもあったので、ポカポカになって満足。これで「さぁお仕事するぞ!」となったのだけど、いざルノアールに入ったら眠くなってそれどころではなかった。ざんねん!

 さて。自分が尊敬しているメディア人のひとりで

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メディア関係者の思考法とTwitterの相性が悪すぎるというお話

メディア関係者の思考法とTwitterの相性が悪すぎるというお話

 このGW中にメガネを買ってもらった。もともとガチャ目で左の視力が0.03という有様だったのだけど、最近は特にPCなどの画面から外に向ける時にかなり霞んでしまっていたので、ブルーライトカットを入れた作業用のものが欲しいな…と思っていたところ、家族から誕生日プレゼントにと言ってもらったのだ。かけてみると、確かに画面が見やすくなって、長い時間作業した後がラクになった。
 なかなか自分の身体への投資を後

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こたつ記事が蔓延するのは読者のせい? いいえ、スマートニュースのせいですよ

こたつ記事が蔓延するのは読者のせい? いいえ、スマートニュースのせいですよ

 心身に鞭を打って物書き仕事に戻ってから1ヶ月が過ぎた。以前と同じようなペースで働くのは難しいということはわかっていたし、だいたい30%の出力を心がけていたのだけど、それでも「苦しいな」というのが正直なところだ。

 何より、日々のニュースを見るのにまだ気が滅入るし、刻一刻と変わっていく状況を読もうとすればするほど、「しんどいな」と感じてしまう。とはいえ、「成果」と呼べるものはそれなりに出せはした

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何度躓いても生きていかなければいけない

何度躓いても生きていかなければいけない

 自分の人生が「失敗だ」と思うようになったのは、いつ頃からだったのだろうか。就職活動に失敗した時か、高校の数Ⅱの授業についていけなくなった時か、引っ越しをして転校先に馴染めなかった時か……。いずれにしても、他人への失望感だったり、社会情勢だったり、責任転嫁しようとしても上手くはいかず、結局は自分に返ってくるような事を繰り返してきた。

 2018〜19年頃、身体の変調により仕事ばかりか生活にも支障

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真におぞましいのは「匿名」ではなくメディア環境による「圧力」では?というお話

真におぞましいのは「匿名」ではなくメディア環境による「圧力」では?というお話

 個人的には、東京オリンピック・パラリンピックの開催の是非について、特に意見はないのだけど、競泳の池江璃花子選手のツイートの件に関しては、ネットメディアでお仕事している身として、ざざっと所感を記しておきたいと思う。

 自分は気づいていなかったのだけど、この池江選手のツイートに関して、五輪開催派の仕込みを疑う声があった。確かに、ツイートから各メディアに掲載されるまで1~2時間以内に記事が出ているが

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たかまつなな氏が枝野幸男氏に尋ねるべきだった事を考えてみる

たかまつなな氏が枝野幸男氏に尋ねるべきだった事を考えてみる

 最近ちょっとスランプ気味だな~と思うことが多いこの頃。皆さんお元気でしょうか?

 ここのところ、大臣会見出たり山田太郎参議院議員の取材などをしていて、「やっぱ政治取材むずかしい」と改めて感じているわけなのですが。たかまつなな氏が立憲民主党の枝野幸男代表へのインタビューを「失敗だった」という記事を見て、いろいろと考え込まされた。

 YouTubeも視聴したけれど、たしかにこの対談は「失敗」だっ

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政治取材の現場では無力しか感じない/「専門性って何?」というお話

政治取材の現場では無力しか感じない/「専門性って何?」というお話

 ブロガー上がり風情とはいえ、自分もなんだかんだで政治家や公官庁・自治体の取材をするようになって10年が経過した。最初は政治のネット活用といったところからはじまり、民主党政権時に大臣会見がフリーランスにもオープンになったのに便乗して潜り込むようになり、第二次安倍内閣になった以降も、児童ポルノ法改正やクールジャパン政策、知財戦略などを中心に取材した。この間、自分なりに手応えのあったお仕事もいくつかあ

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メディアで働く上で数字だけを「勝ち負け」判定にするのは良くないという話

メディアで働く上で数字だけを「勝ち負け」判定にするのは良くないという話

 ちょっと旧聞になるけれど、ノンフィクションライターの石戸諭氏がこんな記事を寄稿していたので、個人的に思うところをメモしておきたい。

 東浩紀氏の『ゲンロン』には、一時期イベントなどに参加したりしてもいたけれど、何となく足が遠のいた。一言でいうならば、彼らの「サロン」がホモソーシャルな学閥のオルタナティブに過ぎないように思えて、自分のような浅学の身が入る余地がないように思えたからだ。そして、その

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今だからこそコタツ記事の是非を考えてみる

今だからこそコタツ記事の是非を考えてみる

 こちらではだいぶ遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。2021年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 年末年始も特別関係なくお仕事をするのがネットメディアで働く人の常態ではあるのだけけれど、一昨年から昨年にかけて心身を壊したこともあって、30~2日午前中の間にほぼネット絶ちをして、PCも開かないようにしていた。その間はほぼ寝正月で、ベッドに寝転がりつつKindleでの読書に費して

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