満員電車というと、大抵が嫌って、ストレスの元として考える人が多いと思う。
私も好きじゃない。

1番驚いたのは、窃盗未遂。カバンは下の方に持つタイプなのだが、ふと目線を下げたら閉めていたはずのカバンのチャックが開いていた。手を中に突っ込むと、社員証が無いことに気づいた。そのタイミングでドアが開き、一旦人が出て行くと、私の社員証とボールペンが床に落ちているのが見えた。
どうやって地面に落とされたんだろう？結構奥深くに入れていたのに、勝手に外に出るなんておかしい。人の波にもまれながら、急いで拾ったけれどあの時は本当にびっくりした。ボールペンは1,000歩譲っていいとしよう。でも社員証なんて無くしたら、大変なことになっていた。

あとはやっぱり痴漢だろうか。社会人になってからは少なくなったが、学生時代は割と遭遇した。友達が近くにいたのに、触られたこともある。不快だった。

みんな素知らぬ顔で乗っているのに、手足だけはもぞもぞとうごめいていて怖くなる。カバンを持つ手、傘を持つ手そして足。強制的に距離が近くなると、ゆらゆらと欲望が体の中から湧き上がってくるんだろうか？
私だったら、出来るだけ他人と触れ合わないように気をつけるけれど、そういう感覚が無い人もいるんだなと毎回思ってしまう。みんながみんな分かり合えるわけじゃ無いことは分かっているが。
黙ってこっちは乗っているんだから、そんな知りたくもない関わりたくもない人間の闇を見せつけないでほしいと思う。

でも乗るしかないから毎朝満員電車に乗り込んでいる。今日も明日も、これからも、闇に巻き込まれながら。