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透析中の可動域練習

▼ 文献情報 と 抄録和訳

週2回の可動域運動による血液透析患者の透析適性およびQOLの改善

Rochmawati E, Utomo EK, Makiyah SNN. Improving dialysis adequacy and quality of life in patients undergoing hemodialysis with twice a week range of motion exercise. Ther Apher Dial. 2021 Jun 15.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

前提知識
適切な透析とは?
尿毒素が人体から適正に除去される透析のことを示す
Kt/V とは?
「1 回の透析でつくられた毒素なし体液量(K × t)」÷「体液総量(V)」

[目的]
本研究は、週2回の透析内運動としてROM(Range of Motion)を行うことが、患者の透析適正とQOLに与える影響を明らかにすることを目的とした。

[方法]
合計48名の適格者が募集され、この研究を完了した。介入群(n = 24)には、4週間にわたって週2回のROM運動が行われた。アウトカムは、介入前と介入終了時に評価された。

[結果・考察]
本研究では、ROM運動は、尿量保持率(p=0.027)およびKt/V(p=0.017)を含む透析の適切性を改善するのに有効であることが示された。QOLは、特に腎臓病の症状や影響の領域で有意に改善した。ROMを透析医療に取り入れることは、血液透析を受けている患者の透析の適正とQOLを改善するための潜在的な介入であることが示された。今後の研究では、無作為化臨床試験デザインとより多くの患者サンプルを用いて、その有効性を評価する必要がある。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅Kt/Vやその他透析に関する知識は、以下の文献が非常に分かりやすい。

血液透析患者の透析量(Kt/V)とは?. 透析ケア. 2008 vol.14

個人的に気になることは、何故、透析中のROM-exによりこうした改善が得られるのか、である。それが分かれば、具体的にどのようなROM-exが効果的(部位、頻度)がより明確になると思う。

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医療従事者と研究活動における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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