自分の良さに気づくことで、ダメな部分を受け入れる。

 社会生活をしていく中で、自分のダメなところ、良くないと思っているところばかりが見えてしまうかもしれません。それは、社会でうまく馴染んでいくため、生きていくために、良くないものを注意深く見ていこうという態度であるかもしれません。だから、必要なことではありますが、そうしたことばかりに目を向けていても、つらいですし、それで、自分を否定しているならば、なおさらです。もしも、ダメな部分に目を向けても、つらくないのだとすると、それは、自分のダメな点も、受け入れることができているからではないでしょうか。一方で、ダメな部分に目を向けるのがつらいのだとすると、自分のダメな点を見ては、自分を否定し続けてしまうというループに入っているからではないでしょうか。

 ダメな部分に目を向けて、ふさぎこんでします苦しい毎日から抜け出すために、ダメな部分を受け入れたいところですが、自分のダメな点も受け入れられるためには、どうしたらよいでしょうか。それは、自分の良さに気づくことが良いかもしれません。

ダメなところだけ紹介された商品は買わない。

 ダメな部分を見て、自分を否定してしまうのは、ダメな部分ばかりを考えすぎているせいであります。商品があって、それのダメなところだけ紹介されたら、それを買うでしょうか。おそらく買わないと思います。本来、良いところも悪いところもあるはずですが、ダメなところだけ紹介されたら、商品自体がダメなものに思えて、買う気が起こらないのではないでしょうか。同じことは、自分自身についても当てはまります。自分のダメなところだけを毎日見続けたり、考え続けていると、自分自身がダメなように思えてこないでしょうか。そうすると、自分に自信を持ったりすることはますますできなくなります。

 自分に自信を持てる瞬間というのはどういう場面でしょうか。それは、自分の良さに目を向けたときではないでしょうか。商品を買いたくなるのは、その良さに1度は目を向けるからではないでしょうか。商品の良さを教えてくれてはじめて、買おうと思うのではないでしょうか、そして、その後に、商品の悪いところを教えてもらって、それが許容できるのならば、買うのではないでしょうか。つまり、自分を認める第一歩として、自分の良さを分からなければならないのです。

自分のダメなところから良さをあぶり出す。

 自分の良さを理解するにはどうしたらよいでしょうか。それは、自分のダメなところにヒントを得て、そこから良さを見つけていけば良いのです。商品で言えば、値段が非常に高いというダメなところを教えてもらったとして、高いということは、性能が良いのか、珍しいものなのか、といろいろ良さを見つけられるポイントが出てきます。同じように、自分がダメだと思っているところ、たとえば、なんでも3日坊主になるということであれば、いろいろなことに興味を持てるともいえます。

 何かこれのせいで、自分はダメだと思っているようなことは、裏を返すと、自分の強みだったりもします。その強みというものを探していけば、自分の良さがわかっていくのではないでしょうか。普段、自分のダメなところを強く意識している場合には、ダメな部分から良いところを転化させていけば良いので、比較的考えやすい手段といえます。

良さとダメな部分は、セット。 

 そういうふうに考えていくと、良さだと見つけたところは、自分のダメな部分も一緒に出てしまうもので、切っても切り離せないものだといえます。そうであるならば、ダメな部分も受け入れるしかありません。切っても切り離せないためです。

 ダメな部分ばかり見ているときは、ダメな部分を抑えようとするのではないでしょうか。なんとかして抑えないとと思うのではないでしょうか、しかし、実は、ダメな部分を抑えてしまうと、良い部分も抑えてしまうともいえます。たとえば、宿題をやらないで、好きな教科の勉強ばかりやる人がいたとして、宿題をやらないというダメな部分を抑え込むために、嫌いな教科の宿題を時間をかけて費やしたら、好きな教科の勉強をする時間と体力がなくなり、その好きな教科で伸ばせた実力が、そんなに伸ばせなくなるかもしれません。ダメな部分を時間をかけて直そうとすると、良い部分も併せて抑えられてしまうのです。

 また、良い面をたくさん発揮したいと思うのも人間です。もちろん、それが1番ですが、良い部分を全面に出そうとすると、ダメな部分もどうしても目立って出てきてしまうのです。たとえば、人当たりが良く、丁寧な対応が得意な人がいたとします。仕事の上で、1人1人に対して、とても丁寧な対応を毎回心がけて、自分の良さを全面に出そうとすると、仕事が時間通りに終わらなかったり、本来自分のでない仕事も請け負うことになったりして、結果として、締切とかに間に合わず、仕事ができない人として、評価されてダメな部分として目立っていくかもしれません。良い面をたくさん発揮していくためには、ダメな部分も目立つということを、気にしなかったり、受け入れることが大切と言えます。

 このように、良い意味でも悪い意味でも、良い面と悪い面はセットなのです。良い面だけ出そうというのは難しいですし、逆に言えば、ダメな部分だけ出て、良い面はないということもまたないのです。

ダメが目立つならば、それだけ良さも目立っているはず

 もし、ダメな部分ばかりが目につき落ち込んでいるのならば、それは、良い知らせかもしれません。それだけ既に良さというのも同じくらい目立っているはずだからです。しかし、それにはなかなか気づきません。ダメな部分ばかり見てしまうからです。これ以上落ち込まないためにも、まずは、ダメな部分ばかり見てしまうくらいダメな部分が目立っているからこそ、その分、良さというのが何か目立っているはずだと考えることが大切です。

 そして、その良さとは何なのかをあれこれ考えてみて、これだ!と思いつけば、それとセットなダメな部分というのも受け入れられるかもしれません。自分のダメな部分を直そうとしたり、自分を責める時間を、自分の良さを見つける時間に充てることができれば、自分に自信が持てたり、自分を受け入れられるようになるかもしれません。

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