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20. 【読書記録④】組織・コミュニティデザイン(山内裕・平本毅・杉万俊夫著)


今回は『組織・コミュニティデザイン』(山内裕・平本毅・杉万俊夫著・2017・共立出版)の読書レビューです。
デザイン学という学問の見地から組織やコミュニティの特徴やマネジメントについて考察されています。


普段は経営学の人的資源管理論や組織行動論の見地から組織やコミュニティを分析しているので、新鮮な気持ちで読むことができました。

研究するにあたって、学際的要素(interdisciplinary)の重要性が高まっています。
一つの学問だけでなく、多様な側面から追求することを意味します。

本著では、組織やコミュニティについてデザイン学や経営学・社会学などの側面から追及しており、なおかつ会話分析(エスノグラフィーの一種)を採用しているため、学際的な研究を考えている人定性研究をする人にもおすすめです。
もちろん、組織やコミュニティの開発、運営などに携わる方にとってもためになります。
ただ、実践的に取り入れるとなると、ちょっと専門性が高いかもしれません。



デザインとは

デザインの対象とするものは社会であって、製品・サービス・コミュニケーション・グラフィックなど多種多様に広がっています。
本著では、社会のデザインが「組織」「コミュニティ」「文化」のデザインを内包することを指摘し、各デザインにおけるデザインの重要性について触れています。

デザインを通じて新しい社会を生み出すことができ、日常生活においてもデザインは身近なものになっています。
そのため、相互主観性のもとで共同的な構築が求められることを一貫して主張しています。



組織とコミュニティの違い

組織とコミュニティを明確に分ける必要については指摘されていませんが、コミュニティのデザインは難易度が高いことを指摘しています。
ただ一つ言えることは、コミュニティデザインはいかに規範を構築していくかが重要になってきます。

規範をいかに創出し、伝達していくか。
非常に難しいトピックの一つだと思います。

その上で、コミュニティデザインに関する記述部分と、文化のデザインに関する記述部分は参考になる情報も多数掲載されているので、デザインの観点から組織やコミュニティについて考えてみたい方にとっては、本著は参考になると考えます。


今回も読書記録になりましたが、組織やコミュニティに関すること、地域創生に関することなどについても定期的に執筆していますので、もしよければフォローとハートマーク♡をお願い致します!




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