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いま大地震がきたらどうなってしまうのか

自然災害やパンデミックは、ある日突然やってきて、私たちの生活を一瞬にして奪い去っていきます。

今まさにコロナウイルスという世界的なパンデミックによって、外出自粛が余儀なくされている現状です。

しかし考えてみてください。
いま大地震がきて、頼みの綱である自宅が崩壊してしまったら?

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直近で起こった大地震と言えば、
2004年の新潟県中越地震
2011年の東日本大震災
2016年の熊本地震
などが挙げられます。

いずれも多くの地域で甚大な被害をもたらし、多数の死者を出し、一瞬にして日常が崩れて落ちてしまいました。


私自身も2016年熊本地震で被災しており、いわゆる”前震”と”本震”の2度の大地震を経験しています。

昼夜問わず毎日通っていた研究室、
大学近くに住んでいたアパート、
バイト先、
近所のスーパー etc...
当たり前に過ごしていた場所すべてがぐちゃぐちゃになってしまい、日常というものが一瞬にしてまっさらになりました。

当時は死を覚えるぐらいの出来事でしたが、時の流れというものは残酷で、あれから4年経った今、忘れかけている自分がいます。

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避難所生活を少しでも快適に・・・

地震発生直後から建物の倒壊を恐れ、車中生活や路上生活を余儀なくされた住民が後を絶たず、体調を崩す人も続出しました。

建築やまちづくりに携わる身としては、それは衝撃的な出来事でした。

私も大学のグラウンドに敷かれたブルーシートの上で、寒さに震えながら過ごしていたのを思い出します。

大地震が発生すると、まずは学校や公園などの避難所に避難します。その後、体育館等での避難生活が始まるわけですが、長期に渡る避難所での「雑魚寝」生活はプライバシーもなく、ストレスや疲労が溜まる一方。しかも今では考えられない「密」な状態。


そこで、避難所でも出来るだけ快適に、人間らしく生活することができないかという問題意識から、建築家の坂茂(ばんしげる)氏らにより、紙管を用いた間仕切りシステムが2004年の新潟県中越地震を機に開発されました。

そこで、私たち熊本で建築を学ぶ学生が中心となり、数々の避難所に出向き、大量の紙管間仕切りや段ボールのベッド等を設置し、約2ヶ月間に渡って避難所の環境改善活動を続けていきました。

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▲ カーテンを開けば8畳ほどの家庭用空間に、最小単位で仕切れば2畳のプライベートな空間に。

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▲ こどもたちが間仕切り間をはしゃぎながら駆け巡る


このような活動により、スピードが重要視される緊急事態において、少しでも避難所で安心できる住環境を提供することを可能にしました。

これはメディアにも広まり、社会的にも大きく評価され、2016年度のグッドデザイン金賞を受賞しました。


これにより、大地震がきたときのモデルケースとして確立するものとなりました。今後大きな地震が来たときもこのシステムはどんどん活用されていくことでしょう。

しかし……

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冒頭に話を戻しましょう。

いま大地震がきたらどうなってしまうのか。

お気づきでしょうが、大地震がきたときに効果を発揮するシステムであったとしても、この時代においては全くといっていいほど通用しないものとなります。

コロナウイルスによる外出自粛
(密を避けなければならない)
     ×
大地震による建物の崩壊
(避難所(密な場所)に逃げなければならない)

このように2つ以上の事象が並行してしまうと矛盾が生じてしまい、一方で優れたシステムであってもそれはほとんど機能しなくなるからです。

幸いにも、このような最悪な事態は今のところ起こっていませんが、コロナウイルスが終息するまでの間に起こる可能性は大いにあるでしょう。

先ほど震度4ほどの地震があり、ふと、こんな状況が頭を駆け巡ったため、記事に起こした次第です。


複数の大危機がやってきたとき、私たちにできることとは?

何かいい策はないでしょうか。。。

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