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股関節骨折患者の認知機能に対する術前・術後の整形外科サービスの効果：無作為化比較試験（Oslo Orthogeriatric Trial）

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DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

📚 概要

[背景]
せん妄は股関節骨折患者によく見られる合併症であり、その後の認知症のリスク上昇と関連している。本試験の目的は、術前・術後の整形外科医療サービスがせん妄の予防と長期的な認知機能の低下に及ぼす影響を評価することであった。

[方法]
本試験は、股関節骨折患者を急性期老人病棟または標準的な整形外科病棟での治療に無作為に割り付けた、単一施設の前向き無作為化対照試験であった。組み入れと無作為化はオスロ大学病院の救急部で行われた。急性期老人病棟における主要な介入は、毎日の学際的な会議を含む包括的な老人評価であった。主要評価項目は，臨床的認知症評価尺度（CDR）と，Consortium to Establish a Registry for Alzheimer's Disease battery（CERAD）の10単語学習および想起課題を組み込んだ複合評価項目を用いて測定した術後4ヵ月の認知機能であった。副次的アウトカムは、術前術後のせん妄、せん妄の重症度と期間、死亡率、運動能力（Short Physical Performance Battery（SPPB）により測定）であった。患者は術後4ヵ月と12ヵ月に、割り付けを知らない評価者によって評価された。

[結果]
合計329名の患者を対象とした。老年病棟と整形外科病棟で治療を受けた患者の間では、術後4ヵ月後の認知機能に有意差はなかった（平均54.7対52.9、差の95％信頼区間-5.9～9.5、P = 0.65）。また、せん妄発生率（49％対53％、P = 0.51）、4カ月死亡率（17％対15％、P = 0.50）にも介入群と対照群との間に有意差はなかった。事前に計画されたサブグループ解析では、ベースラインで自宅に住んでいた参加者で整形外科ケアに無作為に割り付けられた患者は、整形外科病棟に無作為に割り付けられた患者と比較して、術後4ヵ月後にSPPBで測定した移動能力が優れていた（中央値6対4、中央値差0～2の95％信頼区間；P = 0.04）。

[結論]
急性期老人病棟で行われた術前・術後の整形外科的ケアは、股関節骨折患者のせん妄や長期的な認知障害の軽減には有効でなかった。しかし、この介入は、介護施設から入院していない患者の移動能力にプラスの効果をもたらした。

🌱 So What?：何が面白いと感じたか？

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介入群による『包括的な評価』によって治療にどのような影響を与えたかは定かでない。
かなりの飛躍を含むが、こうした評価や他職種でのミーティングは、いい意味で、一種のバイアスを生じされたのではないだろうか。
つまり、患者さんに「よくなってほしい」という思いが、包括的な評価やミーティングによってより強くなり、『ハロー効果』によって患者さんに身体面にも良い影響が、、、、。少し飛躍しすぎた。
ただ、その影響はゼロではないと思う。

人間は「感情」の生き物であり、最後の最後は「感情」で動かされる。私は、そう思う。

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