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「ドライバケーション」観光×ペーパードライバー教習で目指す地方創生ーー内田さや子さん

今回お話をうかがったのは、ペーパードライバーに観光と教習サービスを提供する「ドライバケーション」を企画されている内田さや子(うちださやこ)さん。

内田さんは本業のほかに、観光と教習サービスを掛け合わせた「ドライバケーション」というサービスを事業化する挑戦をはじめています。その取り組みがどのように動き出していったのか、そのきっかけ・現在、みつめている未来についてうかがいました。

※この記事は、NPO法人ETIC.(エティック)のアントレプレナーシップ・トレーニングプログラム「PLAY!」の修了メンバーの皆さんのインタビューシリーズ、第6回目となります。
今回は、PLAY!事務局で情報発信を担当しているシェリー(遠藤さくら)がお届けします。

1.ペーパードライバーで苦労した実体験

シェリー:内田さんの自己紹介をお願いします!

内田:内田さや子です。鹿児島県出身で埼玉県熊谷市に住んでいます。義理の実家が経営している不動産会社の役員をしながら働いていて、4歳の男の子を育てています。
個人では、ドライバーケーションというサービスづくりに取り組んでいます。コロナ禍でなかなか鹿児島に帰れないので、必要なメンバーをアサインできないままもがいている状態が続いていますが、個人的に新しい仕事の獲得をしながらも少しずつ進めています。

シェリー:もともとはどんなことをやりたいと思っていましたか?

内田:「ドライバケーション」という観光と教習サービスを掛け合わせたものをつくりたいと思っています。ちなみに、「ドライバーケーション」は私が考えた言葉で商標登録もしています。自分自身がペーパードライバーで、運転するのに苦労していました。旦那は運転ができるので休日は子どもを連れてお出かけできたのですが、自分はどこか行きたいときに車を使えませんでした。コロナ禍では、同じような悩みを抱えたお母さんたちも多いのではないかと思います。

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(内田さんのプレゼンスライドの一部)

私は鹿児島出身なのですが、やっぱり実家に帰ると免許持ってないの?運転できないの?って言われるんですよね(笑)
調査してみると、地方では教習も親の方が乗り気で「お金出すから運転できるようになってきて!」みたいなことが多いんです。地方で運転できないと空港に迎えに来るのも、友達に会うのも親の送迎付きになってしまいます。そのような状況で、今後起こりうる親の介護や免許返納のことを考えると、”運転できない問題”を突きつけられます。

そんな中、首都圏から鹿児島の関係人口づくりのプロジェクトに参加する機会がありました。そこで、ある観光地に人が来なくて困っているという話を聞き、その場所は車の運転に向いてそうだな・・と思ったときに、ドライバケーションのアイデアが生まれました。当時は東京に住んでいたのですが、東京で運転のファーストステップを踏み出すのはハードルが高いですし、現代人は休みが貴重です。なので運転の練習だけでなく、観光も一緒にできたらいいなと思いました。また移住したい人の中には、運転ができないから都市部を選ばざるを得ないケースもあります。教習と観光を組み合わせれば人を呼び込めて、かつ人口を流動的にできるのではないかと考えました。

内田さんが、鹿児島市長さんにプレゼンをしたときのnote記事
▶︎https://note.com/ten_lab/n/nda9b2d8c23c2

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(内田さんのプレゼンスライドの一部)

シェリー:もともと鹿児島で何かしたいと思っていたのですか?

内田:鹿児島は好きですが、今は埼玉県の熊谷に住んでいます。関係人口のプロジェクトに参加したのも何かやりたいというよりは、友達をつくりたい程度の気持ちからでした。ただ鹿児島との繋がりを消したくないとは漠然と思っていて、参加している間に鹿児島の課題を解決できるこのサービスを形にしたいと思うようになりました。

2.「自分が動かないと進まない」試行錯誤したコーチング期間

シェリー:あらためて、PLAY!に参加した経緯を教えてください!

内田:知り合いの方を通じNPO法人エティックを知り、何か自分のプロジェクトを進める上でいいきっかけがないかホームページを調べたときにPLAY!を見つけました。今住んでいる市にも起業サポートはあるのですが、カフェ経営や雑貨販売などが多く、自分が求めるものではなかったんです。私は地域関係のプロジェクトが進められるプログラムを探していました。

ドライバケーションをはじめた当時は理想は持っているけれど、実際にどう実現させればいいのかわからないという状況でした。コロナ禍で鹿児島に帰れないので実際に現地でアクションすることができず、家で一人で進めていく必要がありました。しかし、このままでは仕事や育児に忙殺されてしまいそうだったので、何かプログラムに参加して関東でも進められることは進めたいと思っていました。

シェリー:「ドライバケーション」について、詳しく教えてください!

内田:日本の自動車免許取得の構造的に、教習は学校内で行うのがメインで、あまり公道で練習をしません。初心者やペーパードライバーが事故を起こしてしまうのが当たり前の構造になっているので、これをドライバケーションで変えたいと思っています。今考えているのが、教習と桜島観光を組み合わせるプランです。人の少ないスポットで練習し、徐々に慣れていったら、人通りのある道を走ってみるルートを考えています。

ターゲットとして想定しているのは、私と同じくペーパードライバーで困っている首都圏の主婦の方々です。このサービスがあるなら移住を決めたいと言ってくださった方もいたので、ゆくゆくは都市部から地方へ移住したい方もターゲットにしていこうと思います。
トライアルでは、鹿児島市に在住のペーパードライバーの方を想定しています。鹿児島市内の人でも意外と運転できない人がいるんですよね。沖縄や北海道は観光地としてのブランドや強みがあるので足を運んでもらいやすいですが、鹿児島のような場所でもドライバケーションがあれば足を運んでもらいやすくなるかなと思っています。

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(内田さんのプレゼンスライドの一部)

シェリー:PLAY!期間中はどのようにプロジェクトを進められましたか?

内田:最初は、ドライバケーションをやりたいという話を地域の教習所の方や関係者の方に持ちかけたいと思っていました。その話をコーチの伊藤さんにすると、「実際に向こうの需要があるかは必要じゃない?」と言われ、伊藤さんがコーディネートされている内閣府の関係人口のプロジェクトに関わっている自動車教習所の社長さんを呼んでくださり、アウトプットする場を設けてもらいました。そこで、スライドに自分の考えを落とし込んでのプレゼンとヒアリングをさせていただきました。ヒアリングをしてみて、自動車学校側の要望を聞けたのが良かったです。夏休みや春休みなどの繁忙期は人を借り出せないことや、教習所にもいろんな人がいて向き不向きがあること。そこを織り込まないとプロジェクトが進んでいかないとわかりました。

他には、実はペーパードライバーを教える先生は、無免許の方を対象とした場合と違って、教習するための免許に法律などの義務付けはありません。そのため、先生をどう設定するのかが大事になってきます。そこに関しても、調べてきたことを伊藤さんと話しながら、免許を持っていれば誰でもいいのか、どういう要件が必要なのかを少しずつ議論して詰めていました。

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(内田さんのプレゼンスライドの一部)

シェリー:伊藤さんのコーチングで印象に残っていることはありますか?

内田:伊藤さんの一言がすごく残っています。たまたま世間話をしていたときに、大学生インターンが地域づくりの仕事の募集を見て、地域に活動しにいくという話を聞きました。大学生が地域活性に関わっていてすごいと思ったのですが、そのとき伊藤さんは「本当にやりたければ、公的な機関を使うよりも自分で考えて早く行ったほうがいい」と話されていました。その話を聞いて、起業も自分が動かないと進まず、結局そこに尽きるんだろうなと思いました。世間話の中の何気ない一言でしたが、自分にも刺さりました。

シェリー:ほかにこの期間でよかったと思うことはありますか?

内田:期日感のような、おしりをたたいてもらう感覚がありました。「来週伊藤さんと話す日なのに何もできていない…本当にどうしよう」と焦ったり、「何の成果も得られませんでしたと2ヶ月連続で言うことはできないから、どうにかしなきゃ」と思ったり、伊藤さんと月に1回話す機会があったことで心理的な追い込みができました。

深く考えていない意見しか出ないときも、ちゃんと聞いて肯定してくれましたし、応援してくれたように思います。自分で進めていると、まだこれだけしか進んでないのかとネガティブになることもありましたが、前に進むためのアドバイスをフラットにしてくれました。落ち込んでいてもメンタリングを受けると前を向けました。桜島のプランにつまずいていたのですが、そのとき熊谷でやってみたらどうかと、自分が思いもしなかった方向に軌道修正していただいたのがありがたかったです。

シェリー:PLAY!はどんな方におすすめですか?

内田:個人的な感想だと、地域で何かやりたい人にはオススメです。今、東京都の起業家を目指すプログラムに参加して、起業に必要なことを学んでいます。そこと比べると、PLAY!は地域で実績をつくっている方が多いと思います。質問をしても、地域の現場を知っている現実的な回答が返ってくると感じました。

3.熊谷と桜島の「ドライバケーション」実現に向けて

シェリー:今後の「ドライバケーション」について教えてください!

内田:まずはトライアルをしたいと考えています。鹿児島でトライアルをしようとしたときは、計画やフライヤーは作成したのですがコロナ禍で教習してくれる人が見つからず、一度は断念していまいました。そんな中、まずは今住んでいる場所で試してみてはと提案をいただき、熊谷でトライアルプランをつくっています。

熊谷は暑いくらいしかイメージがないかもしれませんが、実はお風呂カフェやスポーツ文化が発展していたり、滑走場があったりもします。都心から近めの立地で、ダイナミックな自然に触れることができます。グルメではうどんにコシがあってとても美味しいです。そんな熊谷で運転の練習をしつつ、最後は温泉に浸かってリラックスして帰れるプランをつくっている最中です。
今は周りやすいコースを模索しています。今週、夫の妹がペーパードライバーなので、自分のドライブで案内をしながら走れるかどうかをヒアリングする予定です。

まだまだ机上の空論を抜け出せてはないですが、少しずつ事業化に向けてのアクションをしていき、最終的には私のようなペーパードライバーの悩みを払拭できるようなノウハウを獲得できればと思っています。数年かかってしまうかもしれないですが、熊谷、そして桜島のプランも実現できるようにこれからも活動していきたいです。

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(内田さんのプレゼンスライドの一部)

インタビューまとめ

内田さんのお話はいかがでしたか?

内田さんは、コロナ禍でなかなかアクションしにくい状況の中でも、少しずつ「ドライバケーション」を形にされていると感じました。私自身ペーパードライバーなので、いつか「ドライバケーション」に行ってみたいです!

これからの内田さんのチャレンジをPLAY!事務局一同応援しています。

<内田さんのFacebookアカウント>
@Sayako Uchida
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今後もPLAY!では、自分らしい挑戦スタイルでアクションしつづけたい方々をサポートしていきます。PLAY!に少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひお気軽にコーチング無料体験にご参加ください!

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NPO法人ETIC.が主催する”個人のプロジェクト推進を支援するコーチングプログラム”です。約6ヶ月のパーソナルプログラムでアントレプレナーシップに火をつけ、あなたのチャレンジに伴走します。「実は前から頭にある『妄想』を現実にしてみたい」「本業とは別に自分の好きなことでプロジェクトを立ち上げたい」など、『アイデアを何かカタチにしたい!』という想いを持つ方をお待ちしています!
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