見出し画像

専門家はどんな本を読んでいるのか?新刊紹介企画「フィルカル・リーディングズ2022」!

オレンジと緑のグラデーションが目印の『フィルカル』Vol. 8, No. 1が、4月30日に刊行されます。

ここでは、毎年No. 1号の恒例となった「フィルカル・リーディングズ 2022」についてお伝えします。
「リーディングズ」は、2022年度に刊行された新刊を紹介する選書企画
哲学や美学の研究者を中心とした総勢32名の専門家が評者となり、「推し」の新刊を3冊ピックアップしてレビューします。
計100冊近い大満足読書案内です。

今年は、映画監督・俳優の太田信吾氏や文筆家・編集者として知られる吉川浩満氏を評者に迎え、いっそう幅が広がりました。


編集委員の一人、八重樫氏の頁。趣味や専門性が織り交ぜられていて面白い。(『フィルカル』Vol. 8, No. 1, pp. 92-93.)

フィルカル・リーディングズの魅力

「リーディングズ」は、多種多様な「専門家」がどうやって本を読んで・選んでいるのかを知ることができるというだけでも、面白い企画だと思う。
知らない世界の人が自分の知らない良書を教えてくれるのは刺激的だし、逆に読んだことのある本を勧めているのを見るとどこかほっこりとした気分にもなる。

だが、「リーディングズ」の魅力は、そこで伝えられる「新刊情報」だけにあるのではない。
その点は、副編集長の長門裕介氏が見事に語っているとおりだ。

選書というのは選者が適当に選んだつもりでも、どうしても何らかの意図が見出されてしまう。「少しバランスをとってるな」とか「ここはあえてハズしてるな」とか、そういうことである。悪い言い方をすればスノッブかもしれないが、選書というのはコミュニケーションでもあり、優れて社会的なものなのであって、その意味でそういう他人の反応の予期が重要になってくる。〔…〕まこと選書というのは面白いものである。

『フィルカル』Vol. 8, No. 1, pp. 34-35.

長門氏の言う通り、選書が評者の意図や(あえて緩く言えば)人間性のようなものを映しだすものであるなら、「リーディングズ」は34名の評者の肖像だ。

耳寄りな新刊情報をゲットしつつ、評者の人となりに思いをはせながら、ぜひ頁をめくってみてほしい。
どこか「遠い人」に見えがちな研究者や専門家に、不思議な親しみがわいてくるかもしれない。

By フィルカル制作部

フィルカルVol. 8, No. 1はAmazonなどで予約受付中

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?