見出し画像

THEY'RE TRYING TO KILL US

こんにちはー。

紹介したいドキュメンタリー映画があるので久々に記事を書いています。
タイトルは、“THEY'RE TRYING TO KILL US”です。

まずは予告編をどうぞ(英語ですが、映像もかっこいいから見て)。

このドキュメンタリーは、“Bad Ass Vegan”の名で知られるフィットネストレーナーであり活動家のジョン・ルイスと、“カウスピラシー“や”健康って何?“などのドキュメンタリー映画製作者として知られるキーガン・クーンの共同製作で、今年の夏に撮影終了予定だそうです(公開日は未定)。現在、完成やマーケティングに向けた資金調達のためにクラウドファンディングが行われていて、すでに当初の目標金額を達成していますが、20カ国語への翻訳を目指してさらに高い目標金額が設定されています。日本語が含まれているのかわかりませんが、“カウスピラシー“や”健康って何?“には日本語字幕があるので本作にも付けられることを期待しています。

テーマは、人種差別と食の正義。
昨今のBlack Lives Matterに関する動向をきっかけに人種差別について深く考えるようになった人は増えているのではないかと思いますが、「食の正義」という言葉は聞き慣れないかもしれません。

食の正義(Food Justice)とは?

幸せ経済社会研究所によると、

「食の正義」運動とは、誰もが新鮮で、健康に良い食料を、手頃な価格で手に入れられるようになることを目指す運動で、格差の拡大などを背景に米国などで広がっています。
多くの団体が「食の正義」を独自に定義しており、団体により、フェアトレードに近い定義から、持続可能性や人種問題、貧困問題に重きをおく定義までさまざまです。ただし多くの場合、単に「お金を出せば、健康に良い食料が手に入る」という範囲を超えて、社会の構造的な問題(不平等問題など)にまで切り込み、「誰もが健康に良い食料を手に入れられる」ことを目指しているのが特徴です。食に関する「社会正義」を追求する運動とみることができるでしょう。

アメリカにはsystemic racism(制度的人種差別)が存在します。これは個人間で問題となる差別とは性質が違い、特定の人種(黒人)として生まれただけで、その後の人生において不利であり続けてしまうという社会の仕組みによって起こっている根深い問題です。個人が努力を重ねても、社会の構造上、悪循環から抜け出すことが非常に難しいとされています。

この制度的人種差別は当然、食の選択にも影響を及ぼします。そして食の選択における格差は、健康面における格差となって表れます。実際に、黒人が糖尿病やその他の慢性疾患で亡くなる確率は白人の2倍だとも言われています。新型コロナウイルス感染症による死亡率も黒人が多く住む地域でより高いのが現状です。

4年前に制作が開始されたこのドキュメンタリーでは、ルイスが全米を旅しながら、ヒップホップアーティスト、医師、研究者、政治家、弁護士、スポーツ選手、社会正義活動家など100人以上にインタビューを行い、調査、データ収集、撮影を進めてきたとのことで、食品へのアクセス、病気、貧困、制度的人種差別、政府、製薬業界などがどのように絡み合っているのかを検証しているとのこと。多くの社会的弱者が病気になっている一方で、その原因を作り出している産業が何兆ドルもの利益を生んでいる状況や、政府と産業の癒着が暴かれていくというかなりセンセーショナルな作品だと思われます。

この作品の大きな特徴の一つは、ヒップホップカルチャーを通して問題提起しているところです。予告編にも有名なヒップホップアーティストがたくさん出演しています。彼ら・彼女らの発言やライフスタイルは良くも悪くも多くの人に影響を与えるので、食の正義について語る上で非常に重要な役割を果たしていると言えます。(ちなみに、ヒップホップと食の正義に関する映画では、Feel Richもおすすめです。)

経済格差が食に起因する健康問題に繋がっていることを認識している人は少なくないと思いますが、食の選択を社会の構造的な問題と関連付けて考えるのにとてもいいきっかけになる映画なのではないかなと思っています。

いまいちまとまりのない文章ですが、とても興味深いドキュメンタリーなので取り急ぎ紹介してみました。公開が楽しみです。クラウドファンディングでの応援はこちらからできます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?