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本当は「先生」とは呼ばれたくないのです。

ここまでずっと学生として生きてきた私も、とうとう「先生」と呼ばれるときが来ようとしている。

しかし、私は「先生」と呼ばれるのがなんだか居心地が悪い気持ちがする。

それは、ただ単に慣れていないだけの一過性のものではない。「先生」と呼ばれることによって、相手との縦の関係性や距離感が生まれてしまうような気がするからだ。

確かに、それぐらいの距離を取らなければならない関係性であるのかもしれないが、学生の立場からすれば「先生」と名前が付くだけで心の距離が離れるのだ。

また、自分はこれまでの経験上、異年齢集団の中で年上年下に関係なく、名前に君呼び・タメ口で話すことに慣れているから、違和感がするところもあるのかもしれない。

ただ、いずれにしろ大事なのは、どのような形であれ、学生との信頼関係を作ることだ。

新しく研究室に入ってくる学部4年生から見れば、私はもう学生としては見られない(実際そうなのだが、なんだか不思議な未練的なものがある)。きっと、「向こう側の人間」のような目で見てくることになるだろう。

そもそも、学部生にとっては、大学の中に「博士課程の学生」という存在がいる、ということ自体がほとんど馴染みがないことなのに、その博士課程を修了した中途半端な若さの人間が教員然として研究室にいることの違和感と言ったらないだろう。

最悪、教員として見られるのは仕方ないとしても、可能な限りは若い学部生の気持ちがわかる存在でありたい。

現代の若者世代を表す「Z世代」のギリギリ端くれの世代として、できれば学生寄りの存在としてそこにいて、学生たちの気持ちに寄り添いたいのだ。

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