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『PERFECT DAY』

1月23日の11時30分にピカで待ち合わせして、京都へ向かった
寒波襲来と言う冷え込みでバッチリ準備したのに首元をおろそかにしてしまった
「あー首元大事アルネ」
「はるきー 今日はなんかお洒落やん」と言われた
梅田から北にいく場合はマユコのチェックが入り、それ相応のカッコで行かないと怒られると連れに伝えた
時間帯的に電車は混みいってなく2人とも座れて、最近の共通話題「PERFECT DAYS」の話で始まった
連れの男とは12年ぐらいの間柄である
12年ぐらいの間に出会ったであろう個性豊かな他の連れの話になり
1人1人にPERFECT DAYSを重ねてダラダラ話していた
「はるきー 好きな映画5本は」と聞かれて
お互いの5本を紹介しながら
「あーそれかーわかるわー」見たいないつものやつをしていた
電車内には日差しが入り気持ちがいい
出町柳に到着して、「何年ぶりかなーそーいえば村屋に行ってないわー」
みたいな話でコンビニへ
入って寒いから扉を閉めたら
左側に若い女性がベビーカーを押しながら
「何で閉めるかなー」と言っていた
いやー全く気づいていませんでした
水とウイダーインゼリーを買ってレジを済ませたら
連れにゼリー2個の方がいいぞと言われたけど、もう一回レジに行くのめんどくさいからそのまま外へ
そこの甘いの美味しいから買うかーみたいな感じになって、見てみたら店はやっていなかった
「糺の森」でも散歩しようとなり向かったが道を間違い
逆戻りして糺の森へ
到着して中に入ったがまた道を間違っていた
「はるきー 水面がキラキラしてて綺麗だぞ」
Goodな太陽な日差しの入り方にしばし足を止める
連れがボソッと「PERFECT DAY」と呟いた
「俺ここの神社で結婚式あげたんだわ」
下鴨神社に入る前に連れが言った
お参りをしようとしたら
本殿の周りに干支ごとに拝むところがあり
自分の干支酉に手を合わせメインにも手を合わせた
グルッと回って連れを見てみたら
何箇所かで拝んでいる
家族の分も拝んでいるのだろう
「あっ」と思い
マユコの干支も拝みにいく
少し構内を歩いていて橋を渡ろうと思ったら
橋下の上流の方にM字開脚したカップルが見えた
パンティーは黒だった
右側のおばさんがおもむろにスマホを出して上流の方を撮っていた
「あっ」と思い、連れに見せたいから写真を撮ろうと思ったが僕のはガラケーだった
連れに合流してその事を話そうと思ったら
ご満悦な顔で朱印帳を開いてきた
びっしりと御朱印されていた
「最近の一押しはこれな」沖縄の御朱印だった
「はるきー ここの空間が最高だぞ」と言われたので見てみた
完全なシンメトリーな世界で作為を感じるから
「さっきの水面の方が好きだな」と言った
黒いパンティーの話をしたら連れが言った
PERFECT DAY
気を良くした連れが「俳句でも読み合おうぜ」と言って一句読み始めた
「はるきー お前はー」
「早く読め」と何度も煽られた
ウィンダーインゼリーは人肌に温めてから入れたほうが良いと連れが言うので、このタイミングで入れてみた
糺の森を出て、本日の待ち合わせの場所へ向かう時、連れがイヤホンを出して右側をくれた
「ギュッと入れて回す感じで耳の中に入れて」
少し早めの曲を流し始めた
「いい感じだわ」
「この曲のタイトルなー」
「誰も俺たちには追いつけないって言うんだぞ」
連れは体を小刻みに揺らしながら、右手の人差し指で僕を指しながらドヤ顔した
PERFECT DAY
「15時だっけ?時間大丈夫かな」と聞いたら
「任せろ」と連れが言った
何度か連れは立ち止まり
どこか遠くを見るようなスムーズな型で写真を撮っていた
本日のメイン会場に到着
うなぎの寝床の様な道を通り
和風の家にあがった
和装と坊主のいでたちの師匠が僕たち2人を迎えてくれた
少し笑いそうになったが我慢した
2階に案内されたら別の綺麗な女性が座っていて
今から3人をおもてなししますねと師匠が言った
声がかかったので1階に案内された
真っ暗な空間だった
ここは少しピリッとするので久々の正座
「それでははじめさせてもらいます」
師匠はまず和菓子をだし
抹茶を作り始めた
一つ一つの所作が美しい
「パンッ」と布を弾く音が鳴る
抹茶を啜り
いよいよ水タバコが出された
本来、水が入っている所にお茶が入っている
水タバコの葉では無く、師匠が自ら選別して作ったお茶の葉で水タバコを吸うのである
簡単に言うなら吸うお茶であろうか
3人で吸うお茶を回してゆっくり過ごしていた
僕は足が痺れてきたので早々に胡座をかいていた
師匠がそれぞれに色々と質問しだした
綺麗な女性は中国茶とヨガをミックスしていて、東京などで会を開いていると言う
連れが色々、質問していた
僕はボケっとしながら吸うお茶を楽しんでいた
お茶の味がする
「そろそろほうじ茶の味がしませんか?」と師匠が言う
確かに味が変わった
連れは「玄米茶の味がする」と言いだした
少し場も和らいだ時、連れが綺麗な女性に言いだした
「僕UFO呼べるんですよ」
綺麗な女性は反射で答えた
「去年の暮れにUFO落ちてましたよ」
「えっどこで?」
「吉野川で」
PERFECT DAY
そこからざっくばらんな時間が流れた
一通りの流れが終わり2階で師匠に色々質問しながら有意義な時間を過ごせた
「あっ次の時間帯大丈夫?」と思い出して聞いたら
「任せろ」と連れが言った
ここで茶会は終了して次の会場へ行く事にした
遠いのでタクシーで行く事になった
タクシーに乗り始めてから、師匠の今後の展望などを反芻していたら
ギアが入り出してしまった
僕はマニュアルタイプでギアを上げ出した
連れに色々とどう感じたか質問責めした
まずは何が凄かったのか
東洋の文化の再構築である
元々、陶芸をしていた僕は茶道も少々かじっていた
京都と言う世界的ブランドの中で、北見から南下してきた若者が徐々にシーシャ屋の店舗を増やしながら、京都まで辿り着く
「黒船だな 内からではなく外からだ」
茶の文化がどこで大成したかと言うと、個人的な見解だが戦国時代だろう
そこから何百年と経過している
僕たち日本人は伝統的なものに対して、当たり前になっているし、目新しくも無いと感じるし、伝統的な世界は堅いと感じる
師匠は京都の茶道の世界や寺や神社の住職とも、交流を盛んにしている
リスペクトがあるのだろう
和装や坊主のいでたちも合点が行く
その茶の文化に水タバコを混ぜはじめたと言う流れである
アメリカの会社が興味を持ち出して、この新しい文化を世界に輸出する方向だ
東洋の文化は世界から見れば神秘的である
これは広がるし面白い
師匠でさえどこまでこの文化が昇華して行くのかはわからないだろう
なんてワクワクする事をしてるのだろう
「文化を売るかー」
僕は少し興奮気味に連れに伝えた
「はるきー 経営者の目線になってるやん」
「ところで吸うお茶は美味かったか?」
「俺まだ美味しいかわからんねん」
僕のギアは通常に戻っていった
2つ目の会場に到着
店に入ったら会場は地下だと言う
地下の階段を降りると、味噌バターコーンチャーシュー増し増しみたいな連中がいた
「おーきたかー」
そこから男どもは増えていった
全てが縄文人的な顔で弥生系は1割位か
30代から50代位の男が40人近く集まっていった
僕は主催者1人しか知らない
ほとんどが武将顔であった
軍師系は少ない
主催者がお前たち2人は一緒にいちゃダメだから別れてと言われて
連れと離された
初対面の縄文系とすぐに名刺交換してお話みたいなのが延々と続いた
徳之島、壱岐島、八丈島、あらゆる所から男たちが集められていた
なんとなく見えてきた
各地方で色々とチャレンジしている連中が集められたのだ
ほとんどが経営者だった
主催者から「はるきーお前はミソッカスだからなー」と言われた
「うるせーよー」
戦国時代とかこういうの良くあったんだろうなーと思った
あそこと戦するから戦うぞ見たいな
勝ちにせよ負けにせよ、また集まって少なくなっていく連中と関係性を深めていく
同じ戦に行く事で、共有感が生まれて話も弾むはずだ
厳しい戦に勝ち、生き残っていた再会なら尚更だろう
とりあえず色々な縄文系と話し込んでいた
一次会は終了して23時を超えていた
僕は満足だった
さぁ帰ろうかと思っていた
他の縄文人は二次会行くぞー
「ウォー」見たいなノリだった
「はるきー 京都泊まって二次会行かへん」と連れが言い出した
「えっ 嫁大丈夫なの?」
「多分いける」
連れは完全な下戸であった、タバコも吸わない
縄文人達はタバコをガンガン吸う連中だ
「もう少しこの先を共有したい」と連れがいった
連れもマニュアルタイプでここでギアが入ってしまったようだ
HOTELを予約して大所帯で移動
スナックを貸切、カラオケ大会が始まった
完全な酒ノリである
連れはABBAのDancing Queenを歌っていた
楽しそうだ
「しゃー三次会だー」となった
ここで僕達2人はHOTELに消えてすぐに寝た
チェックアウトギリギリまで寝て、外へ
寒いが日差しが心地よい
「腹減ったし うどんでも食うか」
「俺いい店知ってんねん」
少し二日酔いだったので汁物は嬉しい
店は休みだった
いい中華屋あるからそこにしようと行ったら後30分後にOPEN
近場の洒落た喫茶店でコーヒーを飲んだ
「おー友達申請結構来てるわー」と連れが言った
僕はガラケーなのでチェックできない
昨日交換した名刺で誰が面白かったか、名刺を出し合って勝負が始まった
神経衰弱のように出す名刺は揃っていった
2人でキャッキャッして笑い合った
PERFECT DAY
僕達2人は漫画のキングダムと蒼天航路が大好きである
昨日の縄文人達をその漫画のキャラと被せて話し込んだ
「曹操が言うんだよ 夏侯惇、お前が連れてくる連中は義侠心に強くてお前そっくりだな」と
曹操は漫画の中では奸雄と呼ばれていた
あらゆる才を持つ者を、出生とか関係なく採用したと漫画に書かれていた
「主催者は夏侯惇だな」
「武将ばかりで軍師が少ない」
「やはり軍師は貴重なんだな」
腹が減ったので中華屋へ移動
入り口から3人が扉を開いてくれて、エレベーターにも1人いる
広々とした店内である
店員が何人もいる
「結構いい値段なんだな」
僕はラーメン系が食べたかったが麺類は一つも無かった
連れも麺類が食べたかったようだ
適当に注文してまた話した
「はるきー 結局話しててもわからへんやん、そこに行ってみないと」
「どこでもドアがあって徳之島や壱岐島、八丈島とか行ってみたいやん」
「そしたら具体的に見えてくるやん」
「そいつが何やってるか」
うんその通りだなと思った
「今度、気になるとこ全部行ってみようか」となった
昨日、あれだけの武将と会ったのに1番琴線に触れたのは師匠だった
経緯が見えるからだろうか
試そうとする規模であろうか
「ところでさぁー 昨日の縄文人達に比べてお前はずるいなー」と僕が言った
連れはギョッとして答えた
「えっ何がやねん」
連れは僕の連れの中でも一際フットワークが軽い
色々な土地に行く
行政なども巻き込んでちゃんとした仕事を地方でする
読書好きの連れは、地方の頑張っているシブい本屋さんで自分の写真の展示もする
その土地で仲良くなった人達とUFOも呼ぶ
「三種の神器揃ってんじゃん」
「はるきー 誰かが言ってたんやけどなー 」
「100人に1人の肩書を3つ持てって」
「100×100×100」
「そうすると100万分の1になるやろ」
「あー 100万分の1人になるって事かー」
「せやねん」
「状態入ってるやん やっぱお前ずるいやんけ」
東北人の僕が関西弁を出した
連れは少しモジモジしながら答えた
「はるきー ところでここの人件費ヤバない?」
「確かにやばいなー」
中華屋を出て帰りの電車を待ってる時、連れに聞いた
「マックの頻度どれぐらい?」
「月一くらいかなー ドライブスルーがおおいかな」
「はるきー ドライブスルーの話があんねん」
「それ前聞いたー」
「ちゃうねん もう一個あんねん」
「テリヤキバーガーがめっちゃ食いたなってドライブスルーしてん」
「食べようと思ったらフィレオフィッシュやってん」
「間違ったんやな」
「めんどくさいから 一口食べてみたんやけど、やっぱテリヤキ食べたいやん」
「もう一回戻ってテリヤキと交換してもらったんやけどな」
「一口食べたフィレオフィッシュも食べたなって」
「店員さんに一口食べたフィレオフッシュもくれないか聞いたんよ」
「店員さんは即答で無理ですって言ったんよ」
「でも捨てるのもったいないやんかー」
「少しゴネたんだけど、あかんかったわー」
「でもなー はるきー」
「テリヤキバーガーめっちゃ美味しかってん」
PERFECT DAY

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