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コーヒーを飲むと筋疲労を回復する?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

コーヒーは持久系アスリートにおける運動後の筋グリコーゲンの回復を増加させる-無作為化臨床試験

Loureiro LMR, Dos Santos Neto E, Molina GE, Amato AA, Arruda SF, Reis CEG, da Costa THM. Coffee Increases Post-Exercise Muscle Glycogen Recovery in Endurance Athletes: A Randomized Clinical Trial. Nutrients. 2021 Sep 23;13(10):3335.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅前提知識
筋グリコーゲン
-筋肉に蓄えられる糖の一種で、筋肉の収縮のためのエネルギー源となる
-体内のグリコーゲンの8割強が筋グリコーゲンとして蓄えられている
・・・e-ヘルスネット

[背景]
コーヒーは世界で最も広く飲まれている飲料の一つであり、カフェインは運動時のパフォーマンスを向上させることが知られている。コーヒーに含まれる物質の中には、グルコース代謝に良い影響を与えるものがあり、運動後の筋グリコーゲンの回復に期待されている。我々は、二重盲検クロスオーバー無作為化臨床試験において、消耗性運動後のコーヒー飲料が筋グリコーゲン再合成、グリコーゲン合成酵素活性、血糖およびインスリン反応に及ぼす影響について検討した。

[方法]
持久力トレーニングを受けた男性14名が、筋肉グリコーゲンを枯渇させるために、サイクルエルゴメーターによる徹底的な運動を行った。翌朝、参加者は2回目のサイクリングプロトコルを行い、その後4時間の回復時間を設けた。この間、参加者は試験飲料(コーヒー+牛乳)または対照飲料(牛乳)のいずれかと朝食の食事を、単純無作為割付で摂取した。血液サンプルと筋生検は、回復開始時と回復終了時に採取された。

[結果]
11名の参加者がデータ解析に含まれた(年齢:39.0±6.0歳、BMI:24.0±2.3kg/m2、VO2max:59.9±8.3mL-kg-1・min-1、PPO:346±39W)。コーヒー+牛乳の摂取により、コントロールと比較して、筋グリコーゲンの回復が大きく(102.56 ± 18.75 vs. 40.54 ± 18.74 mmol-kg dw-1; p = 0.01; d = 0.94) 、グルコース(p = 0.02; d = 0.83) およびインスリン(p = 0.03; d = 0.76 )の曲線下総面積が大きくなった。

[結論]
十分な量の炭水化物を含む飲料にコーヒーを加えることで、サイクリングによる疲労運動後4時間の回復期に、筋グリコーゲンの再合成と血糖およびインスリンの反応性が上昇することがわかった。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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ポイントは、十分な量の炭水化物を含む飲料にコーヒーを加えることであろう。
補助的な作用ではあるが、臨床でアドバイスする際には、十分に有益な情報と考えられる。

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